髪の毛統計学-第1回:データから考える禿げの主な原因
公開日
2025年9月14日
更新日
2025年9月3日
「ハゲは遺伝だから仕方ない…」そう諦めている人はいませんか?父も祖父も親族も早くに毛が薄くなり、自分の髪の将来が心配になる…。
この記事は、自分の将来を悲観した筆者が、データを活用しながら「薄毛」の遺伝的呪縛と戦ってきた内容です。幸いなことに、20年ほど前から髪の毛を気にし始め、医師や専門家からのヒアリング、そしてデータに基づいたケアを続けた結果、今もなお豊かな髪を保てています。
当時は、情報を集めるのが簡単ではありませんでした。しかし、今ではChatGPTのような生成AIによって、誰でも手軽に「Deep Research」(詳細なリサーチ)を行うことができます。このブログの調査も生成AIを活用して行いました。この便利さを知って、「生成AIをちょっと使ってみようかな?」と思う方が増えたらうれしいです。それでは、髪の毛について見ていきましょう!
実は、髪の毛に関する悩みは、遺伝だけで決まるわけではありません。日々の生活習慣やストレス、頭皮のケアなど、さまざまな要因が複雑に関係しています。
この記事の主な内容
遺伝的要因:なぜ親に似るのか?
「父親が薄毛だから、自分も…」そう考えるのは、ある意味正しいと言えるでしょう。 男性の薄毛の約95%は、AGA(男性型脱毛症)が原因と言われています¹。 このAGAは、親から受け継いだ遺伝子によって、髪の毛の組織(毛包)が特定のホルモンに対して敏感になることで起こります。ある研究では、AGAの発症リスクの約80%が遺伝子で決まるという調査結果もあります²。
この話を聞くと、薄毛は運命のように感じるかもしれません。 しかし、遺伝はあくまで「薄毛になりやすい体質」を決めるものであり、すべてではありません。同じ遺伝的素因を持っていても、生活習慣の違いで薄毛の進行に差が出るケースも多く見られます。
意外と身近?生活習慣が薄毛を加速させる
遺伝という「土台」がある場合、日々の生活習慣は薄毛の進行を加速させるアクセルのような役割をします。
たとえば、喫煙です。
ある調査では、喫煙者の約85%に何らかの脱毛が見られたのに対し、非喫煙者では40%にとどまったという報告があります³。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、髪に必要な栄養が届きにくくなるため、薄毛を進行させると考えられます。
| 項目 | 脱毛発症率 |
|---|---|
| 喫煙者 | 約85% |
| 非喫煙者 | 約40% |
| 出典:髪の毛統計学:禿げの主な原因より | |
(筆者は喫煙者で、一応電子タバコに変えてみたものの、どれくらい影響があるかは不明…)
他にも、以下のような習慣が薄毛に影響します。
- 栄養バランスの悪い食事:髪の主成分はタンパク質です。極端なダイエットや偏った食事で、髪に必要な栄養素が不足すると、抜け毛が増えることがあるようです⁴。
- 睡眠不足:成長ホルモンは髪の成長に必要ですが、これは深い睡眠中に多く分泌されます。睡眠が足りないと、髪の成長サイクルが乱れる原因になるようです⁵。
- 過度な飲酒:アルコールを分解する際に、髪の成長に必要なアミノ酸が消費されます。また、飲みすぎは睡眠の質を下げ、間接的に薄毛を助長すると言えるようです⁶。
見えない敵、ストレスと薄毛の関係
「ストレスでハゲる」という話は、決して迷信ではありません。
強いストレスを受けると、体内で髪の成長サイクルを乱すさまざまな変化が起こります。
たとえば、一時的に抜け毛が増える「休止期脱毛症」は、大きなストレスが引き金になることがあります⁷。このタイプの脱毛は、ストレスがなくなれば数ヶ月で元に戻ることがほとんどです。
また、円形脱毛症も、精神的ストレスが誘因となるケースがあります。
ストレスは直接的な薄毛の原因にはなりませんが、髪の健康を大きく損なう要因だと考えられます。
見過ごせない頭皮ケアの重要性
髪の毛が生える「畑」である頭皮も、健康でなければなりません。 頭皮のケアを怠ると、毛穴に皮脂や汚れがたまり、炎症を起こすことがあります。 研究者らは、「頭皮の健康状態が悪いと、髪の毛が抜けやすくなる」と報告しています⁸。フケや脂漏性皮膚炎が、若い世代の脱毛を引き起こす可能性もあるようです。
日々のシャンプーで優しく頭皮を洗い、清潔に保つことが、薄毛予防につながると考えられます。深夜に帰宅し疲れているからといえ、そのまま寝てしまうことは絶対に避けましょう!!
まとめ:薄毛はコントロールできる!
今回のブログで見てきたように、薄毛は遺伝だけでなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
しかし、だからこそ希望があります。遺伝という変えられない要因があっても、生活習慣、ストレス、頭皮ケアといった自分でコントロールできる要因に目を向けることで、薄毛の進行を遅らせたり、健康な髪を維持したりすることが可能です。
そこで、今回は薄毛の原因について、全体像を見ていきましたが、次回は、今回触れた「遺伝」「ホルモン」「生活習慣」「ストレス」「頭皮ケア」といった各要因が、どのくらいの強さで薄毛に影響するのかを、影響度ランキングとしてデータで深掘りしたいと思います。
「結局、何が一番大事なの?」という疑問にお答えできるよう、分かりやすく解説していきますので、ぜひお楽しみに!
<文/綱島佑介>
参考文献・出典
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」
- Healthline「Baldness Gene: How Genetics Influence Hair Loss」
- 東京大学医科学研究所「高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムの解明」
- Healthline「How Diet Affects Hair Loss」
- アデランス「睡眠不足が薄毛の原因に?睡眠と抜け毛の関係」
- 銀座総合美容クリニック「お酒を飲むと薄毛は進行する?アルコールと薄毛の関係性」
- Mayo Clinic「Stress and hair loss: Are they related?」
- International Journal of Trichology「Scalp condition impacts hair growth and retention」





