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2018/10/07

MATH POWER 2018 開催報告レポート ~1日目~

数学好きによる数学好きのための数学の祭典「MATH POWER 2018」を開催しました!毎年10月の恒例となりつつある本イベントは、2016年から始まり今年で3回目となります。32時間ぶっ通しのイベントです!32時間分、レポートします!

MATH POWER 2018とは

「MATH POWER 2018」は、「数学の楽しみ」や「数学と社会の関わり」とは何かを一緒に考えようという意図で企画されたイベントです。主催するのは、株式会社ドワンゴが運営するエンジニア業界発展のための出版ブランド「アスキードワンゴ」さん、新宿で数学・統計教室を展開する「株式会社すうがくぶんか」さん、そして和から株式会社の3社です。10月6日正午から翌7日20時まで、夜通しの32時間ぶち抜きで、数学で有名な著名人、大学教授らによる講演や、32時間耐久のチャレンジ企画、お笑い企画など様々なコンテンツをお届けしています。

会場はニコニコ動画の聖地ニコファーレ(東京、六本木)で、今年もニコニコ生放送されました。会場を覆う360度のモニターにはリアルタイムでコメントが流れ、近未来的な空間に気分が高揚します。

1日目の企画を順に見ていきましょう!

オープニング 12:00~

美しいレムニスケートとトーラスのムービーで、MATH POWER 2018がスタートしました!今年もよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の現役高校数学教師タカタ先生が総合司会進行を務めます。主催者から1人ずつ登壇しての挨拶からスタート。これから32時間、頑張っていきます!

耐久企画1 再挑戦!円周率を求めよ!」 12:00~

32時間ぶっ通しの耐久企画の1つめは、そろばん、紙、ペンしか使用が許されない円周率の計算です。1年目のMATH POWERでも挑戦しましたが、小数点以下100桁を目標にしたものの計算ミスにより無念の18桁止まり。今年は再挑戦という事で再度小数点以下100桁を目指します。

耐久企画2 最大のマルチナンプレ・パズル ギネス世界記録に挑戦! 12:00~

昨年のMATH POWERでは247合体の巨大ナンプレに挑戦し、惜しくもマスパワー時間内に解き切ることができませんでした。ギネスの世界記録が200合体という事で、今年はギネスに申請し再挑戦をします。しかしなぜか今年は280合体のナンプレ!果たして時間内に解き切れるでしょうか。

対談 インテジャーズ イン 仮面ライダービルド 12:30~

数を愛するせきゅーんさん、辻順平さんコンビが仮面ライダービルドの話数(3~49)に出てくる数式の背景を紹介しました。数を愛する2人は49までの数では物足りず、せきゅーんさんは鈴木の定理に関係する105を、辻順平さんは非正則素数の一つである691をおまけで紹介しました。息のあった二人のほほえましいやり取りがとても素敵でした。

講演 仮面ライダービルドの物理学 14:00~

仮面ライダービルドの話数に出てくる数式のアドバイスをされている物理学者の白石直人先生が、同じく仮面ライダービルドの敵の秘密基地の黒板に書かれた物理法則の数式について解説しました。ストーリーに沿って、同期現象、流体力学から量子論、宇宙論、果ては物理法則を超える新世界の話題までを「なくした靴下」、「宇宙検閲官」など非常にわかりやすい例を用いて説明しました。

講演 レムニスケートから楕円関数へ 15:30~

すうがくぶんかの梅崎直也先生が今回の円周率計算の耐久企画で用いる数式の解説をしました。レムニスケート積分、楕円積分、虚数乗法、アーベルの定理など19世紀以降の数学を用いて円周率の計算をします。

意欲的な中高生に贈る数学の話題~数理空間トポスより~ 16:00~

数理空間トポスでは、意欲的な中高生が高度な数学を学ぶことができます。トポスでチューターを務める中澤俊彦さん、梅崎直也さん、顧問を務める東京工業大学教授の加藤文元先生の3名がそれぞれ中高生向けに数学の話題をプレゼンしました。楕円曲線、BSD予想、合同数。全部楕円曲線と密接な関係があります。最後に加藤先生より「3が合同数でないことの初等的な証明を見つけよ」という宿題が出されました。

ビブリオマテマティカ 数学に目覚めるための数学書 17:30~

朝倉書店、共立出版、日本評論社、丸善出版という名だたる数学書の出版社の担当による「数学に目覚めるための数学書」をテーマにビブリオバトルが開かれました。数学に目覚めるとは何かといった哲学的なプレゼンや、数学に目覚める代表的なパターンを紙芝居形式で紹介する等、個性が光るビブリオバトルになりました。出版社と聞くと文系というイメージがありますが、どの担当者も数学に愛を持っておられて、数学がこれからも持続していくようにもっと数学書を買おうと思いました。

ビジュマス! ~見る数学~ 19:00~

数学的対象や定理などをビジュアライズ(可視化)した作品を作ってSNS等で発信している4名の登壇者、
数学デッサンのずけやまさん、カライドサイクルのπendさん、数学工作のほりたみゅさん、GeoGebra(数学ソフト)職人の鰺坂もっちょさんがそれぞれ作品を紹介しました。綺麗な絵、驚きの変形の連続に会場から歓声が起きました。「とりあえず作ってみてどんどん発信しよう」、「遊び心を記録しよう」、「ビジュアライズはコミュ力である」といったアドバイスが発信されました。

VR×数学 ~新しい数学発信のカタチ~ 20:00~

数学系のバーチャルYouTuber5名(アイシア=ソリッドさん、虚船亞衣子さん、叶数理さん、にしあかねさん、ハツェさん)と司会のけのもさんをバーチャル空間で一堂に集めて活動紹介をしてもらいました。バーチャル空間でカメラの自撮りをしたり、ホワイトボードに文字を書いたりとバーチャル世界でここまで現実のように振舞えるという事が驚きでした。特に円盤を転がしてサイクロイドを作ったり、ゼータ関数の上を歩いたりと数学好きにはたまらない内容だったので、彼らが推進しているVRアカデミーのメンバーが急増するのではないでしょうか。

フィールズ賞&チャーン賞が分かりたい~ほんの少しの理解を目指して~ 21:00~

今年は4年に一回のフィールズ賞の発表が行われ4人の数学者が受賞し、また柏原正樹先生がチャーン賞という数学賞を受賞した記念の年です。そんな年に開催したMATH POWERなので、業績を少しでも理解したいという思いから、池祐一さん、白坂テトラさん、清水超貴さん、内場崇之先生(すうがくぶんか)、梅崎直也さん(すうがくぶんか)に無茶なお願いをして解説をしてもらいました。マスパワー史上最高難度の数学プレゼンに会場がしびれました。

タカタ先生のお笑い数学教室 23:00~

一発目はMATH POWERの司会タカタ先生とその我妻さんによるタカタ学園の数学漫才が披露されました。「やっぱりガロアは時間が足りなかった」、「非ユークリッド幾何学はずるい」等々の数学ネタ満載のボケとツッコミで会場は大爆笑でした。続いて数学のお兄さんこと横山明日希さん、世の中のちょっとした矛盾に数学的な怒りをぶつけるウメムラタカシさんを交えて中学高校の数学以外の9教科それぞれに対して数学ネタを見つけていきました。無事に全教科で数学ネタが発見でき、最後はタカタ先生の「ひろがれMATH POWER♪」という曲で締めくくられました。

素数大富豪 24:00~

深夜帯は日本一の素数王を決める素数大富豪MATH POWER杯です。第一回からの恒例企画となっており、今年は24名が優勝を争いました。10億越えの素数、5~7枚出しの素数を当たり前に扱う参加者もおり、年々レベルが指数関数的に増加しているようです。決勝は昨年優勝のもりしーさんとカステラさんという北海道勢同士の対決となりました。10億越えの素数を10億越えの素数で返し会場から拍手が沸き起こったかと思えば、その少し後に1,000億越えの素数をもりしーさんが発動し、結果もりしーさんの2連覇で幕を閉じました。優勝が決まった時間は午前7時前。人間の限界を超えると思えるような戦いに涙が出そうになりました。

1日目のレポートは以上です。#Mathpowerのハッシュタグでトレンド3位まで行きました。2日目はどうなるか?耐久企画もどうなるか?
(二日目に続く(作成中))

●MATH POWER 2018の公式ページはこちらから↓
http://mathpower.sugakubunka.com/

(文/松中宏樹)