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文字を使った式 (使い方編) ~中学数学初級編~

公開日

2020年8月27日

更新日

2020年8月27日

こんにちは。和からの西原です。
講師として、算数や中学数学の学び直しを担当しています。

前回は「文字を使った式」について、「未知数はなぜxなのか?」という多くの方が疑問に思っていることを歴史と少しだけ関連づけて紹介しました。

文字を使った式 (歴史編) – 中学数学初級編 –

今回は、「なぜ文字を使う必要があるのか?」を「使い方」と共に触れていきたいと思います。

式を作るのになぜ文字を使うのか?

いきなりですが、算数では「2,900円(税抜)のTシャツの税込価格は? 」という問題は、
“2,900 × 1.1 = 3,190” 答え:3,190円(税込)
のように式を立てるのに必要な数字がはっきりしていれば、計算することで答えを求めることができました。

中学数学では、
“2,900x = 3,190”や”100a+10b+c = 967”のようにa,b,cやx,y,zを使った式を使うため、算数問題と比べると難しく感じたり、少し構えた気持ちになる方は少なくないと思います。

では、なぜ式を作るのに文字を使う必要があるのでしょうか?
「式を立てたい。でもわからない数字がある… でもやっぱり式を作りたい。」
一度このような気持ちになってみて、気を楽にして文字を使った式を作ってみてください。
文字はxを使うことにしましょう。

【問題1】おにぎりは1つ何円までだったら8個買える?



ある日カンタ君はお父さんに1,000円渡され、「おにぎりを8個買ってきて。全部同じ値段だから。すぐね。」と半ば無理やり、お使いに行くことになりました。
「おにぎりは1個110円なのか?120円なのか?もっと高いのか?1,000円しか持っていないけど大丈夫?」と思いながらも値段を確認せず、おにぎり8個を選びレジで精算したところ、お会計は920円でした。

「良かったぁ。1,000円で足りた。」
カンタ君はホッと肩を撫でおろし、無事おにぎりを8個買っておうちに帰りました。
お釣りの80円はお駄賃として貰うことができました。
お駄賃を貰えることを知っていたカンタ君は、半ば無理やりお使いに行かされたわけではなく、本当はまんざらでも無かったのです。

「おにぎり1個100円だったら、お会計は800円。1個110円だったら880円。1個いくらまでだったら1,000円で足りたかな?もっと安かったらたくさんお駄賃を貰えたのに。」

おにぎり1個の値段はわからないけど、会計との関係性を式に表すと

おにぎりの価格(円) x 8(個) = 920(円)
8x = 920 という式を立てることができます。

結論からすると、カンタ君がおにぎりの値段を確認すれば良かっただけです。
もしくは、1000÷8 = 125円だから、1個125円より安いかだけでも確認すれば済むことでした。
では、計算がもっと複雑になったらどうでしょう?
そのときは、どんな式を立てたら良いでしょうか?

【問題2】後何回お手伝いすれば良い?

「お手伝い1回で40円かぁ。これで560円貯金できた!
あと何回お手伝いしたら、2,000円のおもちゃを買えるかなぁ?」

お手伝い1回の貰える金額は40円
貯金額は560円
貯金したい金額は2,000円
未知(わからない)の数のは、お手伝いの回数となります。
既知(わかっている)の数と一緒に整理すると
40x + 560 = 2000 と表すことができます。

「お母さんがおもちゃの金額の30%は出してくれるて言ってたけど、いくらだろう?
その後は、6,875円のゲームが欲しいな。こっちは高いからお父さんに金額の30%をお願いしよう。」
カンタ君は希望を胸に抱え、次のお手伝いのチャンスを待つのでした。

【チャレンジ問題】税込2,000円の70%は何円? 税込6,875円の70%は何円?

2つの計算について関係性を確認しましょう。また、文字を使って式を立ててください。

おわりに

【問題1】と【問題2】を比べると、【問題2】は式を立てる際に少しだけ複雑になっています。
【チャレンジ問題】は、金額は変わっても同じような式を立てれば良いと思いませんでしたか?
このように同じ関係性であれば、数字が変わっても式の立て方は同じと感じることが文字を使った式の使い方に慣れ始めることだと思います。
複雑な物事を都度考え直すのではなく、関係性が同じ計算はどんな数が入っても大丈夫!
と出来るだけシンプルな式を立ててから、計算するとさまざまな計算に役立つと思います。
次回は、シンプルに式を立てる際に役立つ「関係性」について紹介いたします。

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