【マスログ】同じ誕生日の組がいる確率を違う視点で見てみる
公開日
2025年3月4日
更新日
2025年4月10日

【マスログ】同じ誕生日の組がいる確率を違う視点で見てみる
こんにちは。前回のマスログでは「クラスに同じ誕生日の人がいる確率」を取り上げ、その結果なんと約89%という驚きの数字が出ました。今回はその続編として、この確率をもう少し深く、そして違う視点から見ていこうと思います。数学の話なのに「感覚的に理解できる!」そんな瞬間があったら嬉しいですね!
50%の確率で誕生日がかぶるのは何人目?
今回まず考えるのは、「何人いれば、50%の確率で同じ誕生日の人がいるのか?」という逆の問いです。
前回は「40人のクラスで同じ誕生日の組がいる確率」を求めました。そのときは「誰も誕生日が重ならない確率(余事象)」を求めて、1から引くという考え方でしたよね。
今回も同じアプローチで、人数をN人とおき、同じ誕生日の組が一組もいない確率が50%を下回るような最小のNを探しました。その結果、N=23人のときにその確率が初めて50%を切るという結果になったのです。
つまり、たった23人で、50%以上の確率で誕生日がかぶる組がいるということ!数字だけ見ると、やっぱり不思議な気がしますよね。
ガチャと確率の関係を考えてみる
ここで少し話題を変えて、「ガチャ」に関する確率を考えてみましょう。
最近のスマホゲームでは、1%や2%といった確率でレアキャラが出るガチャがあります。そこでよく思い浮かぶのが、「1%なら100回引けば当たるよね?」という考え。でも、これはちょっと早とちりかもしれません。
実際には、100回引いても当たらない確率は「(1 – 0.01)の100乗」で計算できます。これを計算すると、だいたい0.366。つまり、100回引いても当たらない確率は約36.6%もあるんです!
逆に言うと、当たる確率は66.4%。思ったより低いと思いませんか?
ちなみに、「90%の確率で当たるには何回引けばいいか?」という問いの答えは約230回。直感的な「100回」の約2倍の回数が必要になります。
この「直感の2倍」くらいが目安、というのは今後いろんな確率の場面で活きてくるかもしれません。
誕生日の確率を“比較回数”でとらえてみよう
ここでもう一度、誕生日の話に戻ってみましょう。
40人のクラスがあったとき、その中から2人組を選ぶ方法は何通りあるか? これは組み合わせの計算で、40C2 = 780通りになります。
つまり、クラスの中で誕生日を比較できるペアが780通りあるということ。誕生日は365種類なので、その365通りの中に、780回も比較する機会があると考えると……誕生日がかぶる組がいてもおかしくない気がしてきますよね!
これが、確率89%という結果につながる背景なんです。視点を「人数」から「比較の回数」に変えてみることで、直感ではわかりづらかった確率が、ちょっとだけ納得しやすくなるのではないでしょうか。
まとめ:確率はイメージでも捉えられる!
今回は、「同じ誕生日の人がいる確率」をもう一歩掘り下げて、人数ではなく比較回数の視点から見てみました。そしてガチャの確率との関連からも、「当たりやすい」「当たりにくい」といった感覚を少しずつ数式で理解できるようになってきたかもしれません。
こういった確率の考え方は、今後のデータ分析や推測統計にもつながっていきます。私たち和からでも、確率を使った推測統計学のセミナーをご用意していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね!
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それではまた次回のマスログでお会いしましょう!