イベント

2020/06/03

全国から数学好きが参加!初のオンライン開催!ロマンティック数学ナイト!

ロマ数初のオンライン開催!

2020年5月30日外出自粛の毎日の鬱憤を晴らすべくオンラインでロマンティック数学ナイトを開催しました!その内容を和から株式会社の松中が報告いたします!

オンライン開催の最大のメリットは日本全国から、いや世界中から気軽にロマンティック数学ナイトに参加できることです。これまで行きたくても行けなかった方々も参加できる絶好の機会となりました。

今回残念ながら徳島県からのみ参加者がいなかったのですが、46都道府県、そして海外ではアメリカシンガポールから参加者が集まり申込総数は644名となりました!あと1名少なければ、もしくは3名多ければ素数ということでちょっと惜しかったのですが、これまで通常開催のロマンティック数学ナイトは200名程度の参加者でしたので、一気に3倍の方に数学熱を届けられるということで喜ばしいことです!

今回は初のオンラインということで運営の都合から、登壇するロマンティスト全12名中9名は過去に登壇経験のあるロマンティストで固めました。ロマンティストに応募したかった方々には申し訳ないのですが、是非次のロマンティック数学ナイトで数学プレゼンを聞かせてください!

そんな歴代のロマンティストですが、鰺坂もっちょさん、tsujimotterさん、たけのこ赤軍さん、せきゅーんさんといった「ロマ数といえばこの人!」という方々が集まってくれたので、初めてロマンティック数学ナイトに参加した方たちにも、ロマ数の魅力、ロマ数が何たるかが十分伝わったのではないかと思います。

この4名でもすでに豪華なのですが加えて、大学教授の三谷純先生、竹内英人先生、千葉逸人先生、人気ユーチューバーの鈴木貫太郎さん、twitterの数学界隈に君臨する数学を愛する会の会長いっくんさん、ロマ数主催の和からから私(mattyuu)とゼータ好きのζWalkerさん、そしてなんといってもいつもロマ数を最初から最後まで盛り上げてくれる司会兼ロマンティストのタカタ先生という個人的には最強の布陣となるロマンティストが揃いました。

今回はロマンティストも参加者もみんな別の場所にいます。通常開催のロマ数のような熱狂を共有するために「#ロマンティック数学ナイト」とハッシュタグをつけてツイートすると画面上に流れる仕組みを導入しました。プレゼン中は流れないようにしていますが、これでプレゼンの熱気、興奮を共有できます!

プレゼン紹介!

早速どんなプレゼンがあったか見ていきましょう!

【1】mattyuuさん 「タクシー数(1729)に興奮した話」

トップバッターは私mattyuuでした。1729はタクシー数と呼ばれラマヌジャンのエピソードとして有名なのですが、このタクシー数の性質を表す方程式\(x^3+y^3=1729\)の他の解を求めてみました!というプレゼンでした。実はこの曲線の背景には楕円曲線というとても奥深い曲線が隠れていて今回3番目に登壇するtsujimotterさんのブログでこの事実を知った私は、この興奮を誰かに伝えたくてプレゼンテーマに選んだのでした。

【2】鰺坂もっちょさん 「三密を避けたいなら有限射影平面を使うとよい」

前半二番目は数学のファン鰺坂もっちょさん。ある条件を満たす線と点の集合であるファノ平面が、昨今話題の分散登校に役立つというお話し。好きなあの子と登校したいという純真な小学生にとっては大事な話でしょう。分散登校の組み合わせを作るのに悩んでいる教職員の方には使ってほしいですね。大人の私としては麻雀大会の組み合わせを作るのに使えそうだなと思いました。

プレゼンはmiroというWEBアプリを使って広大なホワイトボードにテキスト、数式、カラフルな図形を書きながら行われ、こちらもオンラインならではでした。またオンラインだともっちょさんの声の良さも際立っていました。

【3】tsujimotterさん 「『にじたい』へのいざない」

3人目は日曜数学者の創始者tsujimotterさんです。素数を次から次への生成する魔法の多項式「\(f(x)=x^2+x+41\)」(\(x=0\)~\(39\)で\(f(x)\)は素数になります)について紹介。これだけを見ると、「まあそんな多項式もあるか」、「よく見つけたなぁ」くらいの感想で片付けてしまいそうですが、なんとこの方程式の背景には複素数を使った不思議な数の世界が潜んでいるのでした。

ここから先の話は難しいので、話半分に聞いてください」というtsujimotterさんの一言は『分からないを楽しもう』というロマ数ならではという感じがしましたし、『自分は超楽しいと思っているから、わからなくてもよいからどうか聞いてほしい』というtsujimotterさんの心の叫びのようにも感じました。好きな数学をニコニコ話す姿が印象的でした。

【4】竹内英人先生 「『見方が変われば世界が変わる』~太郎が花子に勝つ日は来るのだろうか?~」

お次のロマンティストはロマ数初登壇、名城大学の竹内英人先生です。なんと竹内先生は高校数学の問題集として有名なFocus Goldの執筆者です。プレゼンはそんな竹内先生ならではといった高校生の太郎君、そして高校で習う因数分解が主役のお話しでした。うっかり者の太郎君は因数分解の問題を書き間違え、その結果間違った答えを導いてしまいます。しかし、そこから因数分解の世界で成り立つ大事な性質を発見していき、その疑問は数学オリンピックの予選問題にも出るような奥深いものにつながっているのでした。

答えを求めることが大事なのではなく、いろいろな疑問を持つことが大事」と話された通り、プレゼンの中で登場した問題に答えを与えることなく、参加者への宿題として残すところも粋でしたね。

【5】たけのこ赤軍さん 「Joy In Partition」

お次は中学生の頃からロマンティック数学ナイトで登壇している現在高校三年生のたけのこ赤軍さんです。登壇の度にどんどんどんどんプレゼンの内容が高度になっていっています。今回はyoung図形にある規則で数字を書き込んでいったものとSchurゼータ関数が対応するという話、そしてそのSchurゼータ関数の面白い性質の話です。

たけのこ赤軍さんのプレゼンは難しいと圧倒されがちですが、実は定義、例をしっかり書いており、初心者に寄り添ったプレゼン(?)であることがわかります(それでもやはり難しいのですが、、、)。また淡々と数学の話を展開しているようにも見えますが、「そろそろ僕もゼータ関数の話をしたくなってきた」、「multi partite partitionやばい」とか静かに興奮していることもわかり、これぞロマ数という感じです。プレゼン後のタカタ先生とのやりとり「マルチパータイトピーパーティション」、「プリンシパルスペシャリゼーション」の応酬には思わず笑ってしまいました。

【6】三谷純先生 「ハートの方程式と折り紙」

前半のトリは立体折り紙で有名な筑波大学の三谷純先生です。”数学を愛する会”が開催した「ハートのグラフ選手権」に感銘を受けて、様々なハートの方程式、そしてその代表的な描き方を紹介しました。また三谷先生は選手権で優勝したハートを立体折り紙でも作られ、その展開図も紹介されました。

今回三谷先生の紹介された「パラメトリック関数表現」、「陰関数表現」による図形の描画はコンピュータ、もっと言えばスマホを使えば誰でも簡単に試すことができます。三谷先生のおっしゃる通り本当に楽しい時代ですので、是非皆さんもやってみましょう。

【7】タカタ先生 「タカタ予想の証明」

後半一発目は司会のタカタ先生の数学ネタの発表です。日本のお笑い界の巨頭、明石家さんまさん北野武さんは数学界の二大巨人オイラー、ガウスの生まれ変わりではないかというタカタ予想を紹介しました。いろいろな対比をしながらその予想を証明していくスタイルですが、「それはさすがに無理があるだろう」と笑いながら見ていました。

【8】「数学を愛する会」会長いっくんさん 「オイラーの等式の意味」

後半二人目は数学を愛する会、通称「ますらば」の会長いっくんさんです。数学を愛する会はtwitterのフォロワーが7万人を超える人気の会ですが、なんと会長のいっくんさんはこの春に大学生になったばかりで私から見たらとても若いです。そんないっくんさんは人類の至宝とまで言われる美しい数式\(e^{i\pi}+1=0\)の意味について数式とグラフで語りました。

終始プラネタリウムで優しく観客に語りかけるようなプレゼンに一気にファンになりました。「これこそ人類史上最高の数学者ガウスがイメージしたオイラーの等式の意味です」という言葉に思わず感動しました。いっくんさんのプレゼンの内容は数学する会のYouTubeで視聴できるようですので、是非ご視聴ください。

【9】ζWalkerさん 「席替えに潜む数学」

お次は和からの数学講師兼切り絵アーティストいう不思議な経歴のζWalkerさんです。大学で学ぶ群という数学概念はとても抽象的でなじみのない方も多いと思うのですが、実は学校の席替えにも潜んでいました。簡単な例から始めて、組み紐群配置空間など徐々に数学のパワーワードが出てくるのは数学好きの私としてはとてもわくわくしました。

このまま数学の話に振り切ると思いきや、最後に出たのはPerfumeのダンスの例でした。「あ~ちゃんとかしゆかの入れ替わりがなければ絡み目補空間に双曲構造が入りませんでした。お二人に感謝したいと思います」って、私がもしあ~ちゃんだったとしたら意味不明すぎて、こんな謝辞聞きたくない、と思うかもしれません。

【10】鈴木貫太郎さん 「はじき・くもわ撲滅運動を始めます」

後半4人目は毎朝入試数学の解説動画をアップしている人気数学ユーチューバーの鈴木貫太郎さんです。プレゼン前後のタカタ先生とのやり取りを見ていると、「THE 自由人」という言葉が私の頭の中をよぎり続けていました。

しかし肝心のプレゼンはけっこう真面目なお話しで、公式丸暗記の指導は良くないのではないかという問題提起を、押し付けではなく貫太郎さんの経験を元に語ってくださいました。プレゼン資料も原稿も用意していない中で深い話をされる姿を見て、自分は自由人になれないなぁとしみじみ思いました。

【11】せきゅーんさん 「D.H.J.」

後半5人目は、数のエンターテイナーのせきゅーんさんです。21世紀版のブルバキとも呼ばれるPolymathプロジェクト。そこで生み出された論文の執筆者名に入っている「D.H.J.」とは何か。それはせきゅーんさんが現在2番目にロマンティックと思っている定理「密度版 Hales-Jewettの定理」の頭文字だったのです。

後半ではいかに「D.H.J.」がすごいかを語るべく、「ファン・デル・ヴェルデンの定理」、「セメレディの定理」というせきゅーんさんのおなじみ定理と「D.H.J.」の関係が明かされました。なんと「D.H.J.」はこの2つの定理を含む尋常ならざる強い定理だったのです。この辺りにはロマンティックな話がたくさん詰まっているということなので、早くも次のせきゅーんさんのプレゼンを聞きたくなりました。

【12】千葉逸人先生 「一般化スペクトル理論とその応用」

大トリはビール大好き東北大学の千葉逸人先生です。千葉先生は、固有値の無限次元版であるスペクトル集合、特にその中でも扱いが難しい連続スペクトルを研究するために一般化スペクトル理論という数学の新しい理論を創り出しました。「この定理は難しくて何を言っているかわからないと思いますが、僕もわからないので気にしないで大丈夫です」とまさか定理を証明した本人の千葉先生から(冗談とは思いますが、、、)そんな言葉が聞けるとは、これこそまさに最強の「わからないを大切に」ですね。

なんと後半では未発表の研究結果を紹介してくださいました。公開禁止ということで述べることはできませんが、本当に貴重でした。それにしても最後の「参考文献 俺」にはしびれましたね。

【フィナーレプレゼン】タカタ学園 「コント『zoom授業』」

後半歓談タイム後にオンラインロマ数ラストを飾るのは、タカタ先生と我妻さんによる「タカタ学園」の遠隔コントです!zoomを使ってコントをするのではなく、zoom授業をテーマにしたコントをzoomで行うということで、コントとzoomの相性がピッタリでした。数学教師のタカタ先生が我妻さんに数学の問題を出していくという設定だったのですが、その鬼畜問題に笑ってしまいました。

さいごに

今回大きな問題なくオンラインのロマンティストが開催でき、ロマンティストの皆様、参加者の皆様、ご協力いただいたスタッフの方々に感謝します!

オンライン上でも非常に盛り上がり、約5000のツイートがあったようで、Twitterのトレンドランキングでもなんと日本国内「5位」になることができました!ありがとうございます!

私個人としては登壇にあたっていつもより緊張しなかったり、会場設営の準備等が不要だったりという点でオンラインの良さを感じましたが、一方ロマ数の会場の熱狂はやはりオンラインでは感じづらいと思ったのも事実です。通常開催には通常開催の、オンライン開催にはオンライン開催の良さがあるので、どちらか一方に偏ることなくバランスよく開催していけたらと思います。

最後になりますが、今回のオンライン開催にあたって、ロマ数グッズのオンラインショップも開設しました!会場でのロマ数も、オンラインでのロマ数も是非ロマ数Tシャツを着て参加してください!気分が変わりますよ。https://romanticmath.thebase.in

その他、関連情報は以下からご確認ください!

→ロマンティック数学ナイトWebページ
http://romanticmathnight.org/
→ロマンティック数学ナイトFacebookコミュニティページ
https://www.facebook.com/romanticmathnight/
→ロマンティック数学ナイトTwitter
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(文/松中)