マスログ

不登校の勉強の遅れは追いつける?算数・数学から立て直す理由

公開日

2026年8月19日

更新日

2026年8月21日

窓辺の机に朝の光が差し込む水彩イラスト

不登校で学校を休んでいる間に、勉強はどのくらい遅れるのか。追いつけるのか。これは、和からジュニアの無料相談でもっとも多くいただくご相談です。

一律に「必ず追いつける」とは言えませんが、目標を絞り、つまずきの起点から設計し直すことで、遅れを取り戻せる可能性は十分あります。特に算数・数学は単元同士のつながりが見えやすく、立て直しの優先候補になりやすい教科です。この記事では、どこから再開し、どんな順番で進めるかを、和からジュニアの指導で大切にしている考え方からご説明します。

文部科学省の令和6年度調査によると、小・中学校の不登校児童生徒数は353,970人で、12年連続の増加となりました。1,000人あたり38.6人、単純換算では約26人に1人です。不登校は、限られた家庭だけの特別な問題ではありません。

「追いつく」の中身を先に決める

「勉強の遅れを取り戻したい」というとき、実は2つのまったく違う目標が混ざっています。

ひとつは「同学年の進度に追いつく」。もうひとつは「その子がこれから必要になる単元に追いつく」です。

前者を目標にすると、休んでいた期間が長いほど道のりが遠く見えて、始める前に息切れします。後者であれば、進学や受験、資格など、その子の次の一歩から逆算して「必要な単元」を絞り込めます。同じ「追いつく」でも、必要な勉強量がまったく違ってきます。

私たちがまずお聞きするのは、「いつまでに、何ができるようになっていたいか」です。ここが決まると、あとは設計の問題になります。

目的地の異なる2つの道に分かれていく様子を描いた図

なぜ算数・数学から立て直すのか

理由1:積み上げ教科なので、放置したときのコストが一番大きい

算数・数学は、前の単元の理解を土台に次の単元が乗る構造をしています。分数の意味があいまいなまま比例に進んでも、比例でつまずきます。比例があいまいなまま一次関数に進めば、また同じことが起きます。

教科の優先順位は、進学・受験などの目標と期限によって変わります。英語にも積み上げの要素があり、国語・理科・社会を後回しにすればよいわけではありません。そのうえで算数・数学は、前提単元のつながりをたどりやすく、空白を残したまま先へ進むと同じ原因でつまずきが繰り返されやすい教科です。限られた時間で立て直すとき、優先候補にしやすいのはこの構造ゆえです。

積み上げたブロックの下のほうにある空白を埋めるイメージ図

理由2:戻る場所を特定しやすい

積み上げ構造は、扱いにくさであると同時に扱いやすさでもあります。単元が階段状に並んでいるということは、どの段でつまずいているかを特定できるということだからです。

「小学5年生の内容が分からない」ではなく、「小数の割り算で、商の小数点の位置が定まっていない」まで絞り込めれば、取り組む範囲は具体的になります。学年単位で考えると遠く見えたものが、単元単位で見ると手が届く課題に変わる。これが算数・数学の扱いやすさです。

どこまで戻ればよいかの考え方は、さかのぼり学習の個別指導のページでも詳しくご説明しています。

理由3:1対1の指導と相性がいい

算数・数学は、答えが合っているかどうかがはっきりする教科です。だからこそ、1対1であれば「今どこまでできていて、どこから怪しいか」を短時間で把握できます。

そしてもうひとつ。学年を戻って学び直すことは、集団の中では気まずさを伴います。1対1には人目がありません。中学3年生が小学5年生の単元に戻ることを、誰にも知られずにできる。これは学習内容以前に、再開のハードルを下げる要素として大きく働きます。

再開するときの3つのステップ

ステップ1:現在地を確認する
テストで点数をつけるのではなく、どの単元まで手応えがあるかを一緒に確認します。「できない」を探すのではなく、「ここまではできる」を確定させる作業です。ここが出発点になります。

ステップ2:戻る地点を決めて、そこから積み直す
つまずきの起点まで戻り、そこから前に進みます。学年を丸ごとやり直すと決めつけず、次の学習に必要な前提単元を一つずつ確認します。戻る量はお子さんごとに異なりますが、単元で切り分けることで学習範囲を必要以上に広げずに済みます。

ステップ3:進度ではなく、間隔を守る
再開直後にペースを上げすぎると続きません。週1回でも、間隔が空かないことのほうが結果的に早く進みます。体調に波がある場合は、時間帯を含めて調整できる形にしておくと途切れにくくなります。

やらないほうがいいこと

現場で見てきたなかで、逆効果になりやすいものを挙げます。

全教科を同時に立て直そうとすること。科目数が多いほど1教科あたりの時間が薄まり、どれも中途半端になります。算数・数学のように後から埋めにくい教科を先に、後から埋められる教科を後に回すほうが、総量として早く終わります。

学年通りの教材から始めること。今の学年の教科書やワークは、前の単元が理解できている前提で書かれています。土台が空いている状態で開いても、分からなさが確認されるだけです。

「なぜ行けないのか」を勉強の場で扱おうとすること。私たちは学習の伴走者であり、原因を分析する立場にはありません。勉強の時間は勉強の時間として切り分けたほうが、お子さんにとっても安全な場所になります。

出席扱いの制度について

義務教育段階の不登校児童生徒が自宅でICT等を活用して学習した場合、一定の要件を満たせば、校長の判断で指導要録上の出席扱いとできる制度があります。根拠となるのは、令和元年10月25日付「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」の別記2です。文部科学省は2026年にも、出席扱い・成績評価の考え方を案内しています。

出席扱いは自動的に認められるものではなく、保護者と学校の連携、学校による学習状況の把握、学習内容が教育課程に照らして適切であることなどを踏まえ、在籍校が判断します。利用を考える場合は、教材や学習記録の準備を始める前に、まず担任・学校へ相談するのが確実です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 何年も休んでいるのですが、それでも追いつけますか?

休んでいた年数だけで、戻るべき量は決まりません。算数・数学は単元同士のつながりで理解が支えられているため、つまずきの起点を特定し、必要な前提単元から積み直すことで見通しが立つ場合があります。まずは、目標と現在地の確認から始めましょう。

Q2. どの教科から手をつけるべきですか?

目標と期限によって変わりますが、算数・数学は優先候補の一つです。前の単元の理解が次の単元の前提になり、つまずきの起点も単元ごとに確認しやすいからです。英語など他の積み上げ教科も含め、お子さんの目標から逆算して順番を決めます。

Q3. 学年を戻ることに、本人が抵抗を示しています。

集団の中で学年を戻ることには、たしかに気まずさが伴います。1対1の個別指導であれば、どの学年の内容を扱っているかが他人に見えません。「戻る」ではなく「土台を確認する」という言い方に変えるだけで、受け入れられることもあります。

Q4. 体調に波があり、決まった時間に受けられません。

時間帯や曜日を固定しない形での受講が可能です。オンラインであれば移動の負担もありません。大切なのは1回あたりの長さより、間隔が空きすぎないことです。

Q5. 自宅学習が出席扱いになると聞きましたが、本当ですか?

文部科学省の通知により、一定の要件を満たす場合に、校長の判断で出席扱いとできる制度があります。ただし判断するのは在籍校であり、運用は学校ごとに異なります。制度があることを前提に、在籍校にご相談ください。

まとめ

不登校からの勉強の立て直しについて、要点を整理します。

「追いつく」の中身を先に決める
同学年の進度か、その子に必要な単元か。目標が変われば必要な勉強量も変わります。

算数・数学から始める
積み上げ教科であり、後から埋めるコストがもっとも大きい教科だからです。

学年ではなく単元で戻る
つまずきの起点まで戻れば、必要な学習量は想像より小さいことがほとんどです。

進度より間隔を守る
再開直後にペースを上げすぎないこと。続くことが最優先です。

不登校・行き渋りのお子さんの算数・数学でお困りではありませんか

和からジュニアの不登校・行き渋りのお子さんの算数・数学 個別指導では、学年ではなくつまずいた単元まで戻り、1対1で積み直します。オンライン・対面のどちらも選べ、時間帯の調整も可能です。

まずは30分の無料相談で、現在地とこれからの進め方をご一緒に整理しましょう。

新着記事

この記事に関連する教室: 数学教室 →社会人の学び直し講座 →

CONTACTお問い合わせ

遠方に在住の方や自宅で講義を受けたい方はオンライン講座をご用意しております。よくある質問はこちら