【和から株式会社】Excelで学ぶアート数学-ストリング・アート編-抜粋動画
公開日
2024年11月27日
更新日
2025年3月5日

過去開催された「Excelで学ぶアート数学 ストリング・アート編」の講義抜粋となります。
糸掛け曼荼羅といわれる題材を、Excelを使って体験し、数学的な形や構造のとらえ方について学びます。
※動画でも講義の雰囲気をご覧いただけます
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この記事の主な内容
ストリング・アートとは?
ストリングアートとは、糸を規則的にかけることで美しい幾何学模様を作り出すアートの一種です。
実際にストリングアートをご覧になったことがある方はいらっしゃいますか?展示などで実物を見たことがある方、あるいは趣味で作ったことがある方もいるかもしれませんね。「糸掛け曼荼羅」とも呼ばれるこのアートですが、意外とご存じの方も多いですね。
実際に作ったことがある方は、糸を一定の規則に従って掛けることで、数学的な美しい模様が現れるのを体験されたのではないでしょうか。
この「規則」というものが、ストリングアートの核となります。最初にルールを決めて、そのルール通りに糸を掛けていくことで、まるで計算されたかのような美しい模様が生まれます。こうした数学的な美しさを持つアートを、Excelを使って再現するのが今日のテーマです。
円とストリングアートの関係
ここで少し数学の話をしましょう。ストリングアートに登場する「円」は、数学的に明確に定義されています。円とは、「ある一点(中心)から等しい距離にあるすべての点の集合」です。これはコンパスで円を描くときのイメージと同じですね。
円という形は、人類にとって非常に身近なものです。例えば、水滴が落ちたときに広がる波紋は理想的な円形を描きます。果物も基本的に丸いものが多いですよね。四角い果物は、自然界ではあまり見かけません。また、月も丸く見えますし、古来より人間は「円」という形に親しんできました。
この円を描くための道具として最も古くから使われてきたのがコンパスです。コンパスは数学や工学の象徴でもあり、歴史的にも重要な意味を持っています。
例えば、かつての東ドイツの国章にはコンパスが描かれていました。また、秘密結社として知られるフリーメーソンのシンボルにもコンパスが使われています。円を描く道具としてのコンパスは、単なる測定器具ではなく、象徴的な意味合いを持つことも多いのです。
Excelで作るストリングアート
さて、ここからはExcelを使ってストリングアートを作成していきます。まず、Excelのグラフ機能を活用して散布図を作成してみましょう。散布図は、点をプロットするだけのシンプルな図ですが、これを利用するとストリングアートの基本的な構造を作ることができます。
例えば、一番左上のグラフを見ると、点がプロットされただけの単純な散布図になっています。そこに線を追加すると、データの順番に沿って点が結ばれ、模様ができていきます。この段階で「これ、ストリングアートみたいだな」と思った方もいるかもしれませんね。そうなんです。まさにストリングアートの原理をExcelで再現しているんです。
次に、点の数を増やしてみましょう。4点では単純な図形ですが、8点にすると正三角形が現れます。9点、11点と増やすと、突然美しいパターンが現れてきます。特に7点や5点は非常に綺麗な形になりますね。10点ではまた違った雰囲気の形が生まれます。このように、点の数を変えるだけで、さまざまなデザインを作ることができるのがストリングアートの面白いところです。
ここで、さらに興味深い現象を見てみましょう。例えば、点の数を「13」にしてから「11」に変更してみてください。すると、図形がひっくり返るような動きをします。これは、糸を掛ける順番が逆転しているために起こる現象です。この変化を利用すれば、x軸方向に反転した模様を作ることができます。面白いですよね!
試しに、「31」「23」「19」「17」「11」「13」といった素数を入力してみましょう。すると、曼荼羅のような美しい幾何学模様が現れます。Excelのグラフ機能を使うだけで、こんなに芸術的なデザインが作れるんです。
Excelの「ヒュン」と動く瞬間が楽しい!
このExcelでのストリングアート作成には、もう一つ面白いポイントがあります。それは、数値を変えたときにグラフが「ヒュン」と動く瞬間です。なんとも言えない滑らかな動きがあって、見ていて気持ちがいいんですよね。説明が難しいのですが、まるでアニメーションのように図形が変化していく感じです。試しに「99」を入力してみると、どうなるでしょうか?意外な形が出てくるかもしれません。
このように、数値を変えるだけで全く異なるデザインが生まれるのがストリングアートの魅力です。Excelを使って、自由に数値を変えながら、いろいろな形を作ってみてください。これだけでもずっと遊べそうな気がしませんか?
まとめ
今回の講義では、ストリングアートの基本的な概念と、それをExcelで再現する方法について学びました。ストリングアートは、単純なルールに従うだけで、驚くほど複雑で美しいパターンを作ることができます。さらに、数学的な理論と結びつくことで、より深い理解が得られるアートでもあります。
Excelを使ったストリングアートの作成を通じて、数学の美しさやパターンの面白さを感じていただけたでしょうか?ぜひ、自分なりの数値を試して、オリジナルの模様を作ってみてください。
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