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統計グラフの読み方(棒グラフ・折れ線・円グラフ)-【統計学をやさしく解説】

公開日

2025年10月6日

更新日

2025年10月29日

はじめに:グラフが語る“気づき”

ビジネス資料や報告書、あるいはニュース記事を見ていると、必ずと言っていいほど登場するのが「グラフ」。 数字だけが並んだ表を見せられるより、グラフにして見せてもらった方が「傾向」や「違い」がひと目で伝わりやすいと感じる方は多いと思います。

でも、グラフの使い方や読み取り方には「しっかり読み解かなければいけない意外なポイント」がいくつもあります。この記事では、基本的な棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフをやさしく解説しながら、ちょっと驚きのネタも交えて紹介します。


棒グラフの読み方と“0点トリック”

基本のおさらい

棒グラフはカテゴリーごとの大小を比較するのに最適です。棒の長さで値を示します。

実例:部署別売上

部署 売上(万円)
A 120
B 80
C 150
D 100

驚きポイント:0点トリック

縦軸を0から始めずに途中から切ると、実際には小さな差でも、棒の高さが極端に違って見えます。広告やプレゼンでは意図的に使われることもあるテクニックです。気づけると「このグラフ、ちょっと盛ってるな」と見抜けるようになります。


折れ線グラフで変化を読む“錯覚”

基本のおさらい

折れ線グラフは時系列の変化を表すのに便利です。上下の傾向やピークが見えやすくなります。

実例:月別売上推移

売上(万円)
1月 100
2月 110
3月 130
4月 90
5月 120
6月 150

驚きポイント:スケールの魔法

同じデータでも、縦軸の幅を狭めると変化が激しく見え、広げると穏やかに見えます。株価チャートなどで強調のためによく使われる手法です。「上がってる!」と思っても、スケールを確認すると実際は微増…なんてこともあります。


円グラフの“人間の錯覚”

基本のおさらい

円グラフは全体に占める割合を表します。直感的で分かりやすい反面、正確な数値比較には不向きです。

実例:市場シェア

会社 シェア
A社 40%
B社 25%
C社 20%
D社 15%

驚きポイント:面積と角度の錯覚

人は角度や面積を正確に比べるのが苦手です。例えば、25%と20%の差は数字で見ると大きいですが、円グラフだとほとんど同じに見えてしまいます。そのため、プロの現場では割合の比較には棒グラフを推奨することも多いです。



グラフの使い分けとまとめ

それぞれのグラフには役割と“裏の顔”があります。

棒グラフ:カテゴリー比較に強い。ただし0点トリックに注意。

折れ線グラフ:変化を見るのに最適。ただしスケール調整に惑わされないように。

円グラフ:割合の直感的把握に便利。ただし人間の目の錯覚で誤解しやすい。

つまり「グラフは真実を伝える道具」ですが、同時に「見せ方次第で印象操作もできるツール」です。ここを理解すると、会議や資料を読むときに「おお!」と思う気づきが得られます。

ぜひ、何となくグラフを眺めるのではなく、しっかりと読み解くことを意識しましょう。

次回は「度数分布表とヒストグラム」を取り上げ、データの分布を深掘りする方法を学んでいきましょう。

<文/綱島佑介>

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