年収データ把握編-ビジネス情報収集入門①-
公開日
2025年1月25日
更新日
2025年2月23日

WAKARAのマスログ(mathlog)シリーズ
今回は、綱島佑介が送る「ビジネス情報収集」第1弾。
日本の給与所得者における年収や勤続年数、年齢など「平均」の話です。
【主な内容】
1.民間給与実態統計調査って何?
2.抑えておきたいポイントは?
3.給与階級の分布を見てみよう
4.10年前と比較してみる
5.まとめ
▷【文字で読みたい方はこちら】
➡ https://wakara.co.jp/mathlog/20220119
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情報収集の重要性
今回は ビジネス情報収集入門 シリーズの第一弾として、年収データの把握 をテーマにお話しします。
これまでにも 情報収集超入門シリーズ でディズニーを題材にしてお伝えしてきましたが、
今回はより 実用的 で、ビジネスや生活に役立つ情報 を集める方法をお届けします。
世の中には、無料で公開されているデータ がたくさんあります。
特に 日本国内 の情報は 政府機関 からも多数公開されています。
知っている人と知らない人では 大きな情報格差 が生まれますので、
生活や仕事 で有利に立ち回るためにも、情報収集力 を身につけていきましょう。
民間給与実態統計調査とは
今回取り上げるのは、国税庁 が公開している 「民間給与実態統計調査」 です。
これは、給与所得者の給料の実態 を把握するための調査で、
業種別・年齢別・性別・事業所規模別 など、様々な切り口で 給与データ を公開しています。
毎年 9月頃 に前年度分が発表されるのですが、287ページ もある膨大なデータ量です。
全てを理解するのは難しいので、重要なポイント に絞って見ていきます。
全体の平均を把握する
まずは 全体の平均 を把握することから始めましょう。
民間給与実態統計調査によると、令和2年 の 給与所得者の平均年収 は 433万円 でした。
さらに、平均年齢 は 46.8歳、平均勤続年数 は 12.4年 となっています。
正直に言うと、あまり夢のない数字 ですよね。
46.8歳 で 年収433万円 が 平均 という現実は、
「自分の今の収入は高いのか低いのか?」を考える 基準 になります。
例えば、32歳で年収600万円 を目指しているなら、
平均と比べてどれだけ上か を考え、必要なスキルや経験 を見直すことができます。
事実を客観的に把握する ことが、キャリアプラン を考える上でとても大事です。
性別・年齢別に分解してみる
平均だけでは見えてこない部分を探るために、データを分解 してみましょう。
性別、年齢、勤続年数、事業所規模 など、様々な角度から データを比較 してみると、
意外な事実が浮かび上がってきます。
例えば、性別ごとの平均年収 を見ると、
男性の平均年収 は 532万円、女性の平均年収 は 293万円 です。
この 性別による格差 をどう捉えるか、職種の違い なのか 働き方の違い なのか、
客観的なデータ を元に考察することができます。
また、年齢別 に見ることで、自分の年齢に合った目標設定 ができます。
例えば、20代後半 の平均年収は 365万円 で、30代前半 になると 437万円 になります。
この 年齢ごとの推移 を見ることで、キャリアアップの道筋 を考えることができます。
給与階級の分布を見てみる
次に、給与階級の分布 を確認してみましょう。
100万円刻み で 給与所得者数 を集計し、ヒストグラム にしてみると、
年収300万円〜500万円 に多くの人が集中していることが分かります。
また、年収600万円以上 の割合は 30.2%、
年収1000万円以上 の割合は 6.3% しかいません。
つまり、年収1000万円以上 は 100人中6人 しかいないということです。
このデータを元に、年収1000万円を目指すのがどれだけ難しいか を理解できます。
特に、若くして年収1000万円 を目指すには、
専門的なスキル や 高い実績 が必要であることが見えてきます。
10年前と比較してみる
次に、10年前 と 現在 を比較してみましょう。
データを 令和2年 と 平成23年 で比較すると、
人数 では 令和2年の方が全体的に増加 していますが、
割合 で見ると、年収500万円以下 の割合が減少し、年収600万円以上 が増加しています。
これは、高収入層が増えている 一方で、低収入層が減っている ことを示しています。
このように、割合 と 人数 を両方確認することで、正しい解釈 ができます。
情報を読み解く力を身につける
今回紹介した 民間給与実態統計調査 は、ネットで無料 で閲覧できます。
公式データを元に 自分で 表やグラフ を作成し、
平均 だけでなく 分布や割合 を確認することで、
データを多角的に読み解く力 を養うことができます。
これを繰り返すことで、数字に強くなる だけでなく、
キャリア設計 や ビジネス戦略 を考える上での 洞察力 が磨かれます。
次回予告
次回は、民間給与実態統計調査 を使って、
業種別 や 地域別 の年収データを掘り下げてみたいと思います。
自分の働く業界 の 給与水準 を知ることで、
転職やキャリアアップ に役立つ情報をお届けします。
次回もぜひお楽しみに。