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疑似相関シリーズ 第9回|SNSフォロワーが増えるほど採用応募が増える?

公開日

2026年1月14日

更新日

2026年1月5日

いきなり結論

フォロワーが応募を増やしたんじゃない。会社が伸びている(話題になっている)から、両方が増えただけかもしれない。

「SNSフォロワーが増えるほど、採用応募が増える」
この相関、採用広報をやっていると高確率で見えます。

すると、つい言いたくなる。

「フォロワーを増やせば採用がうまくいく」

でもこれは、疑似相関の典型です。

フォロワーは“入口”にはなり得ます。
ただし多くの場合、応募が増える理由はフォロワー数そのものではなく、

・事業が伸びている
・プロダクトが話題
・露出(PR)が増えた
・採用要件や待遇が変わった

などの黒幕が効いています。

相関はヒント。因果は証拠。
今日は「フォロワー数に踊らされず、採用を増やす本当のレバーを見つける」話です。



1. なぜ「フォロワーが増えるほど応募が増える」が起きるのか

まず、超ありがちな2つのパターンです。

パターンA:会社が話題になった(黒幕)

・テレビ・Webメディアに載った
・資金調達を発表した
・新サービスがバズった

このとき起きるのは、自然な流れ。

・SNSで会社を知る人が増える → フォロワーが増える
・同時に「この会社いいかも」と思う人が増える → 応募が増える

つまり黒幕は、話題性・露出・事業成長です。

パターンB:採用を強化した(逆因果)

採用に力を入れると、SNS運用も強化されがちです。

・採用目標が上がった → 採用広報を強化する → SNS投稿が増える
・採用キャンペーン開始 → SNSで拡散 → フォロワーも増える

つまり、

応募を増やしたい(採用強化)→ フォロワーが増える

という逆因果も起きます。


2. 用語を“日本一やさしく”整理する

今回の主役は「交絡因子」と「分解」です。

相関(correlation)

Aが増えるとBも増える(または減る)という「いっしょに動く」関係。
フォロワーと応募が同時に増える相関はよく出ます。

因果(causation)

Aが原因でBが起きるという関係。
相関だけで「フォロワーが応募を増やした」とは言えません。

交絡因子(confounder:こうらくいんし)

AとBの両方に影響する“黒幕”。

今回の黒幕候補は、だいたいこの辺です。

・事業成長(売上・導入社数)
・PR露出(記事、テレビ、登壇)
・採用条件(給与・リモート・職種)
・競合状況(採用市場の変化)
・採用サイト改善(応募導線)

フォロワーは「原因」ではなく「結果」になっていることも多いです。


3. 「これは本当? 嘘?」をちゃんと分ける

今回も2つに分解します。

Q1:相関(フォロワー↑ 応募↑)は本当?

本当です。
同じタイミングで増えることはよくあります。

Q2:因果(フォロワーを増やせば応募が増える)は本当?

嘘かもしれない。
少なくとも相関だけでは因果は言えません。

むしろ疑うべきは次。

・話題性(PRや成長)がフォロワーも応募も増やした(黒幕)
・採用強化の結果としてSNSが伸びた(逆因果)
・応募導線(求人ページ)が改善されただけ


4. ビジネスでの“実害”:フォロワーKPIが採用を遠ざける

この相関を因果だと決めつけると、打ち手がこうズレます。

・間違い:フォロワー数だけを追う(バズ狙い・炎上リスク)
・正しい:応募までの導線と、応募の質を上げる

フォロワーは増えても、応募が増えないことがあります。

・フォローするだけで満足して終わる
・応募に必要な情報が足りない
・そもそも求人ページに行っていない

つまり「フォロワー数」は、採用のゴールではなく途中の数字

採用で本当に重要なのは、

認知 → 興味 → 志望 → 応募

の“次の一歩”をどれだけ進められるかです。


5. 今日から使える:採用のワナチェック「3つだけ」

初心者でも迷わないよう、3つに絞ります。

チェック①:応募が増えたのは「露出の後」では?(時間順)

原因なら先に起きているはず。

・PR露出 → フォロワー増 → 応募増
この順番なら、原因はPRの可能性が高い。

まずは「何が起きた月に増えたか」を見てください。

チェック②:応募者はどこから来た?(流入元)

フォロワー数より重要なのがこれ。

・応募フォームの流入元(SNS/検索/求人媒体/紹介)
・SNS経由の応募比率

SNS経由が増えていないなら、フォロワー増は採用に効いていない可能性があります。

チェック③:「応募数」ではなく「採用につながる率」を見ている?

採用は量より質です。

・書類通過率
・一次面接通過率
・内定承諾率

フォロワーを増やして応募数だけ増えても、通過率が下がるなら“ミスマッチ流入”かもしれません。


6. 実務の最小アクション:フォロワーではなく「応募のレバー」を作る

最小手を3つ紹介します。

最小手①:SNS投稿は「仕事と人」を具体で出す

バズより、応募につながるのはこの2つです。

・どんな仕事をしているか(1日の流れ、成果物)
・どんな人がいるか(価値観、判断基準)

「自分が働く姿が想像できる」投稿が、応募を生みます。

最小手②:プロフィールから求人ページまでを1クリックにする

フォロワーが増えても、応募導線が弱いと応募は増えません。

・プロフィールに採用LPリンク
・職種別ページへの導線
・応募フォームは最短

これだけで、応募率は上がります。

最小手③:SNSは「母数」ではなく「候補者の質」を設計する

おすすめは、職種ごとに刺さるコンテンツを分けること。

・エンジニア向け:技術スタック、開発文化
・ビジネス職向け:KPI、意思決定、成長環境

フォロワーの総数より、狙う層の濃さが大事です。



まとめ

・「フォロワーが増えるほど応募が増える」という相関は出る(これは本当
・でも「フォロワーを増やせば応募が増える」とは言い切れない(これは嘘かもしれない
・正体は、黒幕(PR・成長・採用条件)+逆因果(採用強化)+導線改善の可能性
・追うべきはフォロワー数ではなく、応募までの導線と採用率

最後に一言。
フォロワーは資産。でも採用は“導線”が決める。


次回予告:第10回「ミーティングが多いほど成果が低い?」
会議が悪いのか、成果が悪いから会議が増えたのか。最後に総まとめします。

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