第3回|「今月も厳しいですね…」で終わる会議を終わらせる方法:会議を変えるデータドリブン
公開日
2026年1月18日
更新日
2026年1月27日
この記事の主な内容
はじめに:日本企業の“感想会議”はなぜなくならないのか?
多くの日本企業に共通する会議の特徴があります。
・数字は出るが“眺めるだけ”
・参加者の発言が「感想」や「現場は大変」で終わる
・結局、何も決まらない
・最後は上司の気合い論で締まる
これらが生まれる理由はシンプルです。
「数字を見る順番」と「見るべき数字」が決まっていないから。
今回のテーマは、会議を“話し合いの場”から“意思決定の場”に変えるデータドリブン。
実際の現場で起きている実例から解説します。
1|実例:よくある“感想会議”とその問題点
● 実例1:売上会議が毎月同じ内容になる
典型的な売上会議では、こんな会話がよく起こります。
上司:
今月も厳しいですね…頑張りましょう。
現場:
はい…(何を頑張ればいいの?)
数字は出ているのに、なぜ何も決まらないのか?
● 原因:数字の“分解”がなく、全体しか見ていない
売上だけを見ても、改善ポイントは分かりません。
必要なのは、次のような視点です。
・新規 / 既存のどちらが落ちている?
・商品ごとに見ると?
・地域や担当者別では?
・解約は増えている?
つまり、
「全体数字」だけでは、何を直せばいいか分からない。
これが、会議が前に進まない最大の原因です。
2|実例:感想大会を終わらせた“3つの数字ルール”
ある企業では、会議が毎回「現場は大変」「案件が足りない」「在庫が…」という“感想大会”でした。
そこで導入したのが、次のルールです。
● ルール1:会議の前に“3つの数字”を必ず持ってくる
参加者全員が、以下の数字を事前に準備します。
・前月比(伸びた?落ちた?)
・内訳(誰が?どこが?何が?)
・要因(なぜ?)
この3つが揃うと、会議での発言が一気に変わります。
● ルール2:感想は禁止、“事実”から話す
感情ではなく、数字と事実からスタートします。
NG例:
今月もしんどかったです。
OK例:
今月の成約率は先月より5pt下がりました。理由は◯◯です。
● ルール3:会議の最後に“決めること”を1つに絞る
例:
・A施策は継続する
・来月は◯◯の数字を改善する
・◯◯チームに追加リソースを入れる
など、会議の出口を必ず作ります。
その結果、
「何も決まらない会議」が消え、意思決定のスピードが劇的に上がります。
3|会議をデータドリブンにする“数字の見る順番”
会議は「数字を見る順番」を決めるだけで劇的に変わります。
次のフローで議論すると、自然と“原因 → 打ち手”につながります。
● ステップ1:全体数字を見る
例:
・売上
・問い合わせ件数
・顧客満足度
ここでは「良い/悪い」程度の評価でOKです。
● ステップ2:内訳を見る(分解)
例:
・新規/既存
・商品別
・担当者別
・地域別
ここで初めて「どこが問題か」が見えてきます。
● ステップ3:原因(要因)を見る
例:
・商談数が減少?
・新規リードの質が低下?
・クレーム急増?
・特定商品だけ売れない?
数字は必ず“理由”を持っています。
● ステップ4:次の一手を1つ決める
例:
・来月は既存顧客のフォローを強化
・新規リードの質改善
・売れていない商品の棚卸し
このステップがあることで、会議が“未来”につながります。
4|会議資料を劇的に改善する「3つのチェックポイント」
会議資料を作る際に確認するポイントは実はシンプルです。
● チェック1:比較があるか?
・前年比
・前月比
・計画比
比較がない資料は“ただの数字の羅列”になります。
● チェック2:内訳があるか?
内訳があると「どこが問題か」が一発で分かります。
● チェック3:仮説が添えてあるか?
数字だけでは不十分です。
例:
・成約率低下 → 新規リードの精度が低い?
・問い合わせ減少 → 広告の表示回数が減った?
仮説があると議論が“深く”なります。
5|まとめ:会議は“数字で話す場”に変えられる
最後に、会議をデータドリブンにする本質を一言でまとめます。
会議の目的は“話すこと”ではなく、“決めること”である。
データドリブンとは、難しい分析をすることではありません。
数字と事実をもとに、会議の質とスピードを上げるための“仕組み”です。
次回予告:部下育成で使えるデータドリブン
次回は、
「“報告が弱い部下”は存在しない:上司の問いで変わるデータ思考」
を実例とともに紹介します。





