【和から株式会社】Excelで学ぶアート数学-ストリングアート・発展編-講義抜粋
公開日
2024年11月26日
更新日
2025年3月4日

過去に開催された「Excelで学ぶアート数学-ストリングアート・発展編」の講義抜粋動画を文字起こししたものです。 入門編の続編として、円以外の様々な曲線について考察し、アートの範囲を広げることが目的です。
※動画と一緒にご覧いただくとより興味いただけると思います。
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今回ご紹介するのは、講義の一場面です。Excelを使ってストリングアートを作成する過程を解説している部分で、数値の変化によって図形がどのように変わるのかを確認する実践的な内容になっています。
では、作業を進めていきましょう。まず、最初の1行目をダブルクリックしてみてください。一見すると何の変化もないように思えるかもしれませんが、ここまでの操作で期待した結果が得られているでしょうか?問題なくできていますか?
もし正しくコピーできていれば、すべてのセルに「GQ」が入っているはずです。つまり、今の操作で「GQ」が組み込まれたことになります。「うまくいく」とはどういうことかというと、最終的に図形が綺麗に描かれていれば、それが成功の目安となります。試しにいろいろな数値を入力してみて、どのように形が変化するのかを確かめてみましょう。これだけでも十分楽しめるはずです。
形がどう変わるか、試してみましたか?Excelのセルを操作すると、一瞬で見た目が変わることがありますよね。その「ふわっ」と変化する瞬間が面白くて、私もこの動きが好きなんです。実際にやってみると、予想外の形が現れたりして、驚きがありますよ。
この図形は、実は正100角形をもとに作っています。そのため、100の約数に当たる数を入力すると、より単純な形に変化します。例えば、「20」と入力すると五角形になります。試しに「5」と入力してみると、20角形になりますね。ただ、20角形はあまり直感的にイメージしづらいかもしれません。
このように、数値を変えるだけで形が大きく変わるのが面白いところです。しかし、これはストリングアートなので、釘(頂点)の位置自体は変わっていません。周期を変更することで、異なる模様に見えるだけなのです。
試しに「37」と入力してみましょう。形が大きく変わったように見えますが、実は周期が変わっただけで、釘の位置は変わっていません。この特徴を理解すると、より深くストリングアートを楽しめるようになります。
例えば、最初に釘の位置をリサージュ曲線の特定の位置に配置しているとしましょう。その状態で「3」と入力すると、3個飛ばしで線が描かれますが、釘の位置自体は変わりません。同じように「7」と入力しても、釘の位置は変わらず、線のパターンだけが変化します。ところが、「31」などの大きな数を入力すると、形がまったく別物に見えてしまいます。でも、よく見ると釘の位置はそのままで、線の結び方だけが変わっているのです。これが、このアートの面白いポイントですね。
元の形がどんなものだったか確認したい場合は、「1」を入力すればOKです。
すると、「ああ、元はこういう形だったのか」と分かります。その状態から数値を変えていくと、「おっ、なんかカッコよくなったな」とか、「無限大のような形になった!」といった変化が楽しめます。私自身、こうやって数値をいろいろ変えて遊んでしまうことが多いです。例えば「37」を入れるとまた違ったパターンが現れるので、試してみると面白いですよ。
これは「ハイポサイクロイド」と呼ばれる図形の一種です。例えば、値を「2」にすると、直線のような形が現れます。中央に線が一直線に並ぶのが特徴です。また、数値によっては綺麗な正五角形が現れることもあります。
ここで、少し気づいたことがあるでしょうか?例えば、数値を「2」にしたとき、線が全体的に下に移動していることが分かります。これはなぜでしょう?さらに五角形の形になったとき、規則正しく綺麗な形になっていますね。
実は、この変化は座標の軸と関係があります。例えば「3」を入力すると、原点の位置が自動的に変わってしまうのです。そのまま操作を続けると、思った以上に変化が大きくなることもあります。
ちなみに、私はこの「キメラカーブ」に少しこだわりがあって、最後の仕上げに原点の位置を意識的に配置しています。具体的には、座標軸の第1象限、第2象限、第3象限、第4象限それぞれに釘を打っているんです。これによって、全体のバランスを整えつつ、視覚的にも美しいアートになるようにしています。
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