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髪の毛統計学-第3回:薄毛はいつから?「データ」が教える薄毛進行のリアル

公開日

2025年9月16日

更新日

2025年9月3日

こんにちは!「髪の毛統計学」へようこそ。原因、要因ときて、今回は「いつ」をテーマに、データから薄毛の現状を捉え、現状認識の一助になればと思います。薄毛の悩みが尽きない理由は、その原因や対策が複雑で、巷にあふれる情報が玉石混淆だからではないでしょうか?「髪の毛統計学」では、科学的なデータや統計に基づき、薄毛の「なぜ?」を解き明かし、皆さんに薄毛に関するデータ的知見と「将来、薄くなるかも?」という方への安心を提供できればと思っています。

この記事のデータはChatGPTの「Deep Research」(詳細なリサーチ)を使って調査した内容を基にしています。

薄毛って結局、いつから始まるの?

最近、SNSなどで「20代で薄毛に悩んでいる」といった投稿をよく見かけませんか?特に、リモートワークの普及で画面越しに自分の頭頂部を見る機会が増え、急に薄毛に気づく方も多いと聞きます。

「自分はまだ大丈夫だろう」
「薄毛はもっと年配になってからの悩みでしょ?」

そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、薄毛は年齢に関係なく、意外と早くから始まっている可能性が高いです。今回は、その「薄毛の始まり」と「進行のスピード」について、データでひも解いていきたいと思います。

男女で違う、薄毛になるタイミング

薄毛と聞くと、男性特有の悩みだと考える方が多いですが、女性も決して無関係ではありません。しかし、薄毛のタイプである男性型脱毛症(AGA)と女性型脱毛症(FAGA)では、発症する年齢や進行の仕方、そして髪の減り方にも大きな違いがあるそうです。

たとえば、男性は額の生え際から後退したり、頭頂部が薄くなったりと、薄毛が局所的に現れることが多いです。一方、女性の場合は、生え際は保たれたまま、頭頂部の髪全体が薄くなる傾向があります。これは、ホルモンや遺伝的な要因がそれぞれ違う影響を与えているためだと考えられます。

男性の発症年齢と有病率

男性の場合、思春期以降なら何歳でも薄毛が始まる可能性がありますが、特に20代後半から30代で発症する人が多いです。

  • 21歳までに約25%の男性が薄毛の兆候を示し始めます。
  • 50歳までには約半数の男性が顕著な薄毛に悩んでいるという統計があります。

高齢になるほどその割合は高まり、80代にもなるとほぼすべての男性に薄毛が見られるというデータもあります。

女性の発症年齢と有病率

一方、女性の薄毛は男性よりも発症年齢が遅い傾向があります。

  • 30代以降にゆっくりと進行し始めることが多いです。
  • 閉経前後の40〜50代で症状に気づくケースが増加します。

49歳までには約25%、69歳までには約41%が薄毛を経験し、79歳までには半数以上が薄毛の症状を示します。

男女の有病率を比べてみると、男性は若い頃から割合が急増するのに対し、女性は男性より発症開始が遅く、進行も緩やかであることがわかります。

年齢 男性: 薄毛になる割合 女性: 薄毛になる割合
~30歳頃 約20~25% 約6~12%
50歳 約50% 約25%
70歳 約80% 約40%
80歳 ほぼ100% 50%以上
図1: 年齢別にみた男女別脱毛症有病率の推移

髪はどのくらいのスピードで減っていく?

「最近、急に薄くなった気がする…」と感じる方もいるかもしれませんが、薄毛の進行は通常とてもゆっくりです。

男性の進行スピード

男性型脱毛症(AGA)では、進行度合いを示すノーウッド分類(I~VII段階)で、最終段階まで進行するのに平均15〜25年ほどかかるのが一般的のようです。

これは、例えば20歳で薄毛の兆候が見え始めたとしても、放置してもすぐに髪がなくなるわけではないということを意味します。ただし、進行が早い人では5年以内にほぼ薄くなってしまうケースもあるようです。ある研究では、AGAの男性は平均して年間に髪の密度の約5%ずつを失っていくペースだとされています。

女性の進行スピード

女性の薄毛は、男性に比べて進行がより緩やかで、長期間かけて少しずつ薄くなっていきます。男性のように完全に毛がなくなることは稀で、生え際(前髪のライン)は保たれつつ、頭頂部の髪が全体的に細くなるパターンが多いです。

データが教える「薄毛加速」の要因

薄毛の進行スピードには、遺伝的要因以外にも、以下のような生活習慣が大きく影響します。

要因 科学的根拠
喫煙 タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させ、頭皮への血流を悪化させます。ある研究では、喫煙者の約85%に何らかの薄毛が見られたのに対し、非喫煙者では40%に留まったという結果が報告されています。
ストレス 慢性的なストレスは、ストレスホルモン「コルチゾール」を過剰に分泌させ、髪の成長期を短縮させる可能性があると考えられています。
栄養バランスの偏り 髪の主成分であるタンパク質や、その生成に必要な亜鉛・鉄分などの不足は、健康な髪の維持を難しくします。特に高脂肪食は、毛包に炎症や酸化ストレスを引き起こすことが研究で示されています。
睡眠不足 髪の成長に不可欠な成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。睡眠不足は血行不良も招き、髪の成長に影響を与えると考えられます。

薄毛の進行は、遺伝という土台の上に、これらの生活習慣が積み重なって加速するものだと理解することが重要です。

結論:薄毛は「早期発見のチャンス」

薄毛の進行スピードや発症年齢のデータを客観的に見ると、薄毛は「不可避な宿命」ではなく、「対策を講じる猶予期間がある状態」だとわかります。

  • 男性は進行が比較的早いので、初期の兆候に気づいたら早めの対策が必要です。
  • 女性は進行が緩やかなので、落ち着いて生活習慣を見直す時間があります。

どちらの場合も、抜け毛が増えたり、髪が細くなったりといった初期のサインを「早期発見のチャンス」と捉えることが、薄毛を気にしないための第一歩になると考えられます。

次回は、いよいよ具体的な「薄毛の対策法」について、科学的根拠に基づいてお話したいと思います。

<文/綱島佑介>

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