生存者バイアスとは何か|成功事例を真似るほど失敗する理由
公開日
2025年12月30日
更新日
2026年1月27日
「伸びている会社は、だいたい◯◯をやっているらしい」
ビジネス記事やセミナーで、何度も聞いたことがあるフレーズではないでしょうか。
・成功している企業の共通点
・成果を出しているチームの習慣
・トッププレイヤーがやっていること
どれも魅力的ですし、真似したくなります。
でも、ここで一つだけ問いを立ててみてください。
それを真似して、失敗した会社はどこに行ったのでしょうか?
「成功事例は、生き残った結果にすぎない」
この記事の主な内容
成功事例は「選ばれたデータ」
私たちが目にする成功事例には、ある共通点があります。
それは、
うまくいったケースだけが集められているという点です。
・売上が伸びた会社
・急成長したスタートアップ
・話題になったプロジェクト
一方で、
・同じことをして失敗した会社
・途中で撤退したプロジェクト
は、ほとんど表に出てきません。
このように、
生き残ったものだけを見て判断してしまうこと
を、生存者バイアスと呼びます。
なぜ真似すると失敗しやすいのか
生存者バイアスが怖いのは、
「正しそうな理由」が、後付けで作られる
からです。
たとえば、
・意思決定が早いから成功した
・独自の文化があったから伸びた
・会議を減らしたから生産性が上がった
どれも、もっともらしく聞こえます。
でも実際には、
・運が良かった
・市場環境が追い風だった
・競合が弱かった
といった要因が大きかった可能性もあります。
それでも、成功した後なら、
「これが成功の理由だ」
と語れてしまう。
失敗事例は、データから消える
ここが重要なポイントです。
成功事例は、
・記事になる
・講演になる
・書籍になる
一方、失敗事例は、
・語られない
・記録されない
・分析されにくい
つまり、
データとして集まりにくいのです。
この時点で、
判断材料が、最初から偏っている
と言えます。
生存者バイアスのわかりやすい例
少し身近な話をしましょう。
「起業家は、リスクを取るべきだ」
という言葉があります。
たしかに、
・大きく成功した起業家
は、リスクを取っています。
でも、
・同じようにリスクを取って失敗した人
は、メディアに出てきません。
結果として、
リスクを取れば成功する
というストーリーだけが残ります。
「共通点探し」が一番危ない
成功事例分析でよくあるのが、
「伸びている会社の共通点を探す」
というアプローチです。
しかし、
・成功企業に共通している
という事実から、
・それが成功の原因だった
とは言えません。
なぜなら、
・失敗した企業にも、その共通点があったかもしれない
からです。
ここでも、因果関係の勘違いが起きています。
生存者バイアスを疑うための視点
最後に、実務で使える視点を紹介します。
成功事例を見たときは、こう自問してください。
・同じことをして、失敗した例はないか?
・途中で消えたケースは、どれくらいあるか?
・成功しなかった場合、その話は残っているか?
この問いを挟むだけで、
成功事例をそのまま真似するリスク
を大きく下げられます。
次回予告|じゃあ、因果関係はどう確かめる?
ここまでで、
・相関
・疑似相関
・逆因果
・生存者バイアス
という罠を見てきました。
次回はいよいよ、
「じゃあ、因果関係はどうやって確かめればいいのか?」
を扱います。
難しい数式は使いません。
ビジネスパーソンが明日から使える、「考え方の型」を紹介します。





