【ロマ数トレラン】量子コンピュータを理解するための『量子論』を学ぶ
公開日
2014年7月13日
更新日
2026年4月6日
量子コンピュータの理解に必要な量子論の基礎を学ぶ講座です。量子力学の基本概念である重ね合わせ・エンタングルメント・量子ゲートなどを、数式を最小限にしながらわかりやすく解説します。量子コンピュータに興味があるが物理の知識がない方が、量子論の基礎を理解し技術の本質をつかめる状態を目指します。
量子コンピュータ (広くは量子情報理論) は情報の担い手として量子系を利用する情報科学です. 量子系とはミクロな世界の物理系のことです.
20世紀始めの四半世紀の間に,ミクロの世界に関する私たちの理解は根本的な変化を遂げました. そしてこのミクロの世界の物理を記述する理論として量子論が誕生しました.
ミクロの世界では日常のスケールでは経験しないような不思議な現象が起きています. そのため記述方法としての量子論は不完全なものではないかと思われてきました. 例えば一昨年のノーベル物理学賞の受賞対象となった量子もつれは, 当初から量子力学の根幹にかかわる問題と認識されていました. これが量子力学的な系が持つ特徴であることが実験的に確認されると, 基礎的な研究対象から実用的な対象へとパラダイムシフトを起こし, この量子もつれを積極的に利用することで, テレポーションや超高速の計算機など新しい情報処理が可能になりました.
このように量子コンピュータでは量子効果を直接利用するため, 量子論の理解は不可欠です. そこでは「どのような状態や測定が実現できるか」や「どのような時間変化が実現できるか」というような量子力学の基本的な性質を操作(測定)する立場から学ぶことが必要です. 幸いにもこの量子論の基礎的部分に関しては比較的簡単な線形代数で記述されます.
今回のトレランは量子力学基礎編,発展編の2期に分けて実施します. 基礎編は初学者を対象としたセミナーとして, 量子力学の基礎をちゃんと理解し, 発展編はその知識を前提として, 量子コンピュータを理解するのに必要な量子測定, 量子ビット及びその合成系の操作に必要な量子操作を理解することに目標にして以下の順に学びますます.
∞セミナー形式∞
テキストを一緒に読み進めていきます. 基本的にはテキストの内容を解説,および参加者との対話で進めたいと思います. テキスト中の数式はすべてフォローし, 練習問題は全て解くことを目標とします.
基礎編10回, 発展編10回という時間制約上,予定通りの進捗完了を保証するものではありません.
よくある質問(FAQ)
Q. 量子コンピュータとは何ですか?
量子コンピュータとは、量子力学の原理を利用して計算を行う次世代のコンピュータです。従来のコンピュータが0と1のビットで処理するのに対し、量子コンピュータは重ね合わせやエンタングルメントという量子特有の性質を活かして、特定の問題を飛躍的に高速に解くことが期待されています。
Q. 物理や数学の知識がなくても受講できますか?
はい、数式を最小限にしながらわかりやすく解説する講座です。量子論の基本概念を直感的に理解できるよう構成されていますので、物理の前提知識がない方でも受講いただけます。
Q. 重ね合わせとは何ですか?
重ね合わせとは、量子の世界で粒子が複数の状態を同時に持てるという性質です。従来のビットが0か1のどちらかなのに対し、量子ビットは0と1を同時に持つことができ、これが量子コンピュータの並列処理能力の源になっています。
Q. エンタングルメント(量子もつれ)とは何ですか?
エンタングルメントとは、2つ以上の量子が離れていても互いに強い相関を持つ現象です。一方の量子の状態を測定すると、もう一方の状態も瞬時に決まります。量子コンピュータではこの性質を利用して複雑な計算を効率的に行います。
Q. 量子コンピュータは実用化されていますか?
現在は研究開発段階ですが、一部の企業や研究機関ではクラウド経由で量子コンピュータを利用できるサービスが提供されています。暗号解読、新薬開発、材料シミュレーションなどの分野で実用化が期待されています。
Q. この講座は「ロマ数トレラン」シリーズですか?
はい、和からの「ロマ数トレラン」は、ロマンあふれる数学のトピックを楽しみながら学ぶシリーズです。本講座では量子論という最先端のテーマを、数学的な視点からわかりやすく紐解いていきます。
受講対象
これから量子コンピュータを学んでみたい方を対象にします. 量子力学の知識を前提としないため、文系の方の参加も歓迎します. ベクトル和、スカラー倍と行列の掛け算など、線形代数の基礎的な知識があることが望ましいですが, テキストにて補充が可能です.
セミナー内容
・量子力学基礎編
第1回 基本的枠組み 量子論と古典論との比較
第2回 閉じた有限自由度系の純粋状態 基本的考え方, 要請(公理) 抽象的な量による記述, 要請1 量子状態, 要請2 演算子, 可観測量, 固有値
第3回 要請2 演算子, 可観測量, 固有値 (続き), 正規直交完全系と波動関数
第4回 ブラケット, 射影演算子, スペクトル分解
第5回 ボルンの確率規則 (離散的), 要請3 期待値, 状態の重ね合わせ
第6回 ゆらぎ, 不確定性原理 測定直後の状態, 要請5 射影仮説,
第7回 時間発展について ハイゼンベルグ表現について
第8回 合成系の記述方法
第9回 ベルの不等式, ベルの不等式の破れ
第10回 調整
・発展編
第1回 二準位の量子力学 量子状態の行列表現 ブロッホ表現
第2回 空間回転としてのユニタリ行列 量子状態の線形重ね合わせ 量子ビット 確率混合
第3回 N準位系
第4回 合成系の量子力学 テンソル積
第5回 物理量の相関と量子もつれ
第6回 量子操作と時間発展 シュタイン・スプリング表現
第7回 量子測定
第8回 量子情報物理学
第9回 調整
第10回 調整
セミナーの様子
セミナー基本構成
※内容によっては授業内に演習時間を含める場合がございます
本編受講希望者の方向けの注意事項
・通信トラブル等が発生した時に、講師、受講生で円滑に連絡を取り合えるようLINEグループを作成します。LINEグループへの参加は必須とさせていただきますので、予めご了承ください。
・オンラインセミナー受講の際に必要となるパソコン、タブレットまたはスマホ等の通信機器、およびWiFi等のインターネット接続サービスは受講生ご自身でご準備いただきます。
・Apple Pencilなどのスタイラスペンやペンタブなど、画面にペンによる書き込み、描画を行える環境をご準備いただくことを推奨いたします。
・欠席者には録画動画だけでなく、セミナーで使用する配布資料(pdfファイルやurl等)も出席者同様配布いたします。
※開催回ごとに多少構成が変わることがあります。
お持ち物と注意事項
料金
定員
特定商取引法に基づく表示
セミナー監修
本田耕一郎(ほんだ こういちろう)
<講師略歴>
1951年 兵庫生まれ。
1974年 東京工業大学理学部卒業 ,1976年東北大学大学院理学研究科修了
専攻は物性理論 ランダム系の電子状態に関する研究を行った.
大学院修了後,電機メーカーの研究所にて半導体物性の研究,その後半導体LSIの開発研究に従事. 東北大学理学修士, 東京工業大学工学博士
数学塾「和」講師
国立大学客員教授, 私立大学非常勤講師など.
担当講師
※日程により一部講師が変わる事があります。
会場とスケジュール
本編(有料)
オンライン教室[発展編]
第01回 2025年2月8日(土) 13:00~15:30
第02回 2025年2月22日(土) 13:00~15:30
第03回 2025年3月08日(土) 13:00~15:30
第04回 2025年3月22日(土) 13:00~15:30
第05回 2025年4月05日(土) 13:00~15:30
第06回 2025年4月19日(土) 13:00~15:30
第07回 2025年5月03日(土) 13:00~15:30
第08回 2025年5月17日(土) 13:00~15:30
第09回 2025年5月31日(土) 13:00~15:30
第10回 2025年6月14日(土) 13:00~15:30
※最小履行人数は4名となります。最小履行人数に満たない場合、非開催となり、料金は返金させていただきます。開催有無は第一回ゼミの7日前に確定となります。
※ガイダンス回翌日18:00時点での申込数が定員を超えている場合は、抽選にて参加者を決定させていただきます。予めご了承ください。
※本編お申し込みの方にはご入金方法をメールでご連絡いたします。



