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【マスログ】感銘を受けた数学「三平方の定理の美しき証明たち」

公開日

2025年3月17日

更新日

2025年4月13日

 

 

【マスログ】感銘を受けた数学「三平方の定理の美しき証明たち」

皆さんこんにちは。今回は、数学の中でもとくに美しい定理として知られる「三平方の定理」について、その魅力を証明の数々を通してご紹介していきたいと思います。

 

三平方の定理とは

三平方の定理、別名ピタゴラスの定理は、直角三角形の一番長い辺、すなわち斜辺の長さを他の2辺から求めることができる公式です。中学・高校と何度も目にするこの定理ですが、皆さんはこの定理を自分で証明することができるでしょうか?

今回は、そんな三平方の定理のさまざまな証明法をじっくりと見ていきます!

 

ポピュラーな面積による証明

まずは最も有名な証明からです。直角三角形ABCを用意し、辺の長さをa、b、そして斜辺をcとします。この三角形を4つ用意して、大きな正方形を作るように並べてみましょう。すると内側にも小さな正方形が生まれます。

この内側の正方形の面積は、2通りの方法で表現できます。一つは単純に「一辺がcの正方形」であることから、面積はc²。そしてもう一つは、外側の大きな正方形((a + b)²)から、4つの直角三角形(各面積が½ab)を引く方法です。

式にしてみると:(a + b)² – 4 × (½ab) = a² + b²。これがc²と等しいため、三平方の定理 a² + b² = c² が成立します!まさにシンプルかつ美しい証明です。

 

幾何学的な「方冪の定理」を活用する証明

次は「方冪の定理(ほうべきのていり)」を使った証明です。これは、ある円と2つの直線が交わるときの長さの関係を利用する定理です。

三角形ABCを用意し、頂点Aを中心として半径bの円を描きます。この円は当然、頂点Cを通ります。そして直線ABと円の交点をそれぞれD、Eとします。

このとき、BD = c – b、BE = c + b。方冪の定理より、(c – b)(c + b) = c² – b² = a²。これで見事、a² + b² = c² の形が導き出されました!なんとも見事な展開ですね。

 

ダ・ヴィンチ流!?芸術的な証明

次にご紹介するのは、なんとレオナルド・ダ・ヴィンチによるものとも言われているアーティスティックな証明法です。

直角三角形の2辺a、bを使って正方形を2つ作り、それらを線でつないで六角形を形成します。六角形を2つの三角形に分け、片方を反転して組み合わせると、なんと原点対称の図形が完成し、その面積比較によって三平方の定理が導けてしまいます。

言葉にするよりも図で見ると一目瞭然!視覚的な納得感のある、まさに“美しさ”を感じる証明です。

 

パズルのような無言の証明

ここでは、言葉を使わない「図形だけの証明」にも触れておきます。紙を使って、三角形や正方形をパズルのように並べ替えていくだけで、a² + b² = c² の関係が自然と現れてくるのです。

図だけで証明が完了するこの手法は、非常にクールでスタイリッシュ。数学が芸術に近いと言われる理由が、ここにあるのかもしれません!

 

究極の相似を使った証明

最後にご紹介するのは、「斜辺に垂線を下ろすだけ」という、まさに究極にシンプルな証明です。

三角形ABCにおいて、頂点Cから斜辺ABに垂線を下ろし、その足をHとします。このとき、三角形ABC、ACH、CBHの3つはすべて相似となります。

それぞれの相似比から面積比に着目すると、c² : a² : b² の関係が導けます。これがそのまま a² + b² = c² を意味するのです。なんとも鮮やかな証明ですよね!

 

おわりに

いかがでしたか?三平方の定理はただの公式ではなく、長い歴史と多彩な証明法をもつ、美しい数学の宝石のような存在です。今回ご紹介したもの以外にも、まだまだ多くの証明法が存在します。

このような数学の奥深さを知ることで、デザインやアートにも通じる「美」の感性が育まれるかもしれません。弊社ではデザインやアートにまつわる無料セミナーも開催していますので、興味のある方はぜひご参加ください!

それでは、次回の【マスログ】もどうぞお楽しみに!

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