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「ミウラ折り」のすごさを体感してみよう

公開日

2019年12月22日

更新日

2019年12月22日

今回は「ミウラ折り」をご紹介したいと思います。

「ミウラ折り」とは航空宇宙工学者の三浦公亮さんが発明した紙の折り方なのですが、
実は、大きな紙をものすごくコンパクトに一瞬でたたむことができるのです。

「いやいや、蛇腹に折っていけば小さく折れる!」
などと思うかもしれませんが、蛇腹だと、山折りしてから、谷折りして・・・という風に順番に2方向の力が必要になり、簡易的ではありません。



一方ミウラ折りは対角線上に力を加えるだけ。左上と右下を持ってから対角線上に力をぐっと加えるだけで一瞬で、そしてものすごくコンパクトに折りたためてしまうのです。
言葉で書いてもしっくりこないと思われるので、動画で軽くご紹介しましょう。




 

一見すると、すごさが伝わらないかもしれませんが、実際に紙を小さく折ってみてください。そして一度広げてまた折り込んでみて下さい。そうすると「ミウラ折り」のすごさがきっとわかるはずです。

大きな紙を規則正しく小さく折ろうとすると、いくつかしかパターンがないことに気づくはずです。最も単純な例としては、大きな紙を半分に折って、また半分に折って・・・を繰り返せばどんどん小さく折れますよね。しかし、折るたびに紙が何重にも重なるため、段々と折りにくくなっていきます。また、折り目に紙が重なることで、特に外側の折り目の紙の強度が一気に下がってしまいます。何回も広げて折って・・を繰り返せば、破けてしまうことでしょう。しかも毎回折るのに大きな力が必要になるのです。

もちろん、ぐしゃぐしゃと丸めても小さくはなりますが、何回も同じようにぐしゃぐしゃすると、ある紙の一部分に大きな力がかかって破けてしまうことは想像できるはず。また折るたびに別の形になってしまって応用も難しいでしょう。

一方ミウラ折りは、折り目が重ならず特定の場所に負荷がかからない構造になっています。

写真だとわかりづらいのですが、折り目が「平行四辺形」(すべてではありませんが)になっています。蛇腹折りも折り目が重ならないように見えるのですが一部重なります。

この「ミウラ折り」は様々なところで応用されています。先日、セミナー中にお客様に聞いてみたところ、「地図で使われてますよね!」とおっしゃっていただきました。数学以外の一般の方にも多く認識が広まっていることを感じています。この優秀な三浦折りを用いていわゆる太陽光パネルを小さく折りたたんで宇宙に持っていき、宇宙空間でぱっと広げるといった応用もあります。

この記事を読んで、では、「折ってみよう!」と意気揚々と試してみたい方もいるかもしれません。
実は正確に折るのはなかなか難しく、ちょっとでもずれるとうまく折れません。(私も3回くらい失敗しております・・・。)
Amazonなどでミウラ折りエイドというミウラ折が簡単に実践できるキッドも売っております。ぜひそちらをご購入いただけたらより楽に折れるのではと思います。私もこちらを購入しました(笑)。

ちなみに、折り目は強めにつけていかないと、うまく一方向に力を加えても紙がゆがむだけになってしまいます。折り目を少し強めにつけるのがポイント。

まずは紙を三つ折りにしてから、マニュアルに沿って折りたたむだけで簡単に折りたためます。

これだけだと「ちょっとズレた蛇腹折り」とかわりませんが、折ったあとは、折り目を変えればミウラ折りの完成です。

「紙を折る」だけ、のように見えるかもしれませんが、折り紙の世界は数学的にも非常に奥深く、その世界の一端が見えてくること間違いないです!!ぜひ一度お試しくださいね!

ちなみに体験授業でもミウラ折りをお見せすることができますのでぜひ一度お気軽にご相談ください。

<文/堀口 智之>
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