「ならば」の否定と対偶|論理命題の逆・裏・対偶をやさしく解説
公開日
2021年11月1日
更新日
2026年10月15日
この記事で扱っているのは「または」と「かつ」の否定の関係(ド・モルガンの定理)です。本文の見出しと一文で「または」が「ならば」になっていた誤りと、運転免許の視力の条件(普通免許は両眼で0.7以上かつ片眼でそれぞれ0.3以上)を直し、冒頭のポイントと末尾の表も本文の内容に合わせて改めました。
この記事の主な内容
この記事のポイント
・「AまたはB」の否定は「AでないかつBでない」になる(ド・モルガンの定理)
・同じように「AかつB」の否定は「AでないまたはBでない」になる
・例:製造業の中小企業は「資本金3億円以下 または 従業員300人以下」なので、大企業は「3億円超 かつ 300人超」
・記号だけで納得できないときは、身近な具体例に当てはめて考えるとわかりやすい
和から講師の岡崎です。
先日授業にて、次のようなご質問がありました。
なぜこんなことになるのでしょうか?
上記は「ド・モルガンの定理」を一緒に学んでいるときにいただいた非常に鋭いご質問で、これを論理式と呼ばれる式を利用して書くと次のようになります。
¬(A∪B)=(¬A)∩(¬B)
何やら怪しげな記号ばかりで、式だけ眺めていても「なぜこうなるのか」がさっぱり見えてこないですね。そこで、具体的に当てはめて考えてみましょう。
なぜ「または」と「かつ」が逆転するのか?
皆さんは、中小企業と大企業の違いをご存じでしょうか。業種により異なりますが、例えば製造業だと、
となっています。(参考:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の定義」)
では、そうすると大企業はどのような条件になるでしょうか。「総額3億円以下」「従業員数300人以下」のどちらか一方でも当てはまれば中小企業となりますから、大企業は両方の条件が必要になります。そのため、「または」という条件の否定は「かつ」になり、次のような条件となります。
他にも、普通自動車の運転免許に必要な視力は「両眼で0.7以上 かつ 片眼でそれぞれ0.3以上」です。このうち片眼ずつの条件は「右目0.3以上 かつ 左目0.3以上」ですが、その否定は「右目0.3未満 または 左目0.3未満」となります。どちらか一方が悪いと、私のようにコンタクトレンズや眼鏡が必要になります。他にも様々な「論理」が身近に使われていますので、ぜひ探してみてください。
おわりに
今回は論理に登場する「かつ」と「または」についてお話してきました。論理学や数学で抽象的な記号で表されているものに出くわしたときは、慌てず「具体的に考えるとどうなるだろう?」と考えてみてください。自分で例を挙げて説明することができれば、「他の例はどうだろうか?」「どんな時に成り立つのか?」といった深い理解につなげることができます。「もっと知りたい!」「できるようになりたい!」と思った方はぜひお気軽に和からへお越しください。
それではごきげんよう。
ド・モルガンの定理 対応表
| もとの条件 | 否定 | 本文の例 |
|---|---|---|
| AまたはB(A∪B) | AでないかつBでない(¬A∩¬B) | 中小企業(製造業):資本金3億円以下 または 従業員300人以下 → 大企業:3億円超 かつ 300人超 |
| AかつB(A∩B) | AでないまたはBでない(¬A∪¬B) | 視力:右目0.3以上 かつ 左目0.3以上 → 右目0.3未満 または 左目0.3未満 |
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