数学を楽しく教える5つの工夫|数学教師芸人に学ぶ授業設計
公開日
2018年11月4日
更新日
2026年10月12日
2018年に開催したロマンティック数学ゼミの報告です。タカタ先生のYouTubeチャンネル登録者数などは当時のもので、ゼミの案内ページへのリンクは外しました。冒頭の要点と末尾の表は、本文で紹介したゼミ各回の内容に合わせて書き直しました。
この記事の主な内容
この記事のポイント
・数学を「楽しい」体験に変える5つの工夫
・「表現力」「裏技」「授業導入」「数学小ネタ」「お笑い数学ネタ」をゼミの第1〜5回で一つずつ学ぶ
・最終回はショートプレゼン大会。毎回レクチャーのあとに一人ずつ実践し、良かった点と改善点のコメントをもらう
・数学教師芸人のタカタ先生による、2018年のロマンティック数学ゼミ(全6回)の開催報告
数学を楽しく教える5つの工夫とは
数学の授業を、生徒にとって「楽しい」時間にするにはどうすればよいか——タカタ先生のゼミでは、表現力、裏技、授業導入、数学小ネタ、お笑い数学ネタという5つの工夫を一つずつ学び、最終回はショートプレゼン大会で締めくくりました。
ロマンティック数学ナイトの司会でお馴染みのタカタ先生による全6回のロマンティック数学ゼミ「数学教師芸人に学ぶ生徒を楽しませる授業のやり方ゼミ」の全日程(全6回)が終了しました。どのようなゼミだったのか紹介します!
そもそもロマンティック数学ゼミとは
弊社主催のロマンティック数学ナイトは「数学がとにかく好き」、「数学に興味がある」、「数学で繋がりたい」人達が集う数学イベントです。ロマンティック数学ナイトに参加することで数学のロマンを感じることができますが、いざ自分で数学を勉強しようとすると、そもそもどの本で勉強したらよいかわからなかったり、わからないときに聞ける人が身近にいなくて挫折してしまったりするものです。
ロマンティック数学ゼミはそういった方のために設計した数学ゼミです。講師にロマンティスト(ロマンティック数学ナイトの登壇者)を迎え、ロマンティストから直接数学を学び、継続的に交流することで、ロマンティストが見ている数学の風景を一緒に見ることができるということをコンセプトにしています。少人数制のセミナーですので、他のゼミ生との交流もでき、一人ではなくみんなで数学を学んでいけるということも魅力です。

「数学教師芸人に学ぶ生徒を楽しませる授業のやり方ゼミ」の講師はよしもと所属のお笑い芸人でありながら高校の数学教師も務める数学教師芸人のタカタ先生です。二足のワラジでもすごいのですが、「お笑い数学教師♪タカタ先生」というYouTubeチャンネルを運営しており、2018年にはチャンネル登録者数が15,000人を突破しました!様々な数学イベント、勉強会を主催し、なんとテレビに出演することもあり、「もっと面白く、もっと分かりやすく」をスローガンに日々活躍しています。
ロマンティック数学ナイトには第1回から司会として登壇しており、ロマンティック数学ナイトはタカタ先生抜きには語れません。
「数学教師芸人に学ぶ生徒を楽しませる授業のやり方ゼミ」概要
本ゼミは単なる数学ゼミではなく、名前の通り生徒を楽しませる授業のやり方をレクチャーするゼミになります。そのためゼミ生には現役の高校数学教師やSPI講師、教員を目指す大学生が集まりました。

ゼミは全6回で各回のテーマと概要は下記の通りです。
- 【第1回】表現力を上げよう
- 【第2回】裏技を作ろう
- 【第3回】授業導入を磨こう
- 【第4回】数学小ネタを増やそう
- 【第5回】お笑い数学ネタに挑戦しよう
- 【第6回】数学ショートプレゼンに挑戦しよう
生徒の授業の印象は、先生が話す内容だけではなく、先生の声のトーン、スピード、表情等々でがらりと変わります。タカタ先生から発声方法から始めて様々なレクチャーを受けることで、ゼミ生の話し方が見違えるほど快活になりました。
高校数学の裏技をYouTubeに投稿し続けているタカタ先生から、裏技作成の6個のポイントを学び、裏技作成に取り組みました。三角関数の合成や集合の要素の個数に関する裏技を生み出しました。
生徒に新しい単元を教えるときは、その単元が生まれた背景や応用などをうまく話しに盛り込んで興味を持ってもらう事が大事です。ゼミ生からお笑いネタに合わせた内分、外分の導入や、なぞなぞになぞらえた数列の導入が提案されました。
タカタ先生が持っている漫画のキャラクター、数字や単位の歴史に絡む数学小ネタが大量に紹介されました。ゼミ生も負けじと数学小ネタを披露し合いました。
タカタ先生が、お笑い数学ネタに必要な3要素を自身のお笑い数学ネタを紹介する形で説明しました。その後過去にタカタ先生が学園祭で行った数学の集団コントをグループに分かれてアレンジして実践しました。
ゼミ生が事前にショートプレゼンを用意し、ロマンティック数学ナイトさながらプレゼン大会を行いました。SF、ことわざ、自作小説、プログラミング等々を元ネタにし、どれも個性に溢れた面白いプレゼンでした。

笑いが絶えなかったロマ数ゼミ
本ゼミは毎回最初にタカタ先生がレクチャーし、その後ゼミの時間内に一人一人が実践することが特徴的でした。実践後はタカタ先生や他のゼミ生からコメントをもらえます。コメントは良かった点だけでなく改善点についてもしっかり出されたので、意味のある実践となりました。


驚いたのはタカタ先生の引き出しの多さです。ゼミの性質上終始数学ネタを披露し続けていたのですが、ゼミ生が数学ネタや裏技を発表すると、我慢できずにそれに関連したタカタ先生のオリジナルのネタを披露していました。数学教師を長年やってきたタカタ先生だからこそ、実際の生徒とのエピソードを元にしているネタが多く、終始笑いが絶えないゼミとなりました。スタッフの私も何度か実践に混じったのですが、恥ずかしがらずに全力で発表することで心から笑うことができました。

「数学教師芸人に学ぶ生徒を楽しませる授業のやり方ゼミ」の名前の通り、ゼミ生も運営スタッフも楽しく数学と授業をする上での大事なポイントを学ぶことができました。

<文/松中>
数学を楽しく教える 5つの工夫
| # | 工夫 | ゼミでの内容 | 回 |
|---|---|---|---|
| 1 | 表現力を上げる | 声のトーンやスピード、表情で授業の印象が変わる。発声方法から練習 | 第1回 |
| 2 | 裏技を作る | 裏技作成の6個のポイントを学び、三角関数の合成や集合の要素の個数の裏技を考案 | 第2回 |
| 3 | 授業導入を磨く | 単元が生まれた背景や応用を盛り込む。お笑いネタに合わせた内分・外分や、なぞなぞになぞらえた数列の導入 | 第3回 |
| 4 | 数学小ネタを増やす | 漫画のキャラクターや、数字・単位の歴史に絡む小ネタを披露し合う | 第4回 |
| 5 | お笑い数学ネタに挑戦する | ネタに必要な3要素を学び、学園祭で演じた数学の集団コントをアレンジして実践 | 第5回 |
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