【初めてのAIツール入門】第2回 勉強効率が3倍に!?~NotebookLM~
公開日
2025年5月14日
更新日
2025年5月9日

この記事の主な内容
AIツール紹介シリーズ 第2回:NotebookLM
今日もAI使っていますか?
皆さんこんにちは。今日もAIツールの紹介をしていきましょう。
第2回の今回はGoogleが公開したAIアプリ、NotebookLMについて紹介します。
NotebookLMとは?
NotebookLM(ノートブックLM)は、Google Labsが開発した実験的なAIノートアプリです。ユーザーがアップロードしたドキュメントをもとにAIが内容を理解し、要約や解説、アイデア出しをしてくれる「バーチャルリサーチアシスタント」のような機能を持っています。例えば、会議資料や調査レポートをアップするとAIが自動で要約やキーワードを抽出し、重要事項を整理したノート(Notebookガイド)を生成します。さらに、資料に基づいて直接AIに質問を投げかけたり、企画アイデアやプレゼン草案を作成するお手伝いもしてくれます。
資料の要約・整理:
文書やPDFをアップロードすると、NotebookLMは自動的に要約とキートピックを作成し、内容の全体像を提示します。
質問と回答: アップロードした資料をもとにAIに質問し、たとえば「資料中で最重要なポイントは何か」などを問いかけると、要点を抽出して回答してくれます。
多様なソース対応:
Googleドキュメントだけでなく、Googleスライド、PDF、テキストファイル、ウェブサイトURLなど、さまざまな形式の資料を読み込めます。アップロードした資料はNotebookLMの「専門分野」となり、その内容に特化した回答が得られます。また、アップロードしたデータはユーザー固有のもので、NotebookLMのモデル学習には使用されません。
これらの機能により、膨大な情報を効率的に整理・活用できるのがNotebookLMの特長です。特に複数の資料をまたいだ関連情報の抽出や、複雑なテーマの理解が必要な場面で力を発揮します。
ポッドキャスト風サマリー機能
NotebookLMには「Audio Overview(オーディオ概要)」という新機能があり、資料の内容をまるでポッドキャストのような音声で要約してくれます。資料をアップロードして「オーディオ概要」を生成すると、2人のAIホストが対話形式で要点をまとめ、トピック同士をつなげて詳しく解説してくれます。まさに「忙しいビジネスパーソンが移動中でも情報収集できる」仕組みで、生成した音声はダウンロード可能なため通勤時間や出張先でそのまま聞くことができます。さらに、このポッドキャスト機能は2025年4月にアップデートされ、対応言語が大幅に拡大しました。それまでは英語のみの対応でしたが、現在は50以上の言語をサポートしており、日本語でも要約音声を聴けるようになっています。設定で「出力言語」を日本語にすると、元資料の言語にかかわらず日本語で音声が生成されます。
本来の使い方とは異なると思いますが、ここではAudio Overviewの機能を確認するために、数学者のコメディをポッドキャスト風音声解説してもらいましょう。
まずはChatGPTでシナリオを作ってもらいました。
『伝説の数学者、現代企業に就職する』
ナレーター(軽快に):
現代のとあるIT企業。そこに、時空を超えて“数学界のレジェンド”たちが入社してきた。
部下:ピタゴラス、ガウス、オイラー。
上司は…ごく普通の人事担当・田中さん。
田中:「えー、ではピタゴラスさん、今月の振り返りをお願いします」
ピタゴラス:「直角三角形の社内導線に歪みを感じます。コピー機と給湯室が直交していない。これは非合理です。」
田中:「……導線?」
ガウス:「彼は空間効率の最適化の話をしている。私は、社内チャットのログをすべて解析し、平均返信速度の分布を正規化しました。中央値は…」
田中:「あ、いえ、そういうのはいいです」
次、オイラー。
オイラー:「Slackの通知が4つのチャンネルに分散し、毎朝、合計20個の未読があります。私の可処分注意力が指数関数的に減衰しています。」
田中:「はあ…」
オイラー:「よって、通知設定の最適化問題は“iπ=−1”の精神で対応しました」
田中:「つまりどうしたんですか?」
オイラー:「通知、全部オフにしました。」
(沈黙)
田中:「えー…では最後に皆さん、働く上でのモチベーションは?」
ピタゴラス:「美しき比率と調和」
ガウス:「全データを数式に還元すること」
オイラー:「意味のあるゼロを見つけたい」
田中:「…………」
その後、3人は無事にAIアルゴリズム部門に異動となった。
ピタゴラスは座標最適化、ガウスはデータ前処理、オイラーは全部理解してる風でSlackを既読スルー。
ちなみに人事の田中さんは、今も「iって誰?」と思っている。
よくわからないお話しですが、こちらをNotebookLMに読み込んで音声解説してもらいましょう。
NoteboolLMにアクセスし、テキストを張り付けるだけで準備は完了です。そして音声概要の生成ボタンから音声解説を作成できます。
作成した解説は以下の通りです。
ビジネスでの活用例とメリット
NotebookLMとそのポッドキャスト機能は、ビジネスシーンで次のような形で役立ちます。特にAIやITになじみの薄い方でも、成果イメージがつかみやすい具体例です。
会議・ミーティング資料の要約:
会議の議事録やプレゼン資料をNotebookLMに入れると、重要ポイントだけを自動的にピックアップしてまとめてくれます。生成された音声概要を朝の通勤時間に聞けば、キーファクターを効率よく把握できます。たとえば毎朝出張や移動の多いビジネスマンが、前日の会議内容を音声でキャッチアップする、といった使い方です。
企画立案・ブレインストーミング:
製品開発やマーケティング企画の際、大量の参考資料をまとめてNotebookLMに放り込むと、新しい視点やアイデアがAIから得られます。たとえば過去の顧客データや市場分析資料を読み込ませて「この市場でヒットしそうな新商品アイデアを教えて」と質問すれば、考えが整理された企画案が出てきます。これにより、企画担当者は最初の骨子を効率的に作成できます。
これらの活用により、時間短縮と理解度向上が期待できます。膨大な資料をすべて読む必要がなく要点を把握できるため、仕事のスピードが上がります。AIが抽出した重要ポイントや関連情報は、人間には見落としがちな気づきをもたらすこともあります。特にオーディオ機能を使えば、移動中の隙間時間に効率よく情報を学習でき、記憶にも残りやすくなります。
おわりに
今回は、NotebookLMを取り上げ、その概要について解説しました。NotebookLMは基本的に無料で利用でき(※2025年時点)、より多くの容量や高度な機能が必要な場合はGoogle OneのAIプレミアムプランでNotebookLM Plus版を使うこともできます。このようにNotebookLMを活用すれば、AI初心者でも簡単に業務効率化や情報収集の質向上を図ることができます。専門用語にくわしくなくても、まるでポッドキャストを聞く感覚でビジネス資料に目を通せる点が大きな魅力です。NotebookLMは皆さんの学習を助ける非常に強力な助っ人となるでしょう。
また弊社では最新のAI関連のセミナーも多く開催しております。現在はChatGPTのようなAIを利用して自分好みのAIを作る技術も進歩しています。これをAIエージェントと言います(この紹介記事もいずれ書きます)。このAIエージェントをいち早く学べる以下のセミナーも開催していますのでご興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。
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