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【和から株式会社】デザイン数学セミナー-黄金比の数理編-講義抜粋

公開日

2024年11月28日

更新日

2025年3月4日

過去開催された「デザイン数学セミナー-黄金比の数理編-」の講義抜粋です。
芸術の世界でよく見かける“黄金比”を数学的に理解するセミナーとなります。


※動画でもご覧いただけます

本ジャンルにご興味のある方は下記セミナーに是非ご参加ください。

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黄金比の基礎

本講義では、「黄金比」について基礎から学んでいきます。

「黄金比」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、実はこの比率が自然界にも存在していることをご存じでしょうか?例えば、ひまわりの種の配置や桜の花びらの並び方にも黄金比が関係しています。

この黄金比を用いたシミュレーションを、Excelで行うことも可能です。実際に見てみましょう。こちらの図形、ひまわりの種の配置とそっくりではありませんか?そう、ひまわりの美しい渦巻き模様には、黄金比が隠されているのです。

黄金比の歴史と記号の由来

では、この黄金比は一体どこから生まれたのでしょうか?

黄金比の概念は、古代ギリシャ時代にまで遡ります。パルテノン神殿を設計したとされる彫刻家フェイディアス(Phidias)が、黄金比を建築に活用したと言われています。そのため、黄金比を表す記号「φ(ファイ)」は、彼の名前の頭文字から取られました。

今後、黄金比を表す数式や図形の中で「φ」という記号がたびたび登場しますので、ぜひ覚えておいてください。

黄金比の応用

黄金比は、芸術やデザインの世界にも広く応用されています。

例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品『モナリザ』や『ウィトルウィウス的人体図』にも、黄金比が巧妙に組み込まれています。ダ・ヴィンチは数学にも精通しており、彼のノートには黄金比に関する考察が残されています。

また、彼が書いた文字のほとんどが鏡文字だったことをご存じでしょうか?彼は、ルネサンス時代にヨーロッパに輸入された数学の影響を大きく受けていました。

数学の輸入とフィボナッチ数

15世紀には、アラビア世界からイタリアへ数学が輸入され、これがヨーロッパにおける数学ブームのきっかけとなりました。当時は、数学の問題を出し合い、解答を競うことが流行していたと言われています。まるで現代のクイズ番組のようですね。

この時期に特に注目されたのが「フィボナッチ数列」です。フィボナッチ数列とは、0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, …と続く数列で、前の2つの数を足すことで次の数が決まる規則性を持っています。

自然界にもこのフィボナッチ数は多く見られます。例えば、パイナップルのらせん模様は、8本と13本のらせんが絡み合っています。もし異なる数のらせんがあったら、それはもうパイナップルではない…というのは冗談ですが(笑)、実際にこの数列が正確に反映されているのです。

黄金比とフィボナッチ数のつながり

ひまわりの種の配置やパイナップルのらせん模様、これらの背後にはフィボナッチ数が隠れています。そして、このフィボナッチ数列の隣り合う数を割り算すると、その値は黄金比(約1.618)に近づいていきます。つまり、黄金比はフィボナッチ数の化身のようなものなのです。

実は、過去にひまわりをテーマにしたアート作品を作ったことがあります。その作品では、フィボナッチ数を意識して種の配置をデザインしました。ひとつひとつの種を丁寧に配置し、黄金比に基づいた美しいパターンを表現するという、非常に細かい作業でした。

黄金比の応用例

黄金比は、数学やアートだけでなく、さまざまな分野で利用されています。

例えば、「クレセントの問題」という数学の問題では、三日月型の重心がちょうど黄金比の位置に来るように計算されています。また、「ロレールの十字架」という図形を二等分し、面積が等しくなる位置を探すと、その比率が黄金比になっていることが分かります。

こうした例を見ると、数学の世界はまさに「美しさ」と「奥深さ」が共存していることを実感しますね。

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