【初めてのAIツール入門】第3回 ChatGPTだけじゃない!高度な推論もできるAIツール~Claude~
公開日
2025年5月25日
更新日
2025年5月23日

この記事の主な内容
AIツール紹介シリーズ 第3回:Claude
皆さんこんにちは。今日もAIツールを使っていますか?
AIツール紹介シリーズの第3回の本稿では、ChatGPTと同じく有名なClaudeについて紹介していきます。
Claudeって何?初心者向けの概要
Claudeは、Anthropic社が開発・提供する対話型のAIアシスタントです。ChatGPTのように、人間と自然な文章で会話できるチャットボットであり、ユーザーの質問に答えたり、文章の要約・編集、知識に基づくQ&A、さらにはプログラミングのコード作成といった幅広いタスクをこなします。ユーザーは画面上のチャット入力ボックスに質問や依頼を書き込むだけで、その場で回答や提案を得ることができます。
そしてなんといってもClaudeの大きな特徴の一つは、「長文の読み書きが得意」である点です。実際に短い本1冊分ほどの長さの文章をまとめて読み込んで内容を理解し、質問に答えることが可能です。これは、大量のビジネス文書やレポート、契約書などをAIに分析させたい場合に非常に有用です。
ChatGPTとの違い – 開発企業と機能面の比較
ChatGPTとClaudeはいずれも高度な対話AIですが、開発した企業や設計思想、機能面でいくつか違いがあります。
まず開発企業について言えば、ChatGPTはOpenAI社が開発したのに対し、ClaudeはAnthropic社によって開発されています。Anthropic社は2021年にOpenAIの元研究者たちが立ち上げたスタートアップで、AIの安全性や倫理面に特に注力している点が特徴です。
AI安全性への独自の取り組み
Claudeを開発するAnthropic社は、AIの安全性と信頼性に焦点を当てた注目のスタートアップで、営利だけでなく公共の利益を意識した企業理念を掲げています。創業メンバーには前述の通りOpenAI出身者が名を連ね、2021年の設立以降、一貫して「人類にとって有益で害を及ぼさないAI」の実現を目指してきました。この姿勢は資金面からも伺えます。
Anthropic社はGoogleからの出資(約4億ドル規模)や、Amazonからの大型投資(2023年には最大40億ドルの出資提携)が相次ぎ、企業評価額は200億ドルに達すると報じられています。大手テック企業がこぞって支援する背景には、信頼性の高い安全なAI技術への期待があると言えるでしょう。
技術的な取り組みとしてAnthropic社が重視しているのが、前述の「AI憲法」に基づく訓練手法です。「憲法AI」は国連やGoogle DeepMindなど他のAI企業が提案するガイドラインを基に構成されているルールのことです。これをもとに学習されているClaudeは人間に害することがないように調整されています。例えば少し過激ですが人類の滅ぼし方について聞いてみました。
人類の滅ぼし方は教えてもらえませんでした。これからわかるように人類に有害なコンテンツはしっかりとブレーキがかかる仕組みが備わっていることがわかります。
嫌われないように念のため仲直り。
Anthropic社は「AIを急速にパワーアップさせるだけでなく、安全策もきちんと備えよう」という姿勢で事業を展開しています。この点はビジネスでAIを活用したいユーザーにとっても安心ですね。社内規定やコンプライアンスが厳しい業界でも、Anthropic社の方針であれば比較的導入に踏み切りやすいという声もあります。
(ちなみにChatGPTが危険というわけではなく、ChatGPTでも有害なコンテンツはブロックしてくれました。)
高度な推論ができるClaude 3.7 Sonnetの登場
急速に進歩する生成AIの世界において、Claudeも日々進化を遂げています。Anthropic社は2025年2月24日に最新モデルClaude 3.7 Sonnetを発表しました。こちらは同社史上最も高度なAIモデルとなっています。このモデルは「ハイブリッド推論」を特徴としており、高速なリアルタイム応答と深いステップバイステップの推論の両方を単一のモデルで実現する世界初の例となっています。
Claude 3.7 Sonnetは、前世代モデル(Claude 3.5 Sonnetなど)から大幅な性能向上と新機能を遂げています。最大の違いは前述のハイブリッド推論アーキテクチャです。こちらは通常モードと拡張思考モードの2つを搭載しており、通常モードでは素早い回答、拡張思考モードでは少し考えなければいけない問題に対して高い精度で答えを出すことができるものとなっています。これにより日常の応答から、数学・物理の問題のような思考問題、あるいはコーディングなど、多くのタスクで回答精度が向上します。
拡張思考モードの実験をしてみましょう。あるビジネス課題を解決する方法を拡張思考モードで考えてもらいました。
拡張思考モードではいきなり答えを出すのではなく、思考を行ってから、つまり回答の方針の立ててから回答を作成していきます。これにより、より状況を理解し正確な回答をすることができます。思考が終わると回答を出力してくれます。
Artifacts機能でコード生成もすごい
ClaudeにはArtifacts機能が搭載されています。Artifacts機能とはユーザーがAIとやり取りしながら図表やアプリなどのコンテンツを作成することができる機能です。この機能によりClaudeはユーザーと対話するAIという位置づけから、コンテンツ生成を行うアシスタントに進化を遂げたと言えるでしょう。例えば以下の図のように、「マインスイーパーを作ってください。」とお願いすれば、画面の右半分でコードを作成してくれます。
作成したマインスイーパーはその場ですぐに動かし、確認することもできます。
作成できるのはアプリだけではありません。例えば文章やpdfなどのコンテンツをHTML形式のインフォグラフィックに変換する、なんてこともできます。ここでは実験的に弊社のセミナー情報をインフォグラフィックにしてみました。
情報をテキストで入力すればあとはAIがいい感じに体裁を整えてくれます。
※プロンプトはこちらのサイトのものを使用させていただきました。
Mystic Library
このようにClaudeは発表されてからわずか数年で信じられないほどの進歩を遂げています。この勢いは衰えることなく、これからも多くのことがAIでできるようになっていくでしょう。
おわりに
今回は、Claudeを取り上げ、その概要について解説しました。AIを触ってみたいという方はぜひClaudeを使ってみてください。制限はありますが無料で使うこともできますので、初めての方にはぴったりなツールとなるでしょう。
また弊社では最新のAI関連のセミナーも多く開催しております。ChatGPTやClaudeのようなAIモデルを組み合わせて様々なタスクをこなせるようなAIをAIエージェントといいます。今やこのAIエージェントは簡単に作ることができます。そのような最新のAIエージェントをいち早く学べる以下のセミナーも開催していますのでご興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。
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