【和から株式会社】Excelで学ぶアート数学-フラクタルとカオス編-講義抜粋
公開日
2024年12月7日
更新日
2025年4月16日

和から株式会社主催「Excelで学ぶアート数学-フラクタルとカオス編-」の講義(開催終了)の抜粋です。フラクタルについて、どんな性質・応用があるか解説し、Excelを使って実際に描いていきます。
※動画と一緒にご覧いただくとより興味いただけると思います。
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この記事の主な内容
非日常的な景色に潜む数学美─Excelで楽しむフラクタルの世界
私たちが自然の中でふと目を奪われる瞬間。それは、山脈のうねりや海岸線の入り組んだ輪郭、あるいはロマネスコという不思議な形をした野菜を見たときかもしれません。これらの非日常的とも言える景色や造形は、ただ奇抜なだけでなく、実は「フラクタル」という数学的な美しさを秘めています。
一般的にフラクタルアートは、コンピューターグラフィックスやプログラミングを使って描かれる高度な世界。しかし今回は、そんな専門技術を使わずに、身近なツールであるExcelを活用して、フラクタルの魅力に触れてみましょう。
フラクタルとは何か?
「フラクタル」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?これは、あるパターンが拡大しても縮小しても同じ形として繰り返される、自己相似の図形のことを指します。
たとえば、正方形の中央をつないで新たな小さな正方形を描き、それをさらに同じように繰り返していく──そんな単純な操作でも、驚くほど複雑で美しい図形が現れます。現実のコンピューターでは「無限」の繰り返しはできませんが、有限回のシミュレーションでもフラクタルの本質に迫ることが可能です。
パスカルの三角形に潜むフラクタル
数学の中には、意外なかたちでフラクタルが現れる場面があります。その代表例が「パスカルの三角形」です。
数式や二項定理に登場するこの三角形を、偶数と奇数に色分けしてみると──なんと「シェルピンスキーのガスケット」と呼ばれる有名なフラクタルが浮かび上がってきます。数学の規則性から、こんなにも美しい図形が生まれるとは驚きです。
Excelを使えば、このパスカルの三角形も簡単に再現できます。数式をセルに入れ、条件付き書式で色分けすれば、誰でも手軽に数学アートを楽しむことができます。
ドラゴン曲線─ジュラシック・パークにも登場したフラクタル
さらにユニークなフラクタルとして紹介したいのが「ドラゴン曲線」です。この図形は、NASAの物理学者ジョン・ヘイによって名付けられたもので、なんと映画『ジュラシック・パーク』の挿絵にも登場しています。
作り方は意外とシンプルです。線をコピーして、回転、縮小、平行移動──この操作を繰り返していくだけで、不思議な曲線が現れてきます。Excelの図形機能と少しの工夫で、このドラゴン曲線も再現可能です。数字と図形が組み合わさる面白さを、ぜひ体験してみてください。
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