小数の割り算のやり方|小数点の移動・余りの位置・検算のコツ【算数からやさしく解説】
公開日
2022年8月12日
更新日
2026年7月28日
この記事の主な内容
この記事のポイント
・小数の割り算は、小数点をずらして「整数の割り算」に直すのが基本(商不変の性質)
・除数(割る数)と被除数(割られる数)の小数点は、必ず同じ桁数だけ右にずらす
・余りの小数点だけは例外で、ずらす前の「元の被除数」の位置に打つ
・検算は「商×割る数+余り=割られる数」に戻して確かめるのが確実
結論|小数の割り算は「整数の割り算」に直すだけ
小数の割り算は、新しい計算方法を覚える必要はありません。割る数と割られる数の小数点を同じ桁数だけ右にずらし、整数(または整数に近い形)の割り算に直してから、いつも通り筆算する——これがすべてです。
たとえば\(18÷0.6\)なら、両方を\(10\)倍して\(180÷6=30\)。答えは同じになります。割る数と割られる数に同じ数を掛けても商が変わらないという「商不変の性質」があるからです。
ただし一つだけ例外があります。余りの小数点は、ずらした後ではなく「元の」小数点の位置に打つこと。ここが小数の割り算でいちばん間違えやすいポイントです。この記事では、パターン別の手順から余りの扱い、検算のコツまで順番に解説します。
2>小数の割り算
この記事では、小数が入った割り算について方法を解説します。

小数の割り算に入る前に、割り算にまつわる表現についておさらいをします。
\(12÷3=4\)という式を例に考えてみましょう
割り算において割る方の数を除数と呼びます。上の例では、”\(3\)”が除数です。
次に、割り算において割られる方の数を被除数と呼びます。上の例では、”\(12\)”が被除数です。
また、割り算の結果を商と呼びます。上の例では、”\(4\)”が商です。

これで小数の割り算について考える準備ができたので、早速考えてみましょう。
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被除数が小数となる割り算
被除数が小数となるとき、即ち割られる数が小数であるときについて考えます。
試しに、\(7.2÷9\)という式について考えてみましょう。
被除数が小数となる割り算の場合、まずは普通の割り算として考えてみます。
この場合は、\(72÷9\)を計算します。

\(72÷9\)は\(8\)となるので\(8\)が筆算の上に出てきます。
ここから、被除数の小数点の位置に注目して、小数点をそのまま筆算の上に持ち上げます。

最後に、\(.8\)の前に\(0\)をつけて\(0.8\)とします。

通常の割り算で商を小数点以下まで計算するとき小数点を\(8\)の後ろにつけるように、被除数が小数の場合も同じ考え方が使えます。通常の割り算では\(72\)の後ろの小数点を上に持ち上げますが、小数の割り算の場合も同じように\(7.2\)の小数点を持ち上げれば答えが求まります。
除数が小数となる割り算
次に、除数が小数となる割り算の例を見てみましょう。
今回は、\(18÷0.6\)という式について考えます。
除数が小数の割り算のポイントは除数の小数点をずらして整数にすることによって割り算をすることができます。そのため、除数の小数点を右にずらすとよいでしょう。
\(0.6\)という数の場合、小数点を右に一つずらすと、\(6\)になります。
次に、被除数である\(18\)の小数点も右にずらします。\(18\)の小数点は\(18\)の後ろにあるので、\(180\)になります。
また、除数と被除数の小数点を同じ数だけずらすことを忘れないようにしましょう。
除数と被除数の小数点を同じ数だけずらすということは除数と被除数をともに\(10\)倍、\(100\)倍していることと変わりないので、小数点の位置をずらしても計算結果は同じになります。

被除数が\(180\)、除数が\(6\)になったので、後は通常通り筆算を行います。
\(18÷0.6=180÷6=30\)
このように、\(30\)と答えを出しましょう。
小数同士の割り算
最後に、小数同士の割り算の方法について説明します。
小数同士の割り算は上で説明した\(2\)つの方法を組み合わせると計算することができます。
1. 除数が小数となる割り算と同様に、除数と被除数の小数点を右にずらす。
2. 被除数が小数となる場合、いつも通りに筆算を計算し、最後に小数点を上に持ち上げる。整数同士の割り算になった場合、いつも通りに筆算を計算する。
このようにして、除数が小数の場合の計算と被除数が小数の場合の計算さえ把握してしまえば、小数同士の割り算であってもすんなり答えを求めることができてしまいます。
例として、\(1.8÷0.6\)であれば、小数点をともに右にずらすことによって
\(1.8÷0.6=18÷6=3\)
という風に簡単に計算できます。
余りが出る小数の割り算|小数点は「元の位置」に戻す
ここまでは割り切れる例を見てきましたが、実際には余りが出ることもあります。小数の割り算で最も間違えやすいのが、この余りの小数点の位置です。
例として、\(2.5\)Lのジュースを\(0.7\)Lずつコップに分ける場面を考えます。式は\(2.5÷0.7\)です。
手順どおり、割る数\(0.7\)を整数にするため、両方の小数点を右に\(1\)つずらして\(25÷7\)に直します。筆算すると商は\(3\)、余りは\(4\)……に見えます。しかし、余りをそのまま\(4\)と書いてしまうと間違いです。
検算してみると分かります。\(0.7×3+4=6.1\)となり、元の\(2.5\)に戻りません。\(2.5\)Lを配っているのに\(4\)Lも余るのはおかしいですよね。
正しくは、余りの小数点は「ずらす前の被除数\(2.5\)」の小数点の位置に合わせて\(0.4\)とします。\(0.7×3+0.4=2.5\)となり、きちんと元に戻ります。コップ\(3\)杯に分けて\(0.4\)L余る、という自然な結果です。
なぜ余りだけ元の位置なのでしょうか。小数点をずらすのは「\(10\)倍の世界で計算する」ための一時的な変換です。商は「何回分けられるか」という回数なので\(10\)倍の世界でも変わりませんが、余りは「量そのもの」なので、\(10\)倍の世界の余り\(4\)を元の世界に戻して\(÷10\)し、\(0.4\)とする必要があるのです。
よくある間違い3つと検算のコツ
小数の割り算のつまずきは、ほぼ次の3パターンに集約されます。自分の間違いがどれに当たるか確認してみてください。
| つまずき | 間違いの例 | 正しい考え方 |
|---|---|---|
| 割る数だけ小数点をずらす | \(18÷0.6\)を\(18÷6=3\)としてしまう | ずらすなら両方同じ桁数。\(180÷6=30\)が正解 |
| 余りの小数点もずらしたまま | \(2.5÷0.7=3\)余り\(4\)としてしまう | 余りは元の小数点の位置で\(0.4\) |
| 商の小数点の付け忘れ・位置ずれ | \(7.2÷9=0.8\)を\(8\)と書いてしまう | 商の小数点は(ずらした後の)被除数の小数点の真上 |
間違いを防ぐいちばん確実な方法は検算です。「商×割る数+余り=割られる数」に当てはめて、元の数に戻るかを確かめましょう。\(30×0.6=18\)、\(3×0.7+0.4=2.5\)——戻ればほぼ正解です。
もう一つおすすめなのがざっくり見積もり(概算)です。\(18÷0.6\)なら「\(0.6\)は\(18\)に\(30\)個くらい入りそう」と桁の見当をつけてから筆算すると、\(3\)や\(300\)のような桁違いの答えにすぐ気づけます。ビジネスの現場でも、この「桁感覚」がそのまま数字力になります。
小数の割り算の活用
小数の割り算は日常生活で如実に使う場面は多くないかもしれませんが、小数の割り算によって様々な指標を求めることができます。例えば、自分の体重が一年前と比べてどれくらい変わったか知りたいとき、今年の体重を前年の体重で割って変化率を求めることができます。また、株価収益率(PER)などの財務指標を求めるときも小数の割り算が用いられます。
小数の割り算は小数の掛け算で用いる考え方を使用するため、今回の記事が難しいと感じた方は小数の掛け算のやり方についての記事を参照すると良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 小数の割り算では、なぜ小数点をずらしてよいのですか?
割り算には、割る数と割られる数の両方に同じ数を掛けても商が変わらない「商不変の性質」があるからです。たとえば18÷0.6は、両方を10倍した180÷6と同じ答え(30)になります。小数点を右に1つずらす操作は、両方を10倍することと同じ意味です。
Q2. 余りの小数点はどこに打ちますか?
ずらした後ではなく、ずらす前の「元の被除数」の小数点の位置に打ちます。たとえば2.5÷0.7は25÷7に直して商3を立てますが、余りは4ではなく0.4です。検算すると0.7×3+0.4=2.5となり、元の数に戻ることが確かめられます。
Q3. 商の小数点はどの位置に付けますか?
ずらした後の被除数の小数点の真上に付けます。たとえば7.2÷9では、商の小数点を7.2の小数点の真上にそろえて0.8とします。小数点を打ち忘れて8としてしまうミスが多いので、筆算の最後に必ず位置を確認しましょう。
Q4. 割り切れないときはどうすればよいですか?
目的に応じて、指定された位で四捨五入して概数にするか、分数のまま表します。たとえば1÷0.3=10÷3=3.333…なので、上から2桁の概数なら3.3です。ビジネスの計算では、必要な精度(小数第1位まで、など)を先に決めてから丸めるのが実用的です。
Q5. 小数の割り算は日常のどんな場面で使いますか?
「今年の数値÷前年の数値」で変化率を出す、「価格÷内容量」で単価を比べる、株価収益率(PER)などの指標を計算する、といった場面で日常的に使われます。0.5kgあたりの価格や1.5倍の逆算など、身の回りの比較の多くは小数の割り算です。
まとめ
小数の割り算のポイントを整理します。
・割る数が整数になるまで、両方の小数点を同じ桁数だけ右にずらす(商不変の性質)
・商の小数点は、ずらした後の被除数の小数点の真上
・余りの小数点だけは「元の位置」に戻して打つ
・最後に「商×割る数+余り」で検算すれば安心
ルールはこれだけです。あとは整数の筆算と何も変わりません。つまずいたときは、この記事の例に戻って一つずつ確かめてみてください。
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