マスログ

Claude 4 – Anthropicの最新AIモデルは4次元空間を作れるのか!?

公開日

2025年5月27日

更新日

2025年5月27日

新モデル登場!Claude4

 2025年5月、Anthropic社は次世代のAI言語モデル「Claude 4」を公開しました。ChatGPTなどに触れたことがある方なら、このClaudeシリーズの名前を聞いたことがあるかもしれません。Claude 4は、従来モデル(Claude 3.5やClaude 3.7 Sonnet)から大幅な性能向上を遂げており、長文処理や推論能力、コーディング能力など様々な面で進化しています。本記事では、Claude4のポイントを紹介するとともに、その性能について解説します。

Claudeの紹介記事はこちら
【初めてのAIツール入門】第3回 ChatGPTだけじゃない!高度な推論もできるAIツール~Claude~

Claude 4の概要 – 何が新しくなったのか?

 Claude 4はAnthropic社による最新の大規模言語モデルで、2025年5月22日開催のイベント「Code with Claude」で発表されました。今回のリリースではClaude Opus 4とClaude Sonnet 4という2つのモデルが登場しており、それぞれ特性が少し異なります。Claude Opus 4は難易度の高いプログラミングや長時間にわたる複雑なタスク処理を得意とする最上位モデルで、Claude Sonnet 4は性能と効率のバランスに優れた汎用モデルです。。無料ユーザーでもClaude Sonnet 4にアクセス可能となっており、有料プランではさらに強力なOpus 4も利用できます。
 では、Claude 4で何が新しく、どのように性能が強化されたのでしょうか?以下で主なポイントを解説していきます。

コーディング性能の飛躍的向上
 まず特筆すべきは何といってもプログラミング性能の大幅な向上です。Claude Opus 4は、ソフトウェア開発のベンチマークであるSWE-benchで72.5%という高スコアを記録しました。SWE-benchとは簡単に言えばAIにプログラミングコード内のバグを修正してもらうテストのことで、この数値が高いほどコーディング能力が高いことを示します。Claueはこの数値がOpenAIやGoogleの同等モデル(GPT-4系列やGemini 2.5 Pro)を上回っており、世界最高レベルのコーディングモデルとなっています。


Introducing Claude 4

 Claude Sonnet 4も72.7%と非常に高いスコアを示しており、前世代からコード処理性能が飛躍的に高まっていることが分かります。これにより、コードの自動生成はもちろん、デバッグ支援、既存コードのリファクタリングなど、エンジニアの業務を効率化する場面でClaude 4は強力な助っ人となるでしょう。実際、Anthropicはエンジニア向けのコーディング支援機能「Claude Code」を正式リリースし、Visual Studio CodeやJetBrainsといった開発環境に直接統合できるようにしました。これによって、開発者はターミナル上で直接AIアシスタントの助言を得ながらコーディングできるようになっています。

並列処理機能の追加
 Claude 4では複数のツールを並行して使用することも可能になりました。従来は外部ツールを使う場合、1回につき1ツールずつ順番に実行していましたが、Claude 4は必要に応じて複数の作業を同時並行でこなすことができます。これにより、情報収集やデータ分析を並行処理して回答をより迅速に導き出すことが可能です。例えばレポート作成の際に、ウェブ検索で統計データを集めながら並行して社内データベースから関連情報を引き出す、といったことも効率よく行えます。

推論能力と「深い思考」モードの強化
 Claude 4では複雑な推論や問題解決能力も強化されました。前モデルClaude 3.7 Sonnetでは、人間の直感的思考と論理的熟考を切り替えるハイブリッド推論という仕組みが導入されていました。これは1つのAIモデルの中に、素早い応答を行う標準モードとじっくり考える拡張思考モードの2種類の思考プロセスを持たせたものです。3.7では日常的な質問には前者で高速回答し、数学やプログラミングのような難題には後者でステップバイステップの考察を示す、といった切り替えが可能でした。

例えば並列処理について聞いてみると、回答をする前にじっくり考えてから(回答の方針を考えてから)出力をしてくれることが分かります。

 Claude 4はこのハイブリッド推論をさらに進化させています。Claude 4のモデルも「即座の応答」と「深い推論」の2モードを持つハイブリッド型ですが、推論力が要求される場面での振る舞いが一段と高度になっています。具体的には、「ツール使用を伴う拡張思考」という新機能により、モデルが考えている途中で外部の情報源にアクセスし、問題解決に必要なデータを取りに行けるようになりました。例えば難しい質問に対して、Claude 4はすぐに答えを出すのではなく、一旦「調べ物をする=ウェブ検索などの外部ツールを使う」ステップを挟み、その結果を踏まえて再度推論を深める、といった人間に近い思考プロセスを取ることができます。このおかげで、多段階の推論が必要な複雑な課題に対して、より質の高い回答を導けるようになりました。

先ほどの回答の途中でweb検索が必要とClaude君は判断したようで、検索をした結果をもとに回答を続けてくれています。

このように、もともとCaude3.7 Sonnetも高性能でしたが、Claude4ではさらにその能力が進化していることが分かりますね。

Claude 4で4次元空間を作ってみた

 コーディング能力がすごいと話題のClaude 4ですが、実際にどれだけのものを作ることができるのか試してみました。今回は特に細かな設定などは伝えずに東京の町並みを再現してもらおうということで、東京スカイツリーを中心とした押上の町並みの3Dモデルを作成してもらいました。伝えたプロンプトは

「3D線画で東京スカイツリーを中心とした押上の町並みを作成してください。」

たったこれだけです。

プロンプトを入力するとコーディングが始まりました。数秒待ったのちに出来上がったのがこちらです。

特に詳細な指定をしなくても押上駅周辺をいい感じに3Dモデル化してくれました。こちらはマウスで操作し、アングルを変えて楽しむこともできます。さらにはもっと機能を追加してみようということで、こちらの3Dモデルを基にして、押上地域を自由に動けるようにしてみたいと思います。

「これをもとに3Dメタバース化して、周辺を車で移動できるようにしてください。」

数分待ったのちに出来上がったのがこちらです。

マウスとキーボード操作で車を動かすことができ、押上周辺をドライブすることができます。
※動画でご覧ください。

このようにClaude 4は非常に高度なコーディング能力を持っていることが分かります。

 現実の世界を3Dモデル化してもらえることはわかったので、次は少し無茶な注文をしてみようと思います。

「3D線画で4次元空間をモデル化してください。4次元空間上の押上地域をモデル化してください。」

4次元空間上の押上地域に行ったことがないので、これが正しいかどうかの判断はできませんが、何とか頑張って要望に応えようとしてくれていることが分かります。このようにClaude 4のコーディング能力はかなり高度なものになっています。Claude 4はエンジニアの方にとって非常に強い味方になってくるのではないでしょうか。

おわりに

 今回は、Claude 4の性能を確認してみました。制限はありますが無料で使うこともできますので、興味を持った方はぜひ使ってみてください。

 また弊社では最新のAI関連のセミナーも多く開催しております。Claudeのように様々なツールと連携しタスクをこなせるAIをAIエージェントといいますが、今やこのAIエージェントは簡単に作ることができます。そのような最新のAIエージェントをいち早く学べる以下のセミナーも開催していますのでご興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。

ClaudeなどのAIモデルを組み合わせた業務改善アプリを作ろう!
Difyで始めるAI活用!プログラミング不要のAIエージェント作成入門【基礎編】

Difyで差がつくAI活用術!プログラミング不要のAIエージェント作成入門【実践編】

新着記事

同じカテゴリーの新着記事

同じカテゴリーの人気記事

CONTACTお問い合わせ

個別講義や集団講義、また法人・団体向けの研修を行うスペース紹介です。遠人に在住の方や自宅で講義を受けたい方はオンライン講座をご用意しております。よくある質問はこちら