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「集める」を武器にする。データ収集のキホン-第6回:文系でもデキる!AIと作る自分専用の収集ツール【データリテラシーをやさしく解説】

公開日

2026年4月15日

更新日

2026年3月22日

「ノーコードツールは便利だけど、もう少しだけ複雑なことがしたい……」

前回、クリックだけでデータを集める「拡張機能」を紹介しました。しかし、実際に使ってみると「毎日決まった時間に自動で実行したい」「集めたデータを独自の形式で保存したい」といった、あと一歩の「こだわり」が出てくるものです。

これまでは、その「あと一歩」のために、何ヶ月もかけてプログラミング(Pythonなど)を勉強する必要がありました。しかし、今は違います。第4回で紹介した**「生成AI」**という最強の助手に、「こんなツールを作って」と日本語で頼むだけで、あなた専用のプログラムが完成する時代です。

連載第6回の今回は、プログラミング未経験の「文系」ビジネスパーソンが、AIをプログラマーとして雇い、自分専用のデータ収集ツールを手に入れるためのステップを解説します。


1. AIはプログラミングの「翻訳機」だと考えよう

まず、大きな勘違いを解いておきましょう。あなたがプログラミングコード(命令書)を1から書けるようになる必要はありません。あなたの役割は、「日本語でやりたいことを正確に伝えるディレクター」になることです。

プログラミング言語は、人間がコンピュータに指示を出すための「外国語」のようなものです。これまではその言語を習得するのが大変でしたが、今はAIが「日本語 ⇄ プログラミング言語」の完璧な通訳をしてくれます。

【図1】AIを使ったプログラム生成

2. AIと一緒にツールを作る「3ステップ」

具体的にどうやって進めるのか。その手順は驚くほどシンプルです。一度覚えてしまえば、どんなツールも自作できるようになります。

ステップ1:AIに「目的」と「場所」を伝える

AI(ChatGPTやClaudeなど)に、やりたいことを依頼します。
悪い例: 「ニュースサイトから情報を集めるコードを書いて」
良い例: 「ニュースサイト(URLを貼る)から、『記事のタイトル』と『公開日時』を抽出するPythonコードを書いてください。結果はExcelファイルで保存したいです」

ステップ2:AIが書いたコードを「コピー&ペースト」する

AIは即座にコードを生成してくれます。これを、自分のパソコンでコードを実行できる環境(Google Colaboratoryなどが初心者にはおすすめです)に貼り付けて、実行ボタンを押すだけです。

ステップ3:エラーが出たら、そのままAIに泣きつく

ここが最も重要です。実行してエラーが出ても、あなたは1行も修正しなくていいのです。そのエラー文を丸ごとコピーしてAIに貼り付け、「エラーが出ました。修正して」と送るだけ。AIは「すみません、ここを直しました」と新しいコードをくれます。

3. 精度を上げるための「依頼のコツ(プロンプト術)」

AIに良いコードを書いてもらうには、依頼の仕方にちょっとしたコツがあります。第2回で学んだ「リサーチの設計図」を応用しましょう。

指示項目 具体的に伝えること
1. 対象サイト 情報を集めたいサイトのURL。
2. 欲しい項目 価格、商品名、URL、レビュー数など。
3. 出力形式 Excel、CSV、Googleスプレッドシートなど。
4. 特別なルール 「サーバーに負荷をかけないよう3秒おきに実行して」など。

【図2】AIに指示するときに必要な項目

このように細かく指定することで、AIはあなたの意図を正確に汲み取り、実用的なツールを吐き出してくれます。

4. エラーは「失敗」ではなく「AIとの対話」

初心者が一番怖いのは、実行ボタンを押して「赤い文字(エラーメッセージ)」が出ることでしょう。しかし、データリテラシーが高い人は、エラーを「失敗」だとは思いません。

エラーは、AIにとっての「ヒント」です。パソコンの環境やサイトの構造は千差万別なので、1回で完璧に動く方が珍しいのです。エラーが出るたびにAIに報告し、修正を繰り返すことで、コードはどんどん磨かれていきます。この「対話」のプロセスこそが、AI時代の新しいモノづくりの形です。

【図3】エラーを修正する手順


まとめ

「自分でプログラムを書く」必要はありませんが、「AIにプログラムを書かせる」スキルは、これからの時代の必須教養になります。自分専用の収集ツールを持てるようになると、ネット上のあらゆる情報があなたの「資産」に変わります。

AIはプログラミングの「有能な通訳」だと心得る

日本語で「やりたいこと」を具体的に伝えることに集中する

エラーは恐れず、AIに丸投げして修正させる

この「AIを指揮する力」こそが、新しい時代のデータリテラシーの核心です。コピペ作業に奪われていた時間を、AIと一緒に作ったツールで一気に取り戻しましょう!

さて、収集の技術を磨いてきましたが、強力な武器を持つと責任も伴います。次回は非常に重要なテーマ、「知らないと怖い!守るべきデータの法律とマナー」について解説します。トラブルを未然に防ぎ、正しく安全にデータを扱うためのルールを学んでいきましょう。

次回の更新もどうぞお楽しみに!

<文/岡崎 凌>

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