解析力学
公開日
2022年9月16日
更新日
2026年7月26日
社会人のための解析力学|最小作用の原理から「なぜ」を学び直す
ラグランジアン L=T-V がどこから来たのか分からない、力を矢印で描かずに運動が決まるのが腑に落ちない――そんな大人のための、解析力学の学び直し講座です。
最小作用の原理からオイラー・ラグランジュ方程式、ハミルトニアンによる正準形式までを「なぜそうなるのか」から理解し、量子力学や制御へ進む土台を、マンツーマンで身につけます。
受講内容
高校でも大学でも、力学はまず「力を矢印で描いて分解する」ところから始まりました。ところが解析力学では、力の分解をひとつもせずに運動が決まります。時刻 t₁ に A、時刻 t₂ に B。その間を結ぶ道は無数に考えられるのに、実際の物体が通る道はただ一つです。その一つを選び出す基準が、作用 S=∫L dt を最小にする――最小作用の原理です。
ここで多くの方がつまずくのが、ラグランジアンが L=T+V ではなく L=T-V であることです。エネルギー保存では T+V が一定なのに、なぜ引き算なのか。これは「保存する量」を書いているのではなく、道の善し悪しを測るものさしを書いているからです。実際に L=T-V で作用を最小にしてみると、出てくる式がニュートンの運動方程式とぴたりと一致する。この一致を自分の手で確かめたとき、解析力学は一気に身近になります。

本講座では、変分法の考え方からオイラー・ラグランジュ方程式を導き、拘束のある振り子や回転する系、剛体へと進み、さらにハミルトニアンと正準変換、対称性と保存則を結ぶネーターの定理までを扱います。学んだ内容は、次のような場面で活きてきます。
- 大学の授業・院試
拘束系の運動方程式、正準変換、ネーターの定理 - ロボット・機械制御
多関節や多自由度の系を、扱いやすい座標のまま式にする - 量子力学・場の理論へ
ハミルトニアンや経路積分を読むための共通言語
土台になるのは力学(大学)の内容です。またここで出てくるハミルトニアンは、熱・統計力学の分配関数にそのまま顔を出します。必要に応じて、行き来しながら確認できます。
なお、微分積分(とくに偏微分)と、高校レベルの力学がひととおり分かっていれば十分です。変分法は前提にしませんので、講座のなかで一から丁寧に組み立てていきます。
よくある質問
Q.ニュートンの運動方程式は解けます。解析力学を学ぶ意味はありますか?
A.あります。振り子や斜面のように拘束のある運動では、垂直抗力や糸の張力を求めずに済むぶん、式が驚くほど短くなります。座標を自由に選べるので、極座標でも角度でも、扱いやすいまま運動方程式が立てられます。
Q.L=T-V の「マイナス」がどうしても納得できません。
A.そこを最初に扱います。落下運動のような簡単な例で、L=T-V と置いた場合と置かなかった場合の両方を実際に計算し、前者だけが正しい運動を再現することを目で見て確認していただきます。
Q.変分法を学んだことがありませんが、大丈夫ですか?
A.大丈夫です。「関数を少しだけずらしたとき、値がどう変わるか」という、微分と同じ発想で始めます。最短経路の問題など、答えの分かっている例から入りますので、記号に飲まれずに進められます。
Q.量子力学に進みたいのですが、解析力学は必要ですか?
A.事実上、必要です。量子力学はハミルトニアンから出発し、場の理論はラグランジアンから出発します。ここを飛ばすと記号の意味が最後まで曖昧なままになるため、先に固めておくことを強くおすすめします。
物理の学び進め方や料金・受講の流れは、物理の学び直し 個別指導のページでご案内しています。
※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。
受講対象
・大学の解析力学の講義やレポート・試験の対策をしたい方
・ラグランジアン L=T-V の意味が腑に落ちないままの方
・院試で解析力学を使う方
・ロボットや機械の制御など、多自由度の運動を扱う仕事の方
・量子力学や場の理論へ進む前に、土台を固めておきたい方
必要な数学知識
モデルプラン
1)一般化座標とラグランジュの方程式(Ⅰ)
2)一般化座標とラグランジュの方程式(Ⅱ)
3)ラグランジュの方程式と束縛
4)変分原理
5)正準方程式と正準変換(Ⅰ)
6)正準方程式と正準変換(Ⅱ)
7)力学系の微小振動(Ⅰ)
8)力学系の微小振動(Ⅱ)
参考テキスト
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。



