仮説検定の理論と実践(Excel, Rなどの実習込)
公開日
2021年8月8日
更新日
2026年7月26日
仮説検定の理論と実践|「その差は偶然か」を判断する手続き
A案とB案でクリック率が少しちがった。この差は本物でしょうか、それともたまたまでしょうか。仮説検定はその問いに確率で答えるための手続きです。理論の意味を押さえたうえで、エクセルやRでの実行まで一緒におこないます。
受講内容
この講座では、仮説検定を公式の当てはめではなく、「なぜその手続きで判断してよいのか」という理屈から理解し、実際のデータで実行できるところまで進みます。
いちばんわかりやすい例で考えてみます。コインを20回投げたら、表が17回出ました。このコインは公正でしょうか。ここで仮説検定は、いきなり「イカサマだ」と言わずに、まず「公正なコインである」と仮定した世界を想像します。その世界で表が17回以上出る確率を計算すると、およそ0.1%です。1000回に1回しか起こらないことが目の前で起きている。だとすれば、最初の仮定のほうを疑うのが自然でしょう――これが背理法によく似た仮説検定の骨組みです。

授業では、帰無仮説と対立仮説の立て方、有意水準の意味、片側検定と両側検定の使い分けから始め、t検定、カイ二乗検定、分散分析といった代表的な手法へ進みます。あわせて、第一種・第二種の過誤、検出力、サンプルサイズ設計といった実務で効く論点も扱います。そのうえで、お手元のデータをエクセルの分析ツールやRで実際に検定し、出力のどこを読めばよいのかまでご一緒します。持ち込みデータでの実習も歓迎です。
この講座が効いてくる場面
- A/Bテストの判断
施策の効果を測るとき、「差が出た」で終わらせずに、その差が偶然の範囲かどうかを根拠をもって言えるようになります。必要なサンプル数を事前に見積もる力も身につきます。 - 研究・論文の作成
査読で問われるのは、検定手法の選択が妥当かという点です。データの尺度と分布から手法を選ぶ判断基準を持てると、結果の書き方まで変わります。 - 統計検定2級・準1級
検定は試験の中心分野です。手法の暗記ではなく成り立ちから理解しておくと、見たことのない設定の問題でも対応できます。
仮説検定の考え方は、区間推定、分散分析、回帰分析の有意性検定、そしてベイズ統計との比較まで、統計的推測の全体を貫く土台になります。
なお、受講に前提知識は必要ありません。平均と標準偏差の意味から確認して進めることもできます。
よくある質問
Q.「有意差あり」と出れば、効果があると証明されたことになりますか。
A.なりません。検定が言えるのは「偶然だと考えると、めったに起こらないことが起きている」までです。証明ではなく、確率にもとづく判断の手続きだとご理解ください。この読み違いはもっとも多いつまずきで、授業でも時間をかけて扱います。
Q.手法がたくさんあって、どれを使えばよいのか毎回迷います。
A.迷うのは自然です。データの尺度、群の数、対応の有無、分布の仮定という順に絞り込めば、候補はほぼ一つに決まります。授業ではこの判断フローを、ご自身のデータに当てはめながら練習します。
Q.エクセルしか使えませんが、実習についていけますか。
A.問題ありません。エクセルの分析ツールで一通りの検定は実行できます。ご希望があればRやPythonもお教えしますが、まずは慣れた環境で出力を読めるようになることを優先します。
Q.データの件数が少ないのですが、検定はできますか。
A.できる場合とできない場合があります。少数例向けの手法もありますし、そもそも検定に適さないケースもあります。実際のデータを見ながら、何が言えて何が言えないのかを一緒に整理していきます。
実務での使いどころまで含めたコース全体(料金・受講の流れ・講師のご紹介)は、仕事のデータ分析 個別指導のページでご案内しています。
※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。
受講対象
・A/Bテストや施策の効果を根拠をもって判断したい方
・「有意差あり」の意味を正しく説明できるようになりたい方
・研究や論文で検定手法の選択に迷っている方
・エクセルやRで検定を実行し、出力を読めるようになりたい方
・統計検定2級・準1級の受験を考えている方
必要な数学知識
モデルプラン
1) 仮説検定の理論準備 I 〜 p値、有意水準、検出力(曲線)、ネイマンピアソンの基本原理 など
2) 仮説検定の理論準備II 〜 尤度比検定、スコア・ワルド型の検定 など
3) 正規分布の検定〜 Z, t, F 検定
4) 二項分布・ポアソン分布の検定
5) 多項分布の検定〜カイ2乗検定と適合度検定
6) 分散分析法〜1元配置・2元配置〜
7) 共分散分析と単回帰分析、無相間検定
8) クロス集計の検定〜独立性の検定とFisherの正確検定、マクネマー検定 など
9) ノンパラメトリック検定I 〜符号検定、ウィルコクソン検定 など
10) ノンパラメトリック検定II 〜ウォリス検定、順位相関検定 など
参考テキスト
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。



