量子力学
公開日
2022年9月16日
更新日
2026年7月26日
大人の教養として|量子力学を「二重スリット」から学び直す
スマホの半導体もLEDも、量子力学がなければ生まれませんでした。この講座では二重スリット実験というひとつの実験から出発し、量子力学が何を主張しているのかを、数式の前にまず言葉で理解できるところまでご案内します。
受講内容
量子力学は「小さすぎて直接見えないものが、どう振る舞うか」を記述する物理学です。この講座では実験の話から始めて、なぜ確率でしか語れないのかを納得できるところまで進みます。
多くの方がつまずくのは、いちばん最初の一歩です。電子を小さなビー玉のようなものだと考えると、二重スリット実験の結果がどうしても理解できません。ビー玉なら、ふたつのすき間を通り抜けた先には二本のすじができるはずです。ところが実際にスクリーンにあらわれるのは、何本もの縞模様。しかも電子を一粒ずつ、一時間に一個というゆっくりしたペースで撃ち込んでも、時間をかけて同じ縞模様が浮かび上がってきます。一粒の電子がふたつのすき間を「両方とも」通ったとしか言いようのない結果です。

ここでつまずくのは当然で、日常の感覚がそのままでは通用しないからです。授業ではこの実験を出発点に、波動関数・重ね合わせ・観測といった言葉が何を指しているのかを、ひとつずつ言い直していきます。「わからない」のではなく「日常のことばでは言い表せない」だけだと分かると、その先の数式もぐっと読みやすくなります。
量子力学は、こんなところにつながっています。
- 半導体とスマホ
トランジスタもメモリも、電子が結晶の中をどう動くかという量子力学の計算の上に成り立っています。 - レーザーと医療
光通信もレーザーメスもMRIも、エネルギーが飛び飛びの値をとるという量子の性質を直接使っています。 - 化学と周期表
なぜ元素があの順番で並ぶのか。電子の入り方を決めているのは量子力学のルールです。
量子力学の考え方が入ると、統計力学・物性物理・量子化学へ進む道がひらけます。量子コンピュータや量子暗号の解説記事も、雰囲気ではなく中身で読めるようになります。
なお、受講に前提知識は必要ありません。三角関数や微分積分に自信がなくても、必要な数学はその場で補いながら進められます。
よくある質問
Q.数式が苦手でもついていけますか?
A.はい、大丈夫です。まず言葉とイメージで全体像をつかんでから、必要な数式だけを順に補います。式を追うことよりも、その式が何を言っているのかを理解することを優先します。
Q.高校で物理を選択していませんでした。
A.問題ありません。力学と波動のうち必要な部分から始められます。むしろ先入観がないぶん、量子力学の考え方はすんなり入ることも多いです。
Q.量子コンピュータや量子もつれにも触れられますか?
A.はい。ご希望があれば、重ね合わせともつれの理解を土台にして、量子ビットの考え方まで扱います。ニュースで使われる用語の整理もいたします。
Q.どのくらいの回数で学べますか?
A.全体像をつかむだけなら数回、シュレーディンガー方程式をご自分で解けるところまでなら十数回が目安です。ご希望とペースに合わせて組み立てます。
物理の学び進め方や料金・受講の流れは、物理の学び直し 個別指導のページでご案内しています。
※内容はお客様のご要望等によって変更することがあります。
受講対象
・科学ニュースや解説書を、雰囲気ではなく中身で読みたい方
・大学の講義で量子力学に挫折した経験がある方
・半導体やレーザーなど、仕事の背景にある原理を知りたい方
・お子さまやお孫さんに「量子って何?」と聞かれて答えたい方
・数式は得意ではないが、現代物理の考え方に触れてみたい方
必要な数学知識
モデルプラン
1)原子とエーテル
2)荷電粒子の弾道論
3)熱運動の古典論
4)量子論の誕生
5)原子構造と量子論
6)粒子・波動の2重性
7)量子力学の確立
8)量子力学の基本法則
9)物理量の行列表示
10)軌道角運動量とスピン角運動量(Ⅰ)
11)軌道角運動量とスピン角運動量(Ⅱ)
12)摂動論(Ⅰ)
13)摂動論(Ⅱ)
14)多原子電子(Ⅰ)
15)多原子電子(Ⅱ)
16)分子と固体
17)場の量子論(Ⅰ)
18)場の量子論(Ⅱ)
参考テキスト
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。




