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【初めてのAIツール入門】第1回 すべてはここから始まった【ChatGPT】

公開日

2025年5月11日

更新日

2025年5月9日

AIツール紹介シリーズ 第1回:ChatGPT

近年、ビジネスの現場で活用できるAIツールが急速に増えています。本シリーズでは、一般のビジネスパーソンに向けて注目のAIツールを紹介していきます。その第1回として取り上げるのが、**ChatGPT(チャットジーピーティー)**です。ChatGPTはOpenAI社が開発した対話型AIで、生成AIブームの火付け役とも言える存在です。2022年末の公開直後から世界中で話題となり、わずか2か月で1億人以上のユーザーを獲得したとの報告もあります。

この記事では、ChatGPTとは何か、その機能や使い方、ビジネスでの活用を解説します。初めてChatGPTを業務に使う方でも安心して読み進められる内容ですので、ぜひ参考にしてください。

ChatGPTとは?

ChatGPTとは、米国OpenAI社が提供するAIチャットサービスです。ユーザーが入力した質問や指示(プロンプト)に対し、人間と対話しているかのような自然な文章で回答を生成することができます。ChatGPTが登場したのは2022年11月末で、公開直後からその高い文章生成能力が注目されました。まさに生成AI時代の代表的存在と位置づけられるでしょう。公開からたった2年ですさまじい進歩を遂げており、現在のChatGPTでは、テキストだけでなく画像や音声へ対応ができたりと、機能拡充が続けられています。こうした進化により、ChatGPTは単なるチャットBotの枠を超え、ビジネスにおける生産性向上ツールとしても注目を集めています。

ChatGPTで何ができるのか?

ChatGPTは汎用性が高く、工夫次第で様々なビジネスシーンに役立てることができます。ここでは用途別に主な活用例を紹介します。

文章作成・校正:
企画書やビジネスメール、報告書のドラフト作成を支援します。例えば「会議の議事録を要約して」と入力すれば要点をまとめた文章が得られます。また文章の言い回しを丁寧にしたり、敬語表現に修正したりといった校正も得意です。

アイデア出し(ブレインストーミング):
新製品のアイデア、キャッチコピー、業務改善策などを問いかけてみると、複数の案を提示してくれます。自分では思いつかない観点の提案もあり、発想支援ツールとして活用できます。

マーケティングコンテンツの作成:
広告文やSNS投稿、ブログ記事の下書きなどもChatGPTに任せることができます。少ない入力からキャンペーンのアイデアや商品説明文を生成できるため、マーケティング担当者の省力化につながります。

情報収集と要約:
調べものをしたいときにChatGPTに質問すれば、百科事典のように回答を返してくれます。例えば「最新の業界動向を教えて」と尋ねると、公開情報をもとにした解説が得られます。また長文記事やレポートの要約も可能で、大量の資料からポイントだけ知りたい場合に便利です。

翻訳と多言語対応:
ChatGPTは多言語に対応しており、日本語と英語はもちろん、中国語やフランス語などへの翻訳もこなします。外国語で届いたビジネス文書の大意把握や、自社発信文章の英訳などにも役立ちます。公式にも50以上の言語での操作サポートが発表されています。

プログラミング・技術支援:
IT部門や技術者にとっても有用です。ChatGPTはコードの生成やエラーメッセージの解説まで行えます。簡単なコードを作成してもらうことはもちろん、困ったときに相談することで人間が行うコーディングの負荷をぐっと減らしてくれます。

データ分析の補助:
ChatGPTを使えば表計算データの解析やグラフ作成も可能です。例えば売上データのCSVファイルをアップロードし、「主要な傾向を分析して」と指示すれば、数値の傾向や統計をまとめてくれます。マーケティング担当者が調査結果を分析したり、財務アナリストが複雑なデータを解釈するといった用途でも数秒で結果を得ることが出来ます。

カスタマーサポートへの活用:
よくある顧客問い合わせへの回答案をChatGPTに作らせることもできます。「製品Xの使い方を説明する回答例」といったプロンプトで、FAQ記事のたたき台を生成可能です。新人サポート担当者がマニュアル代わりにChatGPTへ質問し、回答を参照するといった使い方も考えられます。

以上のように、ChatGPTは文章生成から情報検索、アイデア創出、技術支援まで幅広い業務をサポートします。特に反復的な書類作成や調査に要する時間を大幅に短縮できる点は、多忙なビジネスパーソンにとって大きな魅力です。ただし、どの用途でもChatGPTの回答をうのみにせず最終チェックを行うことが重要である点は覚えておきましょう。

実際に使ってみよう

それでは、ChatGPTを実際に使うにはどうすれば良いでしょうか。ここでは基本的な利用方法と、無料版・有料版の違いについて解説します。
ChatGPTの利用は非常に簡単です。Webブラウザで公式サイト(chat.openai.com)にアクセスし、アカウント登録を行うだけで利用を開始できます。ログイン後、画面下部の入力ボックスに質問や依頼内容を日本語で入力し送信すると、数秒ほどでChatGPTから返答が表示されます。

会話形式になっており、追加で質問を続けたり、返答内容に対して「○○の部分を詳しく教えて」といった深掘りも可能です。一つの話題につき対話を継続できるので、まるで人間の同僚とブレインストーミングしているかのような感覚で利用できます。 公式のChatGPTインターフェースはPCのブラウザだけでなく、スマートフォンアプリ(iOS、Android)でも提供されています。移動中や外出先からでもチャットで質問できるため、場所を選ばず活用できるでしょう。日本語にも対応しており、メニュー表示やヘルプも日本語化されています。初めて使う際は、まずシンプルな質問から試し、応答の特徴になれることをお勧めします。例えば「今日の天気は?(東京)」のような質問や、「業務メールの丁寧な断り文を作成して」といった依頼を投げ、どのような回答が返ってくるか体験してみましょう。

無料プランと有料プランの違い
ChatGPTには現在、無料プランと月額20ドル(約2,800円)のChatGPT Plus(有料プラン)があります(さらに大規模利用向けにProプランや企業利用に適したエンタープライズ版も提供されています)。無料プランでも基本的な会話機能は十分に使えますが、有料プランではより高度なモデルや追加機能へのアクセスが可能です。主な違いは以下のとおりです。(2025年5月現在)

使用できるAIモデル:
無料プランでは主にGPT-4o-miniという簡易版モデルを使用できます。簡易版と言っても性能はかなり高いのでこれでも十分にAIの恩恵を受けることが出来るでしょう。一方、ChatGPT Plusではさらに高度なGPT-4oモデルを利用することが出来ます。また、OpenAIの最先端モデルであるGPT-o3への制限付きでアクセスできたり、動画生成
モデルSoraへの制限付きアクセス、高度なweb検索が行えるDeep Rwsearch機能への制限付きアクセスなど、様々な機能がつかえます。

以上が無料版と有料版の主な違いです。まとめると、無料版でも十分試用可能ですが、業務で本格的に活用するなら有料版(ChatGPT Plus)で高度なモデルと機能を使うメリットが大きいでしょう。特に画像解析やファイル分析など、無料版ではできない操作が必要な場合はPlusの検討をお勧めします。

ビジネスで使う際の注意点

ChatGPTは非常に便利なツールですが、ビジネスで利用するにあたってはいくつか注意すべきポイントがあります。AIならではの制約やリスクを理解し、適切なガイドラインのもとで活用しましょう。

機密情報の取り扱い:
ChatGPTに社内機密や個人情報を入力しないよう注意が必要です。無料版やPlus版のChatGPTでは、ユーザーが入力した会話データがサービス運営側(OpenAI)に保存・利用される可能性があります。実際、OpenAIはChatGPTの改善のためにユーザーデータを活用することを公表しています。2023年4月以降、設定で「チャット履歴とトレーニングへの利用」をオプトアウト(無効化)する機能が追加されました。これをオフにすれば、その会話内容はモデル学習に使われず一定期間後に削除されます。ただし手動設定が必要であり、デフォルトでは利用され得る点に留意しましょう。企業レベルで機密データを扱う場合は、より安全なChatGPT Enterpriseプランの利用を検討してください。Enterprise版では「ユーザーのプロンプトやデータをモデル学習に使用しない」ことが保証されています。

回答内容の正確性:
ChatGPTの出力する回答は一見もっともらしいものですが、事実と異なる内容(いわゆる“幻覚:ハルシネーション”)が含まれることがあります。特に専門的な質問や最新の話題については、モデルの学習データに偏りや期限があるため誤答のリスクが高まります。例えば架空の統計値をそれらしく作り出したり、実在しない文献や法令を引用するといったケースも報告されています。従って、ChatGPTから得た情報をそのまま鵜呑みにせず、必ず裏付けを取ることが肝要です。

AIの限界と倫理:
ChatGPTは人間のように振る舞いますが、あくまで統計的パターンに従って応答を生成するプログラムです。背景にある意図や文脈を完璧に理解しているわけではないことを念頭に置きましょう。そのため、ユーザーの指示があいまいだった場合に的外れな回答が返ることもあります。また、公平性や倫理面でも注意が必要です。学習データの偏りにより、出力結果に無意識のバイアスや差別的表現が含まれる可能性があります。

法規制・コンプライアンス:
個人情報保護や著作権などの法的観点も忘れてはなりません。例えば欧州ではGDPRの下、第三者提供する個人データの扱いに厳しい規制があります。ChatGPTへ入力した内容が海外サーバーに送信されることで規制に抵触する可能性もあります。また、生成された文章や画像について、その著作権の所在や利用範囲が明確でない点にも注意が必要です(現時点ではChatGPTの出力は原則ユーザーに属するとされていますが、将来的な法整備は注視すべきでしょう)。社内でChatGPTの利用を開始する際には、情報システム部門や法務部門と連携し、適切なガバナンス体制の下で導入することをおすすめします。

以上のような注意点を踏まえれば、ChatGPTは強力なビジネスアシスタントになります。要は「便利さ」と「リスク」の両面を理解し、人間の判断を介在させながら賢く使うことが肝心です。

こんな使い方もおすすめ(Tips・上級活用)

最後に、ChatGPTをより効果的に使いこなすための応用テクニックやTipsを紹介します。基本を押さえた上で一歩進んだ活用法に挑戦し、生産性をさらに高めましょう。

プロンプト(指示)の工夫:
ChatGPTへの入力文(プロンプト)の質が出力結果の質を大きく左右します。明確で具体的な指示を与えることで、回答も精度が上がります。例えば「報告書の構成を考えて」よりも「市場分析レポートのアウトライン(見出し項目)を3つ提案して」といった具合に詳細に伝えましょう。また、ChatGPTに役割を与えるのも有効です(例:「あなたはマーケティングの専門家です。○○について助言してください」)。複雑な依頼は一度に詰め込まず、段階的に質問を重ねることでより練られた回答を引き出せます。ポイント: 「明確な指示」「具体的な要件」「段階的な対話」 を心がけるだけで結果が格段に向上します。

出力内容の指定:
ChatGPTは指示次第で多彩な形式の出力が可能です。箇条書きリスト、表形式、Markdownでのフォーマットなど、希望のスタイルをあらかじめ伝えておくと、後から体裁を整える手間が省けます。「箇条書きで3点にまとめて」「表にして比較して」などとプロンプトに付け加えてみましょう。例えば製品比較なら「製品AとBの違いを表形式で教えて」と依頼すれば、特徴を行列に整理した表を返してくれます。自分の書式テンプレートに当てはめた回答が欲しい場合も、その例をプロンプト内で提示すると効果的です。
またファイルアップロード機能(Advanced Data Analysis)では、ExcelやCSVデータを投げ込んで集計・可視化させることも可能で、専門知識なしにデータ分析が行えます。これら高度機能は使わない手はありません。最初はお試しで簡単なファイルや画像を与え、どんな応答が返るか確認してみると良いでしょう。

常に人間の目でレビュー:
これは上級テクニックというより基本姿勢ですが、ChatGPTの活用効果を最大化するには人間による最終チェックとフィードバックが欠かせません。生成結果をそのまま使うのではなく、必ず内容を吟味して不足があれば追問し、誤りがあれば修正していきます。このプロセスを踏むことで、ChatGPTの出力品質も向上していきます(同じチャット内であれば学習を反映してくれます)。AIを「共同作業者」とみなし、自ら編集長や監督の立場で結果を磨き上げるイメージで使うのが上級者のコツです。

以上のTipsを参考に、ChatGPTを賢く使い倒してみてください。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、試行錯誤するうちに自分なりの“付き合い方”が見えてくるはずです。ChatGPTは日々進化しており、新機能やベストプラクティスもアップデートされています。公式のドキュメントやコミュニティも活用しつつ、引き続きスキルを磨いていきましょう。

おわりに

今回は、一般ビジネスマン向けAIツール紹介シリーズの第1回としてChatGPTを取り上げ、その概要から活用方法、注意点、応用Tipsまで幅広く解説しました。ChatGPTは適切に使えば非常に強力な助っ人となります。まずは本記事の内容を参考に、小さなタスクから試してみてはいかがでしょうか。例えば明日のメール文案を作成してみる、最新ニュースを要約させてみるといったことから始め、徐々に業務への適用範囲を広げてみてください。重要なのは目的とリスクを理解した上で、人間の知恵とAIの能力を組み合わせることです。そうすれば、生産性向上だけでなく新しい発想や学びも得られるでしょう。

また弊社では最新のAI関連のセミナーも多く開催しております。現在はChatGPTのようなAIを利用して自分好みのAIを作る技術も進歩しています。これをAIエージェントと言います(この紹介記事もいずれ書きます)。このAIエージェントをいち早く学べる以下のセミナーも開催していますのでご興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。

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