【和から株式会社】数学アートセミナー-黄金の比率発展編-講義抜粋
公開日
2024年12月8日
更新日
2025年4月16日

和から株式会社主催「数学アートセミナー-黄金の比率発展編-(開催終了)」の講義抜粋です。入門編に引き続き、より一層黄金比の奥深い魅力について迫っていきます。
※動画と一緒にご覧いただくとより興味いただけると思います。
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この記事の主な内容
植物に宿る黄金比の美しさ
私たちが何気なく目にする植物の葉や花の配置には、実は驚くべき規則性が潜んでいます。とりわけ、葉の生え方に注目すると、自然界ならではの見事なバランスが浮かび上がってきます。
自然に導かれる配置のしくみ
植物の葉が一定の間隔を保って配置されているのは、偶然ではありません。もし葉が無秩序に重なり合ってしまえば、太陽の光を十分に受け取れず、成長にも悪影響を及ぼしてしまいます。そこで植物は、葉同士が重ならず、効率よく光を受け取れるような角度で葉を広げていきます。
この配置には、植物が限られたエネルギーを無駄なく分配しようとする自然の工夫が反映されています。葉と葉の間に適度な距離を保つことで、それぞれが十分な光を受け取り、植物全体として最も健やかな成長を遂げることができるのです。
黄金比との出会い
こうした葉の配置の最適な角度は、実は「黄金比」と深い関係があります。黄金比とは、おおよそ1:1.618の比率であり、「1 + √5 ÷ 2」という数式で表されます。この比率に基づいた配置をとることで、葉は互いに最も重なりにくく、空間を効率よく活用できるようになるのです。
つまり、自然界に見られる植物の美しい形は、偶然の産物ではなく、数学的な法則――とりわけ黄金比という精緻なバランスの上に成り立っているのです。
ひまわりが描く螺旋の秘密
この黄金比の魅力は、葉だけにとどまりません。ひまわりの花の中心にぎっしりと並ぶ種子の配置にも、黄金比の影響が見られます。ひまわりの種は、中心から放射状に広がりながら、わずかずつ角度を変えて外側に配置されていきます。そのときの角度は「黄金角(約137.5度)」と呼ばれ、これが美しい螺旋模様を生み出す鍵となっているのです。
この螺旋の配置によって、種子は無駄なく詰め込まれ、空間を最大限に活かした形となります。それはまさに、自然が導いた最も効率的で美しい構造と言えるでしょう。
黄金比が形作る究極の調和
こうした螺旋の構造は、単に視覚的に美しいだけではなく、植物にとっても非常に合理的な配置なのです。ひまわりのように種子をたくさん持つ植物は、少しずつ角度をずらしながら種を並べることで、重なり合うことなく、無駄のない配列を実現しています。そしてその最適な角度こそが、繰り返しの中で黄金比に近づくことで導かれているのです。
初めはやや不規則に見える配置も、繰り返しが積み重なることで、次第に美しい秩序を持った螺旋へと変わっていきます。そこには、自然界が持つ数学的な美しさと調和が凝縮されているのです。
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