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絵心不要!コンパスと定規で描く曼荼羅アートの裏側にある“完璧な対称性”とは?

公開日

2025年11月16日

更新日

2025年11月14日


 みなさんこんにちは!和からの数学講師の岡本です。今回は、その美しさと奥深さで多くの人を魅了する曼荼羅アートを切り口に、数学とアートの深いつながり、そして手で描くことの面白さをご紹介します!
 

曼荼羅アートに潜む数学の神秘!手書きで学ぶ「対称性」の美

曼荼羅(マンダラ)は、仏教やヒンドゥー教において、宇宙の秩序や世界観を象徴する図形として知られています。その緻密で調和の取れた構造、色彩の美しさに目を奪われますが、曼荼羅の魅力の根幹にあるのは、まさに数学的な法則によって保証された「秩序」なのです。

特に、曼荼羅のような幾何学模様を自分で描いていくプロセスには、図形的なテクニック論理的な思考が詰まっており、単なる美術作品としてだけでなく、最高の脳のトレーニングとも言えます。

1.手で描いてわかる!曼荼羅アートの面白さ

美しい幾何学模様を自分で描くと聞くと、「難しそう」「絵心が必要なのでは」と思われるかもしれません。しかし、曼荼羅アートは、フリーハンドで描くのではなく、コンパスと定規を使い、円や直線を正確に引くことから始まります。

この「幾何学的なルール」に従って描くことで、驚くほど美しい模様が生まれてきます。計算通りに線が交わり、円が重なる瞬間には、まるで数式が可視化されたような感動があります。これは、自分で手を動かし、線と線が交差する瞬間の「カチッ」という感覚を知るからこそ得られる、特別な体験です。デジタルでは味わえない、アナログならではの達成感と、幾何学的な正確さの心地よさを感じることができます。


色も付けてみました!

なお、色付けに使用したのは呉竹のカラーペンです。細かいところまで描けるので非常に助かりました!

呉竹 カラーペン 筆ペン ZIG クリーンカラーリアルブラッシュ 6色

2.曼荼羅アートは「数学的な考え」と「テクニック」の宝庫

曼荼羅アートを完成させるまでには、様々な数学的な考え方やテクニックが活用されています。

①比率と分割の正確さ
円周を等分する、特定の比率で線分を分割するといった作業は、分数や幾何学的な作図の知識に基づいています。この正確さが、全体の美しさと安定感を生み出します。
②繰り返しと規則性の利用
中心から外側へ、あるいは小さなパターンを繰り返して全体を構成していく手法は、アルゴリズム漸化式といった数学的な考え方そのものです。規則性を意識することで、複雑な模様も論理的に描き進めることができます。
③空間認識能力の向上
3次元的な奥行きや立体感を平面の図形に落とし込む作業は、空間認識能力図形処理能力を効果的に鍛えます。これは、IQテストで必要とされる能力とも共通しています。

3.曼荼羅の美を支える「対称性」の概念

曼荼羅アートの美しさを支える最も重要な概念こそ「対称性(Symmetry)」です。曼荼羅には、回転させても元と同じに見える回転対称性や、鏡のように線対称になっている鏡映対称性が厳密に守られています。

数学において「対称性」とは、「ある変換を施しても、その本質的な構造が変わらない」という性質を意味し、群論という分野で深く研究されています。曼荼羅を描く際、この対称性のルールを意識的に設計し、守っていくプロセスは、自然界の雪の結晶や、物理法則、現代の暗号理論など、あらゆる分野で応用される数学の普遍的な美意識を体験することに他なりません。

対称性を理解することで、ただ美しい模様を描くだけでなく、なぜその模様が美しく見えるのか、その根源的な理由まで読み解けるようになるのです。

4.さいごに:【11月22日開催】数学アートセミナー

いかがでしたでしょうか?曼荼羅アートは、数学と芸術が融合した、最高の知的エンターテイメントです。手で描くことで、数学的な法則や「対称性」の美しさを心と体で実感することができます。

和からでは、今回ご紹介した曼荼羅アートの奥深さを体験できる「数学アートセミナー」を開催します。道具の使い方も丁寧に解説し、絵心に自信のない方でも楽しめる内容です。特に、11月22日開催回は、このテーマに興味がある方にとって最適な回となっています。

数学を通して、あなたの世界観が広がる瞬間を、ぜひ体験してみてください!

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<文/ 岡本健太郎>

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