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【和から株式会社】ゼロからはじめる統計学-統計初心者のためのデータリテラシー講座- 講義抜粋

公開日

2024年11月24日

更新日

2025年3月5日

「ゼロからはじめる統計学-統計初心者のためのデータリテラシー講座-」の講義の抜粋です。
統計学活用の歴史的事例を紹介しながら目的・用語・データ理解をしていきます。


※動画でもご覧いただけます

現在セミナーの開催は終了しておりますが、動画視聴サービス「ハビット」にて講義動画を購入いただけます(購入には会員登録が必要です)。

統計学はなぜ必要なのか

現代社会では、膨大なデータが日々生み出されています。しかし、多くの企業では「データは大量にあるものの、それを十分に活用できていない」という課題を抱えています。その背景にはさまざまな要因がありますが、その一つとして「感覚的な判断に頼りすぎている」という問題が挙げられます。

例えば、売上や市場動向の判断を経験則や直感のみに頼ってしまうと、データに基づく客観的な意思決定ができなくなります。結果として、ビジネスの成長機会を逃してしまったり、誤った判断を下してしまう可能性があります。

こうした状況を避けるために、データを適切に分析し、論理的に意思決定を行うための学問が「統計学」です。

統計の歴史と変化

過去には、データ分析は限られた専門家のみが行うものでした。例えば、20〜30年前には、大学や研究機関に「コンピューターセンター」が設置され、専門の技術者がデータ解析を担当していました。しかし、技術の発展により、データの取り扱いは大きく変化しました。

現在では、個人でも高度な分析が可能になり、技術統計や推測統計、検定、回帰分析、さらには機械学習といった手法を活用できる環境が整っています。データの扱いが民主化されたことで、企業や個人がより柔軟にデータを活用できるようになったのです。

標準偏差とは何か

統計学の基本概念の一つに「標準偏差」があります。標準偏差とは、データのばらつきを示す指標であり、データが平均値からどれだけ離れているかを表します。

標準偏差を求める際には、まず各データと平均値との差(偏差)を計算し、その値を2乗して合計します。その後、その合計をデータ数で割り、最後に平方根を取ることで標準偏差が求められます。

なぜ偏差を2乗する必要があるのでしょうか? これは、偏差の合計をそのまま求めると、プラスとマイナスが打ち消し合い、ばらつきの大きさが適切に評価できなくなるためです。2乗することで、すべての偏差を正の値として扱い、データの分布を適切に評価できるようになります。

サンプリングの重要性

統計学では、「サンプリング(標本調査)」という手法が重要な役割を果たします。これは、母集団全体ではなく、その一部(サンプル)を抜き出して調査を行い、そこから全体の傾向を推測する方法です。

サンプリングと対比される概念として「全数調査」があります。全数調査は、母集団全体を調査する方法ですが、時間やコストの面で実施が難しい場合が多いため、標本調査が一般的に用いられます。

例えば、視聴率調査を考えてみましょう。本来であれば、すべての世帯のテレビ視聴状況を調べるのが理想ですが、それは現実的に不可能です。そこで、一定のサンプル(例:1万世帯)を対象に調査を行い、その結果から全体の視聴率を推測するのです。

サンプリングのメリットは、コストと時間を大幅に削減できる点にあります。しかし、誤った方法でサンプリングを行うと、データの偏りが生じ、誤った結論に導かれる可能性があるため、適切なサンプル設計が求められます。

データの可視化

統計分析では、データを適切に可視化することが重要です。適切なグラフを選択することで、情報を直感的に理解しやすくなります。

■質的データ vs. 質的データ
積み上げ型棒グラフ、100%積み上げ型棒グラフがよく使われます。
積み上げ型棒グラフは、各カテゴリの大きさを比較しやすく、100%積み上げ型棒グラフは、全体に対する比率を視覚的に表現するのに適しています。

■質的データ vs. 量的データ
棒グラフやレーダーチャートが使用されます。
レーダーチャートは、項目ごとの大小を比較するのに適していますが、全体の量を把握しづらい場合があります。

■量的データ vs. 量的データ
折れ線グラフがよく用いられます。
時系列データの推移を視覚的に捉えるのに適しています。
データを適切に可視化することで、より正確な意思決定が可能になります。

まとめ

統計学は、データを客観的に分析し、適切な意思決定を支援するために不可欠な学問です。時代の変化により、個人でも高度な分析が可能になり、データの活用方法も大きく進化しました。

標準偏差やサンプリングの概念を理解し、適切なデータの可視化を行うことで、より正確な分析が可能となります。データを適切に扱い、ビジネスや研究に役立てていきましょう。

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