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算数障害(ディスカルキュリア)とは|診断と学習支援の違いを整理する

公開日

2026年10月24日

更新日

2026年10月24日

同じ大きさの4つのモジュールを均等に並べたミニマルな幾何イラスト

「他の教科はできるのに、算数だけが極端に苦手」。そうしたお子さんや大人の方から、算数障害(ディスカルキュリア)についてのご相談をいただくことがあります。

はじめに、私たちの立場をはっきりさせてください。

私たちは診断・判定を行いません。医療・療育の代替でもありません。私たちにできるのは、その方が今どこにいて、どこから進めるかを一緒に考えることだけです。この記事も、診断の手引きではなく、診断と学習支援は別のものだということを整理するために書いています。

算数障害とは何を指すのか

算数障害は、国際的な診断基準であるDSM-5-TRにおいて、限局性学習症(SLD)の一領域として位置づけられています。学習上の困難が持続し、年齢から期待される水準を大きく下回って、学校・仕事・日常生活に支障がある状態です。知的発達や感覚の問題、学習機会の不足などで困難を説明できないかも含め、専門家が総合的に評価します。

学習支援では、困りごとを次のように分けて確認できます。これは本記事の整理であり、診断基準の4分類をそのまま示したものではありません。

数処理(数字・数詞・量の対応をつける)
数概念(順序と集合の理解)
計算(四則の実行)
数的推論(文章題で式を立てる)

有病率の数値は、対象年齢や診断基準、調査方法によって異なります。数値を読む際には、どの集団をどの基準で調べたかの確認が必要です。学習上の困難の割合と、診断基準を満たす人の割合も区別します。

4つの枠にそれぞれ異なる形を入れ、4領域を分けて見ることを表した図

診断は医療機関で行われます

診断では、医療機関で発達・学習の経過や生活上の困難を確認し、必要な検査や学校等からの情報を合わせて評価します。ご家庭や学習の場で、チェックリストや問題のでき不できから判断できるものではありません。

ですから本記事では、「あなたは算数障害かどうか」を判定するようなリストは掲載しません。気になる場合は、小児科や児童精神科、発達障害者支援センターなどの専門機関にご相談ください。

診断と学習支援を分けて考える

診断と学習支援は、目的が異なります。

診断は、困難の特徴と背景を医学的に評価することです。支援や配慮を受けるための根拠になりますし、本人や周囲が「怠けているわけではない」と知ることで楽になることもあります。

一方で学習支援は、現在の理解や困りごとを確認し、学習の進め方を決めることです。診断の有無にかかわらず始められますが、評価結果や本人に必要な配慮も踏まえて進めます。数処理で止まっているのか、計算の手続きで止まっているのか、文章題の読み取りで止まっているのか。見るのはそこです。

だから私たちは、診断の有無を問わずご相談をお受けしています。診断を受けていないからといって、学習の進め方を考えられないわけではありません。

交わらない2本の曲線で、診断と学習支援が別の軌道であることを表した図

指導の場で見ていること

どの領域で止まっているかを分ける
「算数が苦手」とひとくくりにしない。数処理・数概念・計算・数的推論のどこなのかで、必要な学習の工夫は異なります。

迂回でも、その人に合う道を探す
暗記ではなく図で捉える、指を使う、電卓を使う。目的が「仕事や生活で使えること」なら、道具を使う選択は十分に合理的です。

「できないこと」ではなく「できるところ」から始める
確認の目的は、できないことを数えることではありません。始められる内容を確認することです。

大人の方からのご相談もあります

子どもの話として語られがちですが、大人になってから仕事の数字で困っている、というご相談も少なくありません。

弊社は「大人のための数学教室」として始まったため、この領域での蓄積があります。関連する記事をいくつかご紹介します。

・算数障害と数の理解~数同士の関係性を学ぶ方法~
・【数字苦手を克服】数字に強くなるためのタイプ別対処法
・大人の算数障害を考える(数字トレーニング)――参考文献つきで、もう少し踏み込んだ内容を扱っています

よくある質問(FAQ)

Q1. 診断を受けていないのですが、相談できますか。

はい。診断の有無を問わずご相談いただけます。学習の進め方を考えるのに、診断名は必須ではありません。

Q2. 指導を受ければ算数障害は治りますか。

私たちは治療を行う立場になく、治る・克服するといった約束はできません。できるのは、今困っている場面に対して、使える方法を一緒に探すことです。

Q3. 診断を受けたほうがいいですか。

その判断は私たちがするべきものではありません。ただし、学校での配慮や支援を受ける際には根拠が必要になることがあります。専門機関にご相談ください。

Q4. 電卓を使ってしまっていいのでしょうか。

目的によります。学校のテストでは、試験の規則や個別の配慮によって使用の可否が異なります。仕事や生活で使うことが目的なら、電卓も選択肢になります。何のためにやるのかを先に決めると、迷いが減ります。

Q5. 子どもと大人で、進め方は違いますか。

目的が違います。お子さんは学校の学習との共存が課題になりますし、大人の方は仕事の具体的な場面が出発点になります。どちらも現在地の確認から始める点は共通です。

まとめ

算数障害はSLDの一領域
学習支援では、数処理・数概念・計算・数的推論など、困りごとを分けて確認します。

診断は医療機関で
チェックリストや問題のでき不できで判断できるものではありません。

診断と学習支援は目的が異なる
診断名があってもなくても、見るのは「どの領域で止まっているか」です。

道具を使う選択もある
何のためにやるのかで、選べる方法は変わります。

<監修/和から株式会社 堀口智之>

診断の有無を問わず、現在地から始めます

和からの算数障害(ディスカルキュリア)の算数・数学 個別指導は、診断・判定を行わず、医療・療育の代替でもありません。学習の進め方だけを、お子さんも大人の方もご一緒に考えます。

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