伝わるExcelグラフの作り方|目的別のグラフ選びをやさしく
公開日
2026年8月19日
更新日
2026年8月21日
この記事の主な内容
この記事のポイント
・伝わるグラフは、見た目より「目的に合った種類を選ぶ」ことで決まる
・比較は棒、推移は折れ線、構成は円・帯、関係は散布図——目的別の早見表で解説
・1グラフ1メッセージ・装飾を削る・タイトルに結論——伝わる5つのコツ
・3Dや軸の操作など、誤解を生むNGも整理
同じデータでも、グラフ次第で読み手の判断は変わります。伝わりやすさを大きく左右するのは、装飾のセンスよりも「誰に何を判断してほしいか」と「その目的に合うグラフか」です。Excelの操作へ入る前に、この2点を言葉にすると、グラフ選びとタイトルが整いやすくなります。
この記事では、Excelで伝わるグラフを作るために、目的別のグラフの選び方と、見やすくする5つのコツを、累計3万人以上を指導してきた和からの視点でやさしく解説します。
伝わるグラフは「目的」で決まる
グラフを作るとき、多くの人はいきなり「どの種類にしよう」と考えます。でも最初に決めるべきは、「このグラフで何を伝えたいか(目的)」です。比較したいのか、推移を見せたいのか、割合を示したいのか。目的が決まれば、選ぶべきグラフは自然と決まります。
逆に言えば、目的があいまいなままグラフを作ると、何を見ればいいか分からない資料になります。「伝えたい一言」を先に決める——これが伝わるグラフの出発点です。
目的別・グラフの選び方

図:目的別のグラフの選び方
代表的な目的と、それに合うグラフを早見表にまとめました。
| 伝えたいこと | 適したグラフ | 例 |
|---|---|---|
| 項目の大小を比べる | 棒グラフ | 店舗別の売上比較 |
| 時間の推移を見る | 折れ線グラフ | 月別売上の推移 |
| 全体に占める構成を見る | 100%積み上げ棒・帯、少数項目なら円 | 商品別の売上構成比 |
| 分布・ばらつきを見る | ヒストグラム・箱ひげ図 | 顧客単価の分布 |
| 2つの数値の関係を見る | 散布図 | 広告費と売上の関係 |
| 順位を見せる | 横棒グラフ | 人気商品ランキング |
迷ったら、「比較なら棒、推移なら折れ線」を出発点にします。円グラフは、合計が意味を持つ非負の値を少数の項目で示すときに限って検討し、項目が多い場合は100%積み上げ棒や横棒のほうが比較しやすくなります。
伝わるグラフにする5つのコツ
種類を選んだら、次は見やすさです。次の5つを点検します。
①1グラフ1メッセージ。伝えたいことを1つに絞ります。②タイトルに要点を書く。「月別売上」だけでなく、「売上は3か月連続で増加」のように読み取りを示します。③不要な装飾を削る。影・枠線・背景色など、意味のない飾りは外します。④色は役割で使う。注目箇所だけを強調し、色だけに意味を持たせないようラベルも添えます。⑤単位と比較条件を書く。円・%・期間・対象範囲を明示します。
やりがちなNG|誤解を生むグラフ
3Dグラフ。奥行きによって棒や面積の大小が歪んで見えます。基本は2Dで作ります。棒グラフの軸を途中から始める。棒の長さで量を表すため、値軸は原則0から始めます。例外的に途中で切るなら、目盛り・省略記号・実数値を明記し、差を誇張していないか確認します。色や系列の使いすぎ。凡例を往復しないと読めないほど詰め込まず、分割や表との併用も検討します。
Excelでの作り方|手順はシンプル
①データ範囲を選ぶ → ②「挿入」から「おすすめグラフ」または目的に合う種類を選ぶ → ③タイトル・軸・単位・色を整える、の順です。種類は後から「グラフの種類の変更」で変えられます。
Excelの現行操作とグラフ種類は、Microsoft公式「グラフを作成する」で確認できます。
和から式|作る前の30秒・5問チェック
Excelを開く前に、次の5問を1行ずつ書きます。グラフの種類より先に、判断の条件を固定する方法です。
| 確認すること | 書き方の例 |
|---|---|
| 誰が何を決めるか | 店長が来月の人員配置を決める |
| 伝える一文 | 土曜15時の客数が突出している |
| 比較の型 | 時間の推移/項目比較/構成/分布/関係 |
| 単位・分母・期間 | 人、1時間当たり、直近8週間 |
| 誤読される箇所 | 軸の開始値、欠損、集計対象、二重軸 |
この5問に答えられない場合、グラフ作成より先に目的か集計条件を整理します。答えられれば、種類・タイトル・軸・色の判断がぶれにくくなります。
30秒チェックを実際に使うとどう変わるか
たとえば「曜日・時間帯別の客数」をそのまま折れ線グラフにすると、曜日と時間のどちらを読めばよいか迷います。判断目的が「店長が来月の人員配置を決める」なら、曜日ごとに小さなグラフを分ける、または時間帯を横軸にして土曜日だけを強調する、といった選択ができます。タイトルも「曜日・時間帯別客数」ではなく、「土曜15時は通常時間帯の約1.4倍」のように判断へつながる一文にします。
最後に、強調した点を外したとき結論が変わらないか、欠損や集計対象の違いで逆の説明ができないかを確認します。これは和から式5問のうち「誤読される箇所」を仕上げにもう一度見る工程です。グラフは結論を飾るものではなく、読み手が同じ根拠をたどれる形にすることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 円グラフはなぜ「使いすぎ注意」と言われるのですか?
人は角度や面積で大小を正確に比べるのが苦手だからです。項目が多い円グラフは、どれが大きいか判断しづらくなります。割合を見せたいときも、項目が多ければ棒グラフや帯グラフのほうが伝わります。
Q2. グラフのセンスがありません。どうすれば?
センスは不要です。伝わるグラフは「目的に合う種類を選ぶ」「余計を削る」という型で作れます。むしろ凝った装飾を足すより、引き算で整えるほうが、誰が見ても分かりやすくなります。
Q3. 1枚に複数の情報を入れたいときは?
複数情報が必要なら、積み上げ棒グラフや小さなグラフを並べる方法を検討します。2軸グラフは異なる目盛りで関係を強く見せてしまうため、単位・軸・色を明記し、別々のグラフや指数化で代替できないか先に確認しましょう。
まとめ|目的・比較条件・誤読リスクを先に決める
伝わるグラフは、見た目よりも「誰が何を判断するか」「何を比較するか」で決まります。目的に合う種類を選び、単位・分母・期間を明記し、3D・途中からの軸・系列の詰め込みを避けます。和から式の5問チェックで条件を固めてからExcelを操作すると、作り直しも減らせます。
1. 比較・推移・構成・分布・関係から目的を選ぶ
2. タイトル、単位、分母、期間を明記する
3. 作る前に「誰が何を決めるか」と誤読リスクを確認する
とはいえ、「自分のデータで、伝わる資料を作れるようになりたい」という方も多いはずです。和からの統計・データ分析教室では、グラフの選び方やデータの見せ方を、実務で使える形までマンツーマンでサポートしています。まずは無料カウンセリングで、資料づくりの悩みを一緒に整理してみませんか。
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<監修/和から株式会社 堀口智之>
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