医療統計学の基礎(R, SPSSなどの実習込)
公開日
2021年7月30日
更新日
2026年7月26日
医療・製薬の現場で使う|医療統計の基礎を「なぜその指標なのか」から学び直す
「リスクが半分になった」と「100人に1人分の差」は、じつは同じデータから出てくることがあります。医療統計では、数字そのものよりも、何と何をどんな分母で比べたのかが結論を決めるからです。
この講座では、リスク比・オッズ比・生存時間といった医療分野の基本指標を、RやSPSSで実際に手を動かしながら、意味の側から順に組み立て直していきます。論文が読めるようになるだけでなく、自分のデータで手が動く状態を目指します。
受講内容
医療統計で最初に身につけたいのは、検定の名前を覚えることではなく、その数字がどんな分母から出てきたのかを確かめる習慣です。この講座では、医療・製薬の現場で実際に使われる指標を、意味の側から順に組み立て直していきます。
たとえば「新しい薬で発症リスクが半分になった」という報告があったとします。発症率が2%から1%に下がった、という場面です。相対リスクで見れば確かに50%減。けれど絶対的な差は100人あたり1人で、100人に薬を使ってようやく1人の発症を防げる、という計算になります。同じデータなのに、相対で語るか絶対で語るかで受ける印象はまったく変わってしまう。医療統計を学びはじめた方がまずつまずくのは、この感覚をつかむところです。

授業では、この「比べ方」を出発点にして、現場でそのまま使える形まで持っていきます。
- 臨床データの要約
群ごとの人数・割合・中央値をどう出し、どこまでを表に載せるのか。実際のデータ形式を見ながら、報告の型を身につけます。 - 群間比較と検定の選び分け
t検定・カイ二乗検定・ノンパラメトリック法を、データの尺度と分布から選べるようにします。迷ったときの判断の順番まで扱います。 - 生存時間の解析
カプラン・マイヤー曲線とログランク検定、ハザード比の読み方。打ち切りのあるデータをどう扱うかまで踏み込みます。
よくある質問
Q.統計の知識がまったくありませんが、ついていけますか。
A.はい。平均と割合が何を数えたものなのかを確かめるところから始めます。数式の変形よりも、目の前の数字を言葉で説明できることを先に置いて進めます。
Q.RとSPSS、どちらで進めますか。
A.ご希望の環境に合わせます。職場で使うソフトが決まっていればそれに合わせ、これから選ぶ段階の方には無料で使えるRからご案内することが多いです。
Q.手元の研究データを持ち込んで相談できますか。
A.できます。解析したいデータがある方は、そのデータを題材にしたほうが定着が早いため、内容を伺ったうえで進め方を組み立てます。
Q.論文の統計パートを読めるようになりたいだけですが、対象になりますか。
A.なります。読解が目的の場合は、解析を実行する練習よりも、報告されている指標と検定の前提条件を確認する読み方に時間を使います。
ここで身につく「分母と比較対象を必ず確かめる」姿勢は、多変量解析や統計モデリング、臨床試験のデザインへ進むときの土台になります。
なお、受講に前提知識は必要ありません。割合と平均の意味を確かめるところから、やさしく学び直せます。
実務での使いどころまで含めたコース全体(料金・受講の流れ・講師のご紹介)は、医療・心理統計 個別指導のページでご案内しています。
※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。
受講対象
・製薬会社やCROで、臨床データの集計・解析にかかわっている方
・医師・看護師・薬剤師で、論文の統計パートを自力で読めるようになりたい方
・医療系の研究テーマで、はじめて統計解析を担当することになった方
・リスク比・オッズ比・ハザード比の使い分けに自信が持てない方
・RやSPSSを動かしてはいるものの、出力の意味を説明できない方
必要な数学知識
モデルプラン
1) 記述統計〜代表値、散布度、相関、標準化など〜
2) 推測統計〜研究のデザイン、仮説検定とは、区間推定、P値、検出力など〜
3) 仮説検定の実際1〜t検定、U検定、相関検定など〜
4) 仮説検定の実際2〜質的データ解析、カイ二乗検定、シンプソンパラドックスなど〜
5) 分散分析と多重比較〜1,2元分散分析法、ボンフェローニ、チューキーの方法など〜
6) 正規分布と効果量〜正規分布、中心極限定理、サンプルサイズ 設計など〜
7) 相関・ 回帰分析〜相関係数、回帰、ダミー、層別など〜
8) ロジスティック回帰分析〜オッズ比、リスク比、ロジット、AICなど〜
9) 混同行列解析〜感度、特異度、正解率、ROCなど〜
10) 生存時間分析1〜生存関数、ハザード関数、Coxの比例ハザードモデルなど〜
11) 生存時間分析2〜カプランマイヤープロット、ログランク検定など〜
12) その他のトピック〜多重ロジスティック、マンテルヘンツェルの固定効果モデルなど〜
参考テキスト
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。



