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倍数の判定法【算数からやさしく解説】

公開日

2022年4月22日

更新日

2024年8月4日

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倍数の判定法

小さい数のときはその数がある整数の倍数になっているかを判別するのは単に割り算すればすぐにわかりますが、判定する数が大きくなればなるほど単純な割り算だけでは時間がかかるようになってしまいます。
例えば、12が3の倍数であることはすぐにわかりますが、111111は3で割り切れるでしょうか。12のようにすぐに見分けるのは難しく感じますが、実はパッと判定する方法があるのです。

判定する数の各桁の数や桁をいくつかに分けて計算するなどして、早く楽に倍数かどうかを判定する方法が今回のテーマである倍数の判定法です。

よく使われる倍数判定法

よく使われるものとして2,3,4,5,9,11の倍数判定法について考えていきます。
・2,4,5の倍数判定
先ほどの例でも扱ったように、2の倍数かどうかは1の位の数に注目し、それが2で割り切れる数(0,2,4,6,8のどれか)であれば2の倍数、そうでなければ2の倍数ではない、つまり奇数だとわかります。

2の倍数判定では下1桁のみ注目したのに対して、4の倍数判定は下2桁の数が4で割り切れるかどうかで判定することができます。例えば、9456は下2桁が56であり4で割り切れるので4の倍数だとわかります。(下2桁が05や00のときはそれぞれ5,0と考えます。)

5の倍数判定は2の倍数判定と同じように下1桁に注目して、それが5で割り切れるなら5の倍数となります。つまり、1の位が0か5であることが条件となります。

・3,9の倍数判定
3,9の倍数判定は、まず判定する数の各桁の数の和(足し算)を求めます。例としては、12345であれば1+2+3+4+5=15のようになります。各桁の数の和が求まったら、あとは求めた値が3で割り切れれば3の倍数、9で割り切れれば9の倍数となります。つまり、12345は各桁の和が15であり3で割り切れても9では割り切れないので、12345は3の倍数であるが9の倍数ではないということがわかります。

・11の倍数判定
11の倍数判定は3,9の倍数判定と似ていて各桁の数に注目しますが、各桁をただ足すだけではなく足し算と引き算を交互にします。123321を例とすると、-1+2-3+3-2+1=0のように計算します。そして計算の結果が11で割り切れれば11の倍数とわかります。123321は計算の結果が0であり11で割り切れるので11の倍数となります。

倍数判定法の注意点

倍数判定法だけではなく、倍数について注意しなければいけないことを紹介します。
例えば、ある自然数が2の倍数であることと、5の倍数であることが分かったとします。このとき、この自然数は10の倍数と言えるでしょうか。答えは「言える」です。このように2と5の倍数だとわかっているときに2×5=10で10の倍数ということができます。

では、また別の自然数が、4の倍数であることと、6の倍数であることがわかっているときこの自然数は4×6=24で24の倍数と言えるでしょうか。答えは「言えない」です。このとき、この自然数は12の倍数であることしかわかりません。12は24の倍数ではありませんね。

実は、どちらの例でも10や12はそれぞれ2と5、4と6の最小公倍数(さいしょうこうばいすう)となっています。
このように、2つの数の倍数だとわかっているときに、それらを単純に掛けるのではなく2つの数の最小公倍数を求めなければ一言で何の倍数か言うことができません。

倍数判定法のメリット・デメリット

倍数判定法は暗算が苦手でも簡単な法則で倍数かどうかを判定できるので非常に便利です。今回扱ったもののほかにも倍数の判定法はありますが基本的には判定するまでの工程が複雑になっていくので実用性は低くなります。

今回、それぞれの数の倍数の判定法は、私たちが普段使っている整数がすべて10のべき乗を用いて表せることから導かれます。特に「合同式」と呼ばれる整数を割ったときの余りに注目する話を用いると簡潔に倍数の判定法がうまくいくのかを考えることができます。

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有理数とは【算数からやさしく解説】

<文/尾崎>


アルゴリズムを、はじめよう 伊藤 静香(著) インプレス

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