相関と回帰-第2回:なぜ伸びた?を誤解しないために【統計学をやさしく解説】
公開日
2025年12月25日
更新日
2026年1月13日
この記事の主な内容
はじめに|「長く見てもらえたから成果が出た」は本当?
Webサイトを分析していると、こんな報告を目にします。
「今月はサイトの滞在時間が伸びたので、資料請求も増えました」
一見すると、もっともらしい説明です。
しかしこの説明、本当に正しいでしょうか。
第1回では、2つの数字を並べて散布図で可視化し、相関係数で「一緒に動く傾向」を確認しました。
第2回では、その一歩先として、
・なぜ「相関がある=原因」と考えるのが危険なのか
・Web分析で特に起きやすい誤解
を、滞在時間と資料請求数の例でやさしく解説します。
1. 滞在時間と資料請求数には相関がありそう
まずは状況を整理します。
・サイト滞在時間が長いユーザー
・資料請求をしているユーザー
この2つは、実際のデータを見ると、
「滞在時間が長いほど、資料請求している傾向がある」
と見えることが少なくありません。

この散布図だけを見た場合は、
「滞在時間を伸ばせば、資料請求が増える」
と言いたくなります。
2. でも、それは本当に原因?
ここで立ち止まって考えてみましょう。
滞在時間が長いから、資料請求した
のでしょうか。
それとも、
もともと関心が高い人が、
長くサイトを見て、資料請求した
のでしょうか。
この2つは、まったく意味が違います。
3. 擬似相関が起きやすい理由
滞在時間と資料請求の関係は、
擬似相関(ぎじそうかん)
が起きやすい代表例です。
理由はシンプルで、
・ユーザーの関心度
・検討段階
といった、
直接見えない要因
が大きく影響しているからです。

4. 第3の要因は「関心の高さ」
この例で考えるべき第3の要因は、
ユーザーの関心の高さ
です。
・関心が高い
・しっかり情報を読み込む
・滞在時間が長くなる
・資料請求する
この流れだと、
滞在時間は「原因」ではなく、
結果に近い指標
である可能性があります。
5. ビジネスでよくある誤解
この誤解は、Web分析に限りません。
・ページ滞在時間をKPIにする
・平均滞在時間を上げる施策を打つ
といった判断を、
「資料請求が増えるから」
と直結させてしまうと、
本質からズレることがあります。
6. では、どう数字と向き合えばいいのか
ここで大切なのは、
数字の順番を考えること
です。
・原因なのか
・結果なのか
・ただ一緒に動いているだけなのか
この視点を持つだけで、
数字に振り回されることは大きく減ります。
まとめ|第2回のポイント
・滞在時間と資料請求数には相関が見られることがある
・相関があっても、原因とは限らない
・擬似相関は「関心の高さ」で起きやすい
・数字は一度、疑ってから使う
次回予告
次回は、いよいよ相関を
「施策判断」に使う方法
を扱います。
第3回:施策判断に使える回帰の考え方
営業訪問回数と受注件数のデータを使い、
・回帰直線とは何か
・どこまで予測してよいのか
・数字で言い切ってはいけないライン
を、実務目線でやさしく解説します。





