ローカルLLMのおすすめと選び方|必要スペック早見表【2026年9月】
公開日
2026年8月10日
更新日
2026年9月7日
モデル・提供状況の情報確認日:2026年9月7日
この記事のポイント
- ローカルLLM選びは「日本語力」「パソコンのスペック」「用途」の3軸で考えると迷いません
- モデルの総パラメータ数、量子化、文脈長を確認すると、必要メモリの目安を考えられます
- 日本語で使えるモデルは、海外製の多言語系と国内開発の日本語特化系の2系統から選びます
「ローカルLLMを試したいけれど、モデルが多すぎてどれを選べばいいか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。検索すると英語のランキングばかりで、結局手が止まってしまう——そんな方のために、この記事では2026年9月7日時点の情報をもとに、モデル選びの考え方と必要スペックの早見表をまとめます。
この記事の主な内容
前提|「最強のモデル」は存在しない
最初にお伝えしたいのは、誰にとってもベストな1本は存在しない、ということです。ローカルLLMは、お使いのパソコンに載る大きさでしか動きません。つまり「性能の高い順」ではなく「自分の機種で動く中で、目的に合う順」で選ぶのが正解です。順番は、パソコンのスペックを確認する、動く大きさを知る、その範囲で日本語に強いものを選ぶ、の3段階です。

パソコンのスペックで「動く大きさ」が決まる
モデルの大きさはパラメータ数(8B=約80億など)で表されます。また、モデルを圧縮して軽くする量子化があり、ローカル利用ではQ4と呼ばれる4bit級の量子化版がよく使われます。ただし、必要メモリはモデルの設計、量子化方式、コンテキスト長によって変わります。

| 環境の目安 | 試しやすいモデルサイズ(Q4量子化の目安) | 使い方の目安 |
|---|---|---|
| メモリ8GB・GPUなし | 1〜4B程度 | 短い要約や簡単な質問から試す。長文や複数アプリの同時利用は控えめに |
| メモリ16GB/VRAM6〜8GB程度 | 4〜8B程度 | 要約・下書き・分類など日常利用の入口 |
| メモリ32GB/VRAM12〜16GB程度 | 8〜14B程度 | 長めの文章や品質を重視する用途。20B以上は設定と速度を要確認 |
| Appleシリコン搭載Mac | 16GBなら4〜8B、32GBなら8〜14B程度から | 統合メモリを使えるが、OSや他アプリが使う分を残して選ぶ |
※上表は主に通常の密なモデルをQ4で試す際の概算で、動作保証ではありません。MoEの有効パラメータ数やGemmaのE表記だけをこの表に当てはめることはできません。配布ファイルの容量、総パラメータ数、実行時の追加メモリを確認してください。コンテキスト長を広げるほどメモリ使用量は増えます。
たとえば通常の8BクラスをQ4で試すなら、VRAM6〜8GBまたは本体メモリ16GB以上が一つの出発点です。ただし、OSや他のアプリが使う分も必要です。ぎりぎりの大きさを選ぶより、少し小さめを軽快に動かし、必要に応じて大きくするほうが比較しやすくなります。
日本語モデルは「2系統」から選ぶ
海外製の多言語モデル
2026年9月に候補を探すなら、Qwen3.5/Qwen3.6やGemma 4を確認してみましょう。新しい世代でも、大きさや用途が違えば必要な環境も変わります。対応言語数だけで日本語の自然さを判断せず、同じ要約やメールの言い換えを試して比較するのが確実です。
| 候補 | 選ぶときの目安 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| Qwen3.5 | 小型から大きめまで、PCの余裕に合わせてサイズを選ぶ | 同じシリーズでもサイズ・形式・設定で必要メモリが異なる |
| Qwen3.6-35B-A3B | コーディングや複雑な作業を試したい場合の候補 | 総35B、動作時に使う部分は3BのMoEモデル。3B相当のメモリで動くという意味ではない |
| Gemma 4 | E2B・E4Bなどの小型と、より大きなモデルから選ぶ | E2B・E4Bは128K、12B・26B A4B・31Bは256Kの文脈長。上限まで使うときのメモリは別途必要 |
Qwen3.6-35B-A3BとGemma 4はApache 2.0ライセンスで公開されています。量子化版や派生モデルを使う場合は、実際にダウンロードする配布元の説明も確認してください。以前のQwen3やGemma 3も、既存環境で安定して動くなら比較候補として残せます。
国内開発・日本語強化モデル
日本語を重視するなら、ELYZAやSwallow、KARAKURI LMなども候補です。国内の研究・開発によるモデルでも、基盤となるモデルや配布形態はそれぞれ異なります。
Swallowでは、Qwen3を基にした8B・32Bなどに加え、GPT-OSS Swallowが2026年2月20日に公開されました。OpenAIのGPT-OSSを基に日本語能力と思考力を強化した20B・120Bの推論型モデルで、Apache 2.0ライセンスです。量子化版の公開状況も開発元で確認できます。
20B・120Bは、ここで紹介している小型モデルと同じ感覚では選べません。とくに120Bは大きなメモリを必要とするため、一般的なノートPCの最初の1本には向きません。日本語性能だけでなく、配布形態・モデルサイズ・ライセンスをセットで確認しましょう。APIや専用のオンプレミス環境で提供されるモデルと、手元のPCにダウンロードして使うモデルも区別してください。
用途で決める
- 要約・下書き・言い換え:中型(7〜14B)で十分実用になる場面が多い
- 手元の文書を読ませて調べる:モデルの読解力に加え、文脈長や文書を検索する仕組みも重要
- 翻訳中心:翻訳特化モデルという選択肢がある
- 複雑な推論・長文の生成:小型モデルでも対応できる場合はあるが、品質と待ち時間を実際の課題で比べる
ローカルLLMとクラウドAIは、情報の取り扱いルールと用途に合わせて使い分けられます。ローカル実行でも、外部ツールへの接続やログの保存先によってはデータが外へ出るため、「手元で動くから安全」とは限りません。
和から式|同じ3問で2モデルを比べる
モデル名を眺めるだけでは違いが分かりにくいため、和からでは、候補を2つに絞り、同じ3問で比較します。
- 要約:自分がよく読む文章を200字程度にまとめてもらう
- 言い換え:社内メールを、自然で丁寧な日本語に直してもらう
- 事実確認:答えを知っている業務上の質問を出し、間違い方を確認する
比較するのは、正確さ、日本語の自然さ、待ち時間の3点です。大きいモデルが常に最適とは限りません。自分の業務で十分な品質が出る最小のモデルを選ぶと、速度と使いやすさのバランスを取りやすくなります。
選んだあとの動かし方
モデルが決まったら、動かすためのツールを入れます。コマンド操作に抵抗がなければ定番のOllama、画面で操作したいならLM Studioが代表的です。ローカル実行を始める手順は関連記事で解説しています。新しいモデルではアプリ本体だけでなく、実行エンジンの対応バージョンや量子化形式も確認してください。OllamaのQwen3.5配布ページやGemma 4配布ページで、使うタグとモデル容量を確認できます。
よくある質問
Q. 結局、最初の1本はどう選べばいいですか?
A. お使いの機種で動く範囲の中で「やや小さめ」の多言語系モデルから始めるのがおすすめです。小さめなら動作が軽く、試行錯誤がしやすいためです。物足りなくなったら大きくしていきましょう。
Q. 無料で使えますか?商用利用はできますか?
A. 多くのモデルは無料で公開されていますが、利用条件(ライセンス)はモデルごとに異なります。とくに業務利用の場合は、各モデルの公式ページで商用利用の可否を必ず確認してください。
Q. 半年後もこの記事のおすすめは有効ですか?
A. モデルの顔ぶれは入れ替わっている可能性が高いです。ローカルLLMは毎月のように新モデルが出る分野のため、モデル名を覚えるより「スペック→系統→用途」という選び方の軸を持つことが、モデルが変わっても役立つ考え方です。
まとめ
ローカルLLM選びは、パソコンのスペックで動く大きさを知り、海外多言語系か国内日本語特化系かを選び、用途に合わせて調整する、の3段階です。最初の1本は「動く中でやや小さめ」を選び、物足りなくなったら大きくしていく。この順番なら、遠回りせずに自分の1本にたどり着けます。
※本記事は2026年9月7日時点の情報です。モデルの公開状況・ライセンスは変更されるため、導入時は各モデルの公式情報をご確認ください。
自分の機種に合う1本を、確実に選びたい方へ
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執筆:和から株式会社 数学講師
「大人のための数学教室 和から」を運営し、累計3万人以上に指導。法人200社以上の研修実績。
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