幾何学デザインのゲーム~どんな形ができるでしょう?~
公開日
2021年3月13日
更新日
2021年3月13日
こんにちは。和からの数学講師の岡本です。今日は、幾何学模様やデザインを使ったゲームを紹介します!
この記事の主な内容
1.三角形を用意
まずは、野良の三角形を用意します。正三角形でなくてもかまいません。次に、三角形の内部に点を打ち(実は内部でなくても構いません)、ここをスタート地点とします。
そして、その点から三角形の各頂点まで線を伸ばし、その線分の中心の位置に点を置きます(つまり、中点を置きます)。ここでランダムに中点を1つ選び、選んだ中点に移動します。
ここで注目しておきたいのは、中点を結んでできる三角形は最初に設定した三角形と相似になっていることです。しかも、中点を使ってできているので最初の半分の大きさの三角形になっていることがわかります。
2.ひたすら繰り返す
あとはこの作業をひたすら繰り返し、移動した中点のみに色を付けて記録していきます。
100個ほど点を打ってもいまいち形がわかりにくいですが、500を超えると形がかなり整ってきます。
そして10000個打った点の大きさを小さくすると、細かい描写ができます。しかも見たことのある図形です!
なんということでしょう!!シェルピンスキー・ギャスケットというフラクタル図形が現れて行きました!シェルピンスキー・ギャスケットについては過去にマスログで紹介した記事があるので併せてご覧ください!
3.カオス・ゲーム
実はこのような、確率的に次の位置を決める操作を反復することで描かれるシステムを「確率的反復関数系(Random iterated function system)」といいます(以下RIFSと略します)。
特に、頂点までの距離を内分する操作は三角形だけでなく、様々な図形に対しても行え、このようなRIFSを「カオス・ゲーム(Chaos game)」と呼びます。カオス・ゲームでは、内分のルールを適切に定めることで、フラクタル図形を生成することができます。以下にカオス・ゲームの描写をいくつか載せておきます。
どれも綺麗ですね。。。!
4.さいごに
いかがでしたでしょうか?多角形という図形と、その相似を使った、比較的単純な操作を繰り返していくと思いもよらないフラクタル図形が描かれるといった内容でした。なお、今回描写に使ったソフトはなんとExcelです。数学的知識を活用することで、フラクタルのような複雑な図形もExcelで描けます。和からではこのような数学的性質・特徴をうまく活用したExcelアートのセミナーを開催しています。興味のある方は是非1度無料のセミナーへお越しください!
なお、今回扱った「カオス・ゲーム」は下記のセミナーの第4回で扱っていく予定ですので興味のある方は是非ご参加ください!
なんのために学ぶのかいまいちわかりにくかったベクトルや三角比を応用し、美しいコンピュータ・アートを作成していきましょう!。
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<文/岡本健太郎>