原因と結果の思考法入門 Step1-効果測定法 層別解析編-講義抜粋
公開日
2024年12月11日
更新日
2025年1月19日

和から株式会社主催「原因と結果の思考法入門 Step1-効果測定法 層別解析編-」講義抜粋です。
すべての社会人の方を対象に、因果関係の正しい読み方、分析方法を学べるセミナーです。
◎詳細・開催日程はこちら→https://wakara.co.jp/course/7831
因果関係の把握の重要性
因果関係を把握することがなぜ必要かというと、世の中の現象をコントロールするために、原因と結果の関係性を理解することが不可欠だからです。例えば、広告を出せば売上が増えるとすれば、どれくらいの広告費をかければ売上がどのように変化するのかを予測し、コントロールできるようになります。因果推論を行う目的は、結果をコントロールするために原因を明確にすることです。この考え方を基に、実際にどう実践していくかを考えていきましょう。
因果関係と相関関係
因果関係と相関関係の違いを理解することが重要です。世の中には因果関係と相関関係を混同している記事も多く、例えば「親の料理を食べる習慣が少ないことが、凶悪少年犯罪の増加に関係している」というようなものもあります。相関関係が見えるだけでは因果関係があるとは限らないので、データの裏にある真実を見極めるために常に疑問を持つことが大切です。
因果関係の把握の手法
例えば「サプリを飲むと痩せる」といった因果関係を確かめたい場合、この関係性をテストするためにはどのようにデータを扱うべきかを考えなければなりません。サプリを飲んだグループと飲まないグループで体重の変化を比較する場合、まず「ダイエット意識が高い人たち」と「低い人たち」を区別し、それぞれのグループ間で比較を行います。グループを細かく分けることで、比較できるようになります。
層別解析の実践
例えば、サプリを飲んだグループと飲まないグループを比べたい場合、ダイエット意識の違いが結果に影響を与える可能性があります。このため、ダイエット意識を基にグループを細かく分けることで、因果関係を見やすくします。これを層別解析と言います。ダイエット意識が高いグループと低いグループを分けることで、それぞれのサプリを飲んだ場合の体重変化を比較しやすくするのです。
実際のデータ分析
データを見てみましょう。体重の変化を記録したデータには、サプリを使用しているかどうか、そして体重の変化量が記録されています。このデータを基に、サプリを使用しているグループと使用していないグループの平均値を比較し、因果関係を明確にしていきます。その際に、ダイエット意識の高低も考慮し、グループを分けることで比較可能な状態を作り出します。
このように、因果関係を明確にするためにはデータの整理と層別解析が非常に有効です。次回は、さらに具体的な分析方法について詳しくご紹介しますので、お楽しみに!