マスログ

ほとんど高校生の知識でゼータ関数の超えられない壁を超える

公開日

2025年2月4日

更新日

2025年3月9日

ほとんど高校生の知識でゼータ関数の超えられない壁を超える

こんにちは!今回は、「ほとんど高校生の知識でゼータ関数の超えられない壁を超える」というテーマでお話しします。ゼータ関数は数学の世界で非常に重要な役割を果たす関数ですが、その深い部分に踏み込もうとすると「壁」にぶつかることになります。果たして高校生の知識だけでその壁を越えることはできるのでしょうか?挑戦してみましょう!

ゼータ関数とは

まず、ゼータ関数について簡単におさらいします。ゼータ関数は次のような無限級数で定義される関数です。

\zeta(s) = 1 + \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} + \frac{1}{4^s} + \dots

たとえば、 s = 2 を代入すると、

\zeta(2) = 1 + \frac{1}{2^2} + \frac{1}{3^2} + \frac{1}{4^2} + \dots

となり、これは収束することが知られています。このようにゼータ関数は一見すると単純な無限級数の形をしており、小学生でも式の形は理解できるかもしれません。

しかし、このゼータ関数の本当の面白さは「複素数 s を代入したとき」に現れます。特に「リーマン予想」に関連する話題は、複素数の世界で議論されるため、単なる実数だけでは理解しきれません。では、高校生の知識だけでどこまでこのゼータ関数に迫ることができるのでしょうか?

高校生の知識で複素数のゼータ関数を扱う

幸いなことに、高校生は複素数を学習しています。特に「オイラーの公式」

e^{i\theta} = \cos\theta + i\sin\theta

を使えば、指数の形で複素数を扱うことができます。ゼータ関数の式に複素数を入れたとき、各項は

n^{a+bi} = n^a \cdot e^{i b \log n}

と変形できます。このように、高校生の知識があれば、複素数を含んだゼータ関数の計算自体は問題なく行えるわけです。

ここまでくると、「高校生でもゼータ関数を計算できるぞ!」と意気込むところですが、実はここで大きな壁にぶつかることになります。

ゼータ関数の「超えられない壁」

問題は、この無限級数の式が 「すべての複素数 s に対して有効ではない」 ということです。この式は 実部が 1 より大きい範囲 でしか使えません。つまり、\( \operatorname{Re}(s) \leq 1 \) の領域では、ゼータ関数をこの形で扱うことができない のです。

なぜなら、右辺の無限級数は s の実部が 1 以下になると発散してしまう からです。高校生の知識でゼータ関数を扱うには、この「壁」を何とかして乗り越えなければなりません。

ゼータ関数の面白さは「壁の向こう側」にある

ゼータ関数は、素数に関する深い情報を持っています。しかし、その「素数の情報」は、この「超えられない壁」の 左側(\( \operatorname{Re}(s) \leq 1 \) の領域) にあるのです。つまり、高校生の知識だけでは本当に知りたい情報にアクセスできないことになります。

特に、「リーマン予想」は、この \( \operatorname{Re}(s) = \frac{1}{2} \) のライン上のゼロ点に関する予想です。このラインこそが、ゼータ関数の持つ素数の情報の宝庫なのですが、高校生が知っている級数の形ではこの領域を扱うことができません。

これは数学を学び始めた高校生にとって、なかなか悔しい状況ではないでしょうか?

壁を超えるための「解析接続」

ここで登場するのが「解析接続」という技術です。これは、ゼータ関数の定義を 拡張 する方法で、先ほどの「壁」の左側でもゼータ関数を扱えるようにするものです。しかし、この解析接続の公式は、高校生にはなかなか難解に見えてしまいます。

たとえば、ゼータ関数は以下のような形でも表せます。

\zeta(s) = 2^s \pi^{s-1} \sin\left(\frac{\pi s}{2}\right) \Gamma(1-s) \zeta(1-s)

これを見て、「なんだこれ?」と思った方も多いのではないでしょうか。確かに、この式だけを見ると 「ゼータ関数は別の世界の生き物」 に思えてしまうかもしれません。

しかし、ここで諦める必要はありません!実は、この「解析接続」も 高校生の知識で実感することができる方法 があるのです。それが べき級数展開(テイラー展開) を用いる方法です。

べき級数展開で壁を超える

べき級数展開とは、関数を 無限級数の形で展開する手法 です。これは高校数学でも扱う内容なので、親しみやすい概念でしょう。ゼータ関数も、特定の点(例えば s = 2 など)を中心にべき級数展開すれば、その周辺での値を計算することができます。

ポイントは、「壁の右側でべき級数展開を行い、その延長で左側の値を求める」というアイデアです。つまり、ゼータ関数の「計算できる範囲」を拡張することで、壁の向こう側に踏み込める のです!

実際に計算してみる

では、本当にこの方法でゼータ関数の壁を超えられるのか?私は Python を使って実際に計算してみました。

s = 2 + 20i

という点を基準にべき級数展開を行い、その結果を用いて ゼータ関数のゼロ点( s = \frac{1}{2} + 14.13i など) を計算してみました。すると、数値計算の結果、実際に ゼータ関数のゼロ点が再現できた のです!

まとめ

今回の内容をまとめると、次のようになります。

• ゼータ関数は、高校生でも理解できる形をしているが、「壁」の向こう側には進めない。

• 壁の向こうには素数に関する重要な情報がある。

• 解析接続は高校生には難しいが、べき級数展開を使えば壁を超えられる!

• 実際に数値計算を行うと、ゼータ関数のゼロ点を求めることができる。

数学の世界には、まだまだ越えられない壁がたくさんあります。しかし、工夫次第で高校生でもその壁を乗り越えることは可能なのです!次回も、数学の不思議な世界を探っていきましょう!

新着記事

CONTACTお問い合わせ

個別講義や集団講義、また法人・団体向けの研修を行うスペース紹介です。遠人に在住の方や自宅で講義を受けたい方はオンライン講座をご用意しております。よくある質問はこちら