熱・統計力学
公開日
2022年9月30日
更新日
2026年7月26日
社会人のための熱力学・統計力学|エントロピーを「場合の数」から学び直す
「エントロピー=乱雑さ」と覚えたきり意味がつかめない、ΔS=Q/T は書けても何を計算しているのか分からない――そんな大人のための、熱力学と統計力学の学び直し講座です。
熱・仕事・温度の関係から、ミクロな数え上げがマクロの法則を生むところまでを「なぜそうなるのか」から理解し、仕事にも効くものの見方を、マンツーマンで身につけます。
受講内容
熱力学と統計力学を、公式の暗記ではなく「何を数えているのか」という中身から学び直します。たとえば「エントロピー=乱雑さ」と覚えたまま止まっている方は、とても多くいらっしゃいます。けれども本来のエントロピーは、その状態になり得る「場合の数」の対数です。
粒子を10個、左右の部屋に分けてみましょう。全部が左に寄るのは1通りだけ。半々(5個ずつ)は252通り。部屋の空気がひとりでに片側に寄らないのは、神秘的な力が働くからではなく、そうなる場合の数が桁違いに少ないからです。ここまで数えてみて初めて、S=k log W という式が「当たり前のこと」に見えてきます。

本講座では、熱・仕事・温度という身近な量の関係(熱力学第一法則・第二法則)から出発し、カルノーサイクルと効率の限界、自由エネルギー、そしてミクロな数え上げからマクロの法則を導く統計力学の考え方まで、手を動かしながら一段ずつ進みます。学んだ内容は、次のような場面で活きてきます。
- 大学の授業・院試
熱力学サイクル、自由エネルギー、分配関数の計算 - エンジン・空調・材料
効率がどこまで上げられるのか、相転移はなぜ起きるのか - 情報とデータ
情報エントロピー、機械学習の指標に通じる「不確かさ」の測り方
高校で学ぶ熱と気体の内容が土台になり、多数の粒子をまとめて扱うという発想は力学(大学)とつながっています。必要に応じて、そちらから戻って確認することもできます。
なお、微分積分と指数・対数がひととおり分かっていれば十分です。確率や組み合わせの数え方も、必要なところで一から確認しながら進めますので、ブランクのある方もご安心ください。
よくある質問
Q.高校物理の熱力学までしか学んでいませんが、ついていけますか?
A.はい。むしろ、高校で扱う「気体の状態方程式」「熱と仕事」の復習から始めるのが近道です。そこから内部エネルギー・エンタルピー・エントロピーへと、一本の道筋でつなげてご説明します。
Q.エントロピーがどうしてもイメージできません。
A.「乱雑さ」という言葉から離れて、まず場合の数を実際に数えるところから始めます。コインや粒子を数個だけ使った小さな例で手を動かすと、増える理由も、元に戻らない理由も、目で見て納得できます。
Q.統計力学に必要な数学はどのくらいですか?
A.偏微分、指数・対数、それに簡単な組み合わせと積分が中心です。ガウス積分やスターリングの近似など、よく使う道具は出てきたその場で導出から確認しますので、事前の準備は要りません。
Q.仕事で熱設計に関わっています。実務に役立ちますか?
A.役立ちます。「効率はどこまで上げられるのか」「この変化は自発的に起きるのか」といった判断は、第二法則と自由エネルギーで見通しがつきます。お手元の課題を題材にして進めることも可能です。
物理の学び進め方や料金・受講の流れは、物理の学び直し 個別指導のページでご案内しています。
※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。
受講対象
・大学の熱力学・統計力学の講義や試験の対策をしたい方
・「エントロピー」の意味が腑に落ちないまま来てしまった方
・院試や技術系の資格試験で熱力学を使う方
・エンジン・空調・材料など、熱を扱う仕事に就いている方
・情報理論や機械学習の前に、エントロピーの考え方を整理したい方
必要な数学知識
モデルプラン
1)温度と熱
2)熱力学第1法則
3)熱力学第2法則
4)気体と分子
5)気体分子の分布確率
6)古典力学的な体系
7)量子論的な体系
8)量子論的理想気体
参考テキスト
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。



