不登校の出席扱い制度とは|文科省が示す七つの要件を整理する
公開日
2026年9月7日
更新日
2026年9月7日
不登校の児童生徒が自宅でICT等を活用して学んだ場合、一定の要件の下で、その学習を指導要録上の出席扱いとする仕組みがあります。ただし、オンライン教材を使えば自動的に出席になるわけではありません。
文部科学省が示す要件は7つです。学校との連携、定期的・継続的な対面指導、計画的な学習、学校による状況把握などを確認したうえで、在籍校の校長が判断します。
また、出席扱いと成績評価は同じ判断ではありません。2024年8月には、不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果を成績に反映するための要件が法令上明確化されました。本記事では、出席扱いの7要件と、学校へ相談するときの記録方法を分けて整理します。
この記事の主な内容
制度の根拠となる文部科学省通知
現在の基本となるのは、文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について」(2019年10月25日、元文科初第698号)と、その別記2「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」です。
現稿で根拠としていた2019年3月29日付「30文科初第1845号」は、指導要録の様式や記載方法に関する通知です。7要件そのものの根拠としては、2019年10月25日付通知を参照するのが正確です。
対象は義務教育段階の不登校児童生徒です。要件を満たすだけでなく、学習活動が本人の社会的自立を助けるうえで有効・適切だと学校長が判断した場合に、指導要録上の出席扱いとすることができます。

示されている7つの要件
通知の「出席扱い等の要件」として、次の7点が挙げられています。
1. 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
制度の出発点は、家庭と学校の関係です。学校に相談しないまま自宅学習を進めても、出席扱いの対象にはなりません。

2. ICT等を活用した学習活動であること
通知でいうICT等には、コンピュータやインターネット、遠隔教育システムのほか、郵送やFAXも含まれます。オンライン教材に限定されているわけではありません。
3. 訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること
自宅学習だけで完結するのではなく、対面での指導が併せて行われていることが前提とされています。ここは見落とされやすい要件です。
4. 学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
その子の理解度に合わせた計画があることが求められます。教材を渡して自習させるだけでは要件を満たしません。
5. 校長が、対面指導や学習活動の状況等を十分に把握していること
学習の進み具合が学校に報告され、校長がその状況を把握できていることが必要です。指導者と学校・家庭の間で情報が共有される仕組みが要ります。
6. 学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合の学習活動であること
教育支援センター(適応指導教室)などを利用できる場合は、まずそちらが想定されています。自宅でのICT学習は、基本的にそれらを利用できない場合の選択肢として位置づけられています。
7. 成果を評価に反映する場合は、学校の教育課程に照らして適切と判断されること
出席扱いと成績評価は別の話です。学習の成果を評価に反映するかどうかは、その内容が学校の教育課程に照らして適切かどうかで判断されます。
なぜ「3つ」と書かれているページがあるのか
要件を3つとして紹介しているページも多く見かけます。これは誤りというより、7つの要件のうち、家庭側が特に関わる部分を要約しているケースがほとんどです。
具体的には「学校との連携」「対面指導の併用」「計画的な学習プログラム」の3点にまとめられていることが多いようです。実務上たしかにこの3つが焦点になりますが、通知に立ち返れば要件は7つあり、特に6番目(公的機関等を利用できない場合という位置づけ)は見落とされやすい項目です。
学校へ相談するときに整理しておきたいこと
学習計画として、教材名、学ぶ単元、週あたりの回数、理解度に応じた見直し方法を整理します。
対面指導について、誰が、どのくらいの頻度で、どのような支援を行うかを確認します。通知は、対面指導が定期的・継続的に行われることを前提としています。
学校への共有方法として、学習記録を誰に、どの頻度で、どの形式で渡すかを相談します。出席日数の換算方法も学校や教育委員会が判断します。
和から式「1日1行・学習記録」
学校と学習状況を共有しやすくするため、1日分を次の6項目で記録します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 日付・時間 | 8月20日・30分 |
| 教材・単元 | 比例の復習・問題1〜5 |
| 取り組んだ内容 | 例題を見て式を立てた |
| できたこと | 表から比例式を作れた |
| 困ったこと | 文章題で数量を選べなかった |
| 次に行うこと | 同じ型を2問だけ解く |
この記録だけで出席扱いが決まるわけではありません。学校が状況を把握するための材料として、様式や提出頻度を在籍校と相談して使います。
出席扱いと成績評価は分けて確認する
2024年8月29日付の文部科学省通知により、不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果を成績に反映する際の要件が法令上明確化されました。学校の教育課程に照らして適切かを確認すること、学校が学習状況を継続的に把握することなどが必要です。
したがって、「出席扱いになったから自動的に評定が付く」「出席扱いにならなければ学習成果を評価できない」と単純に結び付けず、出欠と成績を別々に学校へ確認します。
確認に使った文部科学省資料
よくある質問(FAQ)
Q1. 出席扱いになると、成績も自動的につきますか。
自動的に決まるわけではありません。出席扱いと成績評価は別に確認します。成績へ反映する場合は、学校の教育課程との整合や、学校による学習状況の継続的な把握などの要件があります。
Q2. オンライン教材を使えば出席扱いになりますか。
教材の利用だけでは決まりません。保護者と学校の連携、定期的・継続的な対面指導、計画的な学習、学校による状況把握などを含む7要件を踏まえ、在籍校の校長が判断します。
Q3. 家庭教師や個別指導でも対象になりますか。
特定の業態名だけで可否は決まりません。ICT等を活用した学習であること、対面指導、計画性、学校との情報共有など、通知の要件に照らして学校が判断します。
Q4. 教育支援センターを利用できる場合はどうなりますか。
7要件の6番目では、自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いとするのは、基本的に学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合とされています。個別の事情を在籍校へ相談してください。
Q5. 学校への相談では何を用意すればよいですか。
教材・単元・頻度を示す学習計画、対面指導の方法、日々の学習記録、学校への共有方法を整理します。必要な様式や頻度は学校に確認してください。
まとめ|7要件と日々の学習記録を分けて整理する
出席扱いの基本資料は2019年10月25日付通知(元文科初第698号)
自宅でICT等を活用した学習について、文部科学省は7つの要件を示しています。
判断するのは在籍校の校長
教材や支援サービスだけで出席扱いを保証することはできません。
出席扱いと成績評価は別に確認する
2024年8月には、欠席中の学習成果を成績へ反映する要件が法令上明確化されました。
和から式「1日1行・学習記録」で共有材料を残す
日付、教材、内容、できたこと、困ったこと、次に行うことを記録し、在籍校と相談するときの材料にします。
学習の中身のご相談は、和からジュニアへ
制度の判断は在籍校によりますが、「どの単元から、どう進めるか」という学習設計はご一緒に考えられます。不登校・行き渋りのお子さんの算数・数学 個別指導では、学年ではなくつまずいた単元まで戻り、1対1で積み直します。
まずは30分の無料相談で、現在地とこれからの進め方を整理しましょう。
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