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【マスログ】アルキメデスの功績に学ぶ~浮力編~

公開日

2025年2月26日

更新日

2025年4月10日

【マスログ】アルキメデスの功績に学ぶ~浮力編~

こんにちは。今回は前回ご紹介したアルキメデスの功績の中でも「浮力」に注目してみたいと思います。日常の中でも感じることがあるけれど、意外とその正体を知らない「浮力」。この記事ではその不思議な性質に迫りながら、アルキメデスの発見「アルキメデスの原理」にも触れていきます。後半では、身近な現象の中に潜む浮力についても考えてみますので、ぜひ最後までお楽しみください!

 

浮力の正体とは?

まず、浮力の正体について考えてみましょう。そもそも私たちが暮らしている地球には重力がありますので、通常どんな物体も自然に下へ落ちていくのが当たり前です。ところが、水の中では物体が浮いたり沈んだりしますよね。これは、液体の中にだけ存在する“特別な力”が働いているからです。この力こそが「浮力」です。

では、この浮力の大きさは何で決まるのでしょうか?最初は私も「物体の密度」で決まるのではと思っていました。でも、よく考えるとそれでは説明できない現象がいくつもあるのです。たとえば、鉄でできた重いボールは沈むのに、同じく鉄でできている大きな船はなぜか浮かびますよね。この違いから分かるように、浮力に影響を与えるのは“密度”ではなく“体積”なのだということが見えてきます。

 

アルキメデスの原理

この疑問に明快な答えを出してくれたのが、古代ギリシャの大天才アルキメデスです。彼が発見したのは、「物体が押しのけた水の重さと同じ分だけの力を上向きに受ける」という法則。これが「アルキメデスの原理」です。

少しわかりにくいので、具体例で考えてみましょう。鉄のボールを水槽に沈めると、少しだけ水位が上がりますよね。これは、鉄のボールが“水を押しのけた”からです。そしてその押しのけられた水が本来受けていた重力が、そのまま“上向きの力”としてボールに返ってくる。これが浮力です。

では、なぜ鉄の船は浮かぶのか?それは、船の中が空洞になっているために押しのける水の体積が大きくなるからです。その結果、大きな浮力が働いて、重い船体でも水に浮くことができるのです。

 

身近な浮力の例を見てみよう

浮力の原理は、実は私たちの身近なところにもたくさん存在しています。たとえば、お風呂の中でフローケ(洗面器)を沈めようとしたとき、水が入っていないものは沈めるのに力が必要ですが、水が入っているものはあっさり沈みますよね。これは、空洞のあるフローケはたくさんの水を押しのけるため、それに比例して大きな浮力が働くからなんです。一方で、水が入っていると重くなり、浮力を上回る重力が働くため沈むというわけです。

もう一つわかりやすい例が、人間の体。息を吸うと水に浮かび、息を吐くと沈むという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。これは、息を吸ったことで肺が膨らみ、体の体積が増えるため押しのける水の量も増え、それに応じて浮力も強くなるためです。

 

浮力は液体の重さにも関係している

浮力は押しのけた水の体積だけでなく、その水自体の重さにも関係しています。たとえば、ヨーロッパの死海と呼ばれる海は、塩分濃度が高いため普通の海よりも水が“重い”です。その結果、死海では人間が簡単に浮くことができるという現象が起こります。これはまさに、水の密度が高いほど浮力が強くなるということの証明ですね。

 

氷が水に浮く理由

最後に、氷が水に浮かぶ理由についても考えてみましょう。氷は水が凍ったものです。通常、物質は固体になると体積が減るので、水になったときより押しのける液体の量が少なくなり、浮きにくくなるはずですよね。

ところが、水は特別で、凍ると体積が「増える」という性質を持っています。だからこそ、氷は水よりも大きな体積で押しのける水の量が増え、結果として強い浮力を受けて水に浮かぶことができるのです。ペットボトルに「凍らせないでください」と書かれている理由も、この性質によるものですね。

 

まとめとちょっとした疑問

ここまで浮力について見てきましたが、私が書きながらふと思ったことがあります。それは「もし水銀の風呂があったら、人はその上を歩けるのか?」という疑問です。水銀は非常に重い液体なので、きっとすごく強い浮力が働くのではないかと思います。興味がある方は、ぜひ調べてみてくださいね!

ということで今回は、アルキメデスの功績から学ぶ「浮力」についてお話ししてきました。次回のマスログもどうぞお楽しみに!

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