統計学・データ分析のための大学数学
公開日
2021年6月10日
更新日
2026年7月25日
統計学・データ分析のための大学数学|「面積が確率になる」まで
確率密度関数、積分、行列――統計の本の中盤で急に景色が変わり、そこで止まってしまう方は多くいらっしゃいます。この講座では、大学数学を教科書の順番ではなく「統計のどこで、なぜ必要になるのか」という順番で学び直します。
受講内容
この講座では、統計学を理論のレベルで理解するために必要な大学数学を、統計での使いどころとセットで学びます。数学科のカリキュラムをなぞるのではなく、統計の式が読めるようになることをゴールにします。
最初の関門は、たいてい確率密度関数です。ヒストグラムなら「棒の高さが人数」だとすぐわかるのに、なめらかな曲線になったとたん「この曲線の高さは何なのか」がわからなくなる。答えは、階級のはばをどんどん細かくしていった先の姿だ、というものです。身長を5cmごとに数えたヒストグラムを1cmごと、1mmごとと細かくしていくと、棒はやがて曲線に近づきます。このとき確率を表しているのは高さではなく面積で、a から b までの面積を求める操作こそが積分です。P(a ≦ X ≦ b)という見慣れない式は、「塗った部分の面積」と言い換えられます。

授業では、この「面積が確率」という感覚を出発点に、微分積分、線形代数、そして多変数の考え方へ広げます。線形代数についても、行列を計算規則として覚えるのではなく「データの束をまとめて扱うための表記」として導入しますので、多変量解析や機械学習の式を開いたときに手が止まりません。証明を追いたい方には数式の展開まで、意味の理解を優先したい方には図と言葉を中心に、進め方を選んでいただけます。
この講座が効いてくる場面
- 統計検定準1級・1級
準1級以上では、確率分布の導出や期待値の計算で積分が当たり前に出てきます。ここを数学として押さえておくと、暗記に頼らずに解けるようになります。 - 機械学習の理論
勾配降下法は微分、主成分分析は固有値・固有ベクトルです。ライブラリを呼ぶだけの状態から、なぜその手法が効くのかを説明できる状態へ進めます。 - 論文・専門書を読む
研究や業務で統計の専門書を読む必要がある方にとって、数式を飛ばさずに読めることは大きな武器になります。読みたい文献を持ち込んでいただく形の授業も可能です。
ここで学ぶ微分積分と線形代数は、推測統計、多変量解析、ベイズ統計、機械学習のすべてで共通して使われる言語です。
なお、受講に前提知識は必要ありません。高校数学の微分積分から不安がある場合は、そこまで戻って組み立て直します。
よくある質問
Q.大学で数学を学んでいません。いきなり大学数学から入って大丈夫でしょうか。
A.最初の回で現在の状態を確認し、必要であれば高校数学の該当箇所から始めます。実際、独学で統計を学んでこられた社会人の方が、微分積分の入口から積み上げて準1級の内容まで進まれた例があります。
Q.積分の計算ができるようにならないと、統計は理解できませんか。
A.計算力より先に、積分が何をしているのかという意味の理解が重要です。「面積を求めている」がわかれば、確率密度関数も期待値の定義も読めます。計算練習は目的に応じて必要な分だけおこないます。
Q.線形代数は、行列の計算をひたすら練習することになるのでしょうか。
A.いいえ。この講座では行列を「データをまとめて書くための表記」として導入し、固有値・固有ベクトルも主成分分析での意味とセットで扱います。計算のための計算にはしません。
Q.「統計学・データ分析のための高校数学」との違いを教えてください。
A.高校数学の講座は、統計の本を読むための記号と関数の土台をつくるものです。この大学数学の講座は、確率分布の導出や多変量解析の仕組みといった理論そのものに踏み込みます。目的をうかがえば、どちらから始めるべきかご案内できます。
実務での使いどころまで含めたコース全体(料金・受講の流れ・講師のご紹介)は、仕事のデータ分析 個別指導のページでご案内しています。
※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。
受講対象
・統計の本の中盤、確率密度関数や積分で止まってしまった方
・統計検定準1級・1級の受験を考えている方
・機械学習をライブラリ任せでなく理論から理解したい方
・研究や業務で統計の専門書・論文を読む必要がある方
・微分積分と線形代数を統計に効く形で学び直したい方
必要な数学知識
モデルプラン
1)ベクトルと行列
2)行列式、固有値
3)偏微分
4)重積分
参考テキスト
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。



