イベント

2019/12/20

「第2回ロマンティック数学ナイトプライム@数学の先生SP」開催レポート

学校、塾、本…様々なフィールドで活躍する数学の先生がロマンでつながる!第2回ロマンティック数学ナイトプライム@数学の先生SP開催レポート

6/29 (土)に、ロマンティック数学ナイトプライム@数学の先生SPの2回目開催が行われました。会場は紀尾井町にあるYahoo!社のコワーキングスペース「LODGE」です。私も、数学や算数を教える先生という立場であるため、いち参加者として本イベントに参加させていただきました!会場には数学に対して熱い想いを持つ、多くの方がいらっしゃいました。その様子をまとめましたので、ぜひご覧下さい!

「数学の先生」という切り口で会場は超満員!そして参加者の半数以上が先生ということで、会場の雰囲気はロマンティック数学ナイト本家とも少し異なる、独特の雰囲気がありました。

実はこの「数学の先生SP」は開催が2回目。1回目が1月で、2回目である今回は6月。私自身は前回プレゼンをさせて頂いた立場でもあり、前回のロマ数プライム数学の先生SPで出会った方々と何人も再会しました。そして、私以外の参加者も、始まる前から自己紹介している場面を見かけ、「数学でつながる」が実現されておりました。。。。数学の先生達もなかなか横の繋がりを作れる機会がないという課題があり、こういう場がその課題を解決する重要な機会になるのでしょう。

さて、イベントがはじまりました。
司会はロマンティック数学ナイト本家でもおなじみのお笑い芸人と高校の数学教師でもある「タカタ先生」。ロマンティック数学ナイトプライム@数学の先生SPの企画もタカタ先生が運営されております。

タカタ先生は本企画にこのような想いを載せて主催。

“様々な現場で大活躍中の12人の数学の先生が、内なる数学を496秒(完全数)のプレゼンに込めて解き放ちます!マジでこれからの日本の数学教育を支え、そして変えていく、正に数学アベンジャーズです!これだけのメンツがそろうのはマジで今回限りだと思います。「数学の先生がロマンでつながる」新たなコミュニティがここに誕生!”

その熱意もあって、本企画に多くの方が集まってくれました。

それでは、今回12人のロマンティスト(プレゼンター)の様子の一部をご紹介します!

【1】村山礼さん
∞∞ 数学偉人伝 ∞∞
トップバッターは元探究学舎の村山礼さん!

この春に探究学舎という塾を卒業し、フリーで活動中の村山さん。
彼の強みは魅力的なプレゼン資料と、それを超える語り口調。20代中盤という若さをまったく思わせない語り口調でオープニングアクトに相応しいパフォーマンスを披露!

今回は最も美しい数式と言われる「オイラーの公式」にもあるe(ネイピア数)の名前の由来となったジョン・ネイピアにまつわる歴史の紹介。ネイピアが直面した、大航海時代の航海に関する課題。それを解決するために発明した球面三角法についてや、対数について。数学の話で終わると思いきや、そこから学べる人生への教訓の話に繋げるという、科目を超えた授業プレゼンを披露してくれました!

人にスポットをあてストーリー仕立てにまとめるプレゼンは、数学の魅力だけでなく、そのスポットにあたっている人物への魅力を感じることができますね!

【2】HKTさん
∞∞ 九九から広がる数学の世界 ∞∞
2人目は大学院生のHKTさん。

タカタ先生のロマ数ゼミの生徒ということもあり、タカタ先生がプレッシャーをかけてましたが、そんなことも気にせず堂々とプレゼン。テーマは2年ほど前にTwitterでバズった「九九の糸掛け」で見えてくる特徴について。小学校のときに学ぶ「九九」ですが、どうしても丸暗記して終わり、になりがちな九九の学習に対して、まだまだ違う学び方、楽しみ方があるんだということを主張するかのような内容でした。

九九のルールにそって単純に糸掛け模様を作るだけではなく、そこをさらに数学的に切り込み、実は日常に応用できる話があるということを紹介したりしてくれました。n/m角形の話からmodの話、そして飲み会で役に立つ(かもしれない)糸掛けから派生できる話をプレゼンしてくれました!

【3】すうりだいすきさん
∞∞ 最先端の数学を広げよう\(^o^)/ ∞∞
3人目のロマンティストはすうりだいすきさん。

数学を研究することや学ぶことの難しさについてや、その難しさから最先端の数学が社会にまだまだ応用されていないことについての課題意識について発表。「この課題を解決したい!」という話はどうしても真面目なプレゼンで完結しがちですが、すうりだいすきさんはそんなことありませんでした。

話を進めていくと最先端の数学を広げるうえで「圏論認定第1種」「代数トポロジー取扱者」という資格もひとつの切り口なのでは、という話に。こんな奇抜な発想の提案は一見的外れのようで、こういった大胆な発想が世の中を変えるきっかけになる、と私も考えております。すうりだいすきさんは、最後に、自分自身の夢である「数学の伝道師」についても熱く語っていただきました!

【4】イモニイさん
∞∞ ダメでいい!ダメがいい! ∞∞
現在栄光学園にて非常勤で数学の先生を勤めながら花まる学習会で「いもいも」というイベントを主宰されているイモニイさん。

普段の授業で実践されている「自分のやり方でやる 自分の考え方で考える」について、実際の授業の様子を動画も交えて紹介してくれました。イモニイ先生のプレゼンは過去に何度か拝見する機会がありましたが、プレゼンの導入がとても独特で魅力的で、イモニイ先生が働かれている学校の雰囲気、そして先生と生徒の関係性が伝わってきます。長年教育現場で活躍してきた積み重ねがあるからこそ厚みのあるプレゼン内容。

また、具体的に子供達がどう最適解に近づいていったかの話を、算数オリンピックで出題された「必要な積み木の最少解」を求める問題を例に紹介して下さいました。高校生たちが次々と別解や条件を変えて解いていく様子がリアルに想像でき、授業設計の仕方として参考になる話も聞くことができました。

【5】龍凰さん
∞∞ 剣舞×数学 ∞∞
この方…「吟詠吟舞錦凰流三代目宗 兼 私立高校の数学教師」という異色の経歴。

色々と新しい仕事をしていくなかで行きついた学校の先生という職業。全然関係のない職業のようで、実は深い関係があるんだ、というプレゼンをスライドなしで言葉と身体を使って伝えて下さいました。

数学の先生をやり始めてから改めて剣舞に潜む数学的な性質に気づいたという龍凰さん。しなやかに舞うということは、なめらかに動くということ。なめらかな曲線を描くということは、微分可能ということ。腕を動かすときに、間接それぞれを動的に動かすことでなめらかな動きを実現できる、というお話を実際の剣舞を実演しながら紹介してくれました!

数学は世の中の様々なところに潜んでいる、という話はよく聞く話ではありますが、剣舞×数学を体現されている方はこの龍凰さんしかいないのでは…。流石です。

【6】柳田理科雄さん
∞∞ 空想×科学 ∞∞
あの『空想科学読本』でおなじみの柳田理科雄さんがハーフタイムショーとして出演!

柳田先生のパフォーマンスのひとつの特徴は、その場で言われた事について空想科学を瞬時に展開していくということ。

今回は、開催日時が七夕も近いということで、星にも関係してくる空想科学のお話を披露してくれました。あの有名なゼットンが打ち出す火の玉が、地球に及ぼす影響具合を計算してくれました。地球どころか宇宙にある星たちにとてつもない影響を及ぼすという話で、予想をはるかに上回るエネルギーであることを、数式やグラフをホワイトボードに描き上げながらプレゼンして下さいました。

【7】かどPさん
∞∞ うんこ算数 ∞∞
7人目はかどPさん!

小学生に大人気のドリル『うんこ漢字ドリル』『うんこ算数ドリル』に関わっている「うんこプロデューサー」ことかどPが、自身が手掛けている『うんこ算数ドリル』や今後の展望について熱く語ってくれました。

どのようにうんこ×算数のコンテンツを作っていくのか、その制作の裏側が少し垣間見えました。タカタ先生と共に制作した超長文文章題は、果たして日の目を見るときはあるのでしょうか…気になる方は、かどPのとうんこ研究会を要チェックです!

それにしても今回のロマンティスト(プレゼンター)は異色の肩書きの人&プレゼン内容の人が多くないですか…うんこ×算数とか剣舞×数学とか…数学の可能性、∞ですね。

【8】てつさん
∞∞ 数学するためのRecipe ∞∞

第一回のロマ数プライム数学の先生SPで聴講者として参加したてつさん。私立中学の1年生の数学を担当されているてつさんですが、実際に現場で実践されている内容を紹介。授業設計として参考になる話を沢山して下さいました。

たとえば、幾何の授業では外にでて写真を撮って投影図を考えてみたり、投影図的な図形の代表でもあるiPhoneのアイコンのようなものを作成したり、解説動画を生徒が作ったりという授業をされているとのこと。問題の答案を生徒がつくる、というのは自分自身が高校生のときに経験はしていましたが、今時の生徒たちは解説動画を作れてしまうのですね…すごい。実際の授業の様子を見てみたくなる、そんなプレゼンでした!

【9】飛車丸さん
∞∞ 自然数の超準モデル?自然数を超えた自然数? ∞∞
9人目は静岡で数学教師をやられている飛車丸さん。

ロマ数の魅力のひとつは、全国各地からロマ数のために長距離移動をして参加をする、ということ。ロマンティストであろうと、それは変わりません。プレゼンのために東京にやってきて下さいました。

学校の先生として授業での内容などをプレゼンするかと思いきや、始まって数秒後、「今回は数学の先生としてではなく、1人の数学好きとしてプレゼンをします」と宣言。確かに、数学の先生は先生という立場である前に、1人の数学好きの人間なのですよね。当たり前のことですが、この一言で気づかされるものがありました。

プレゼン内容はスライドの可愛さとは真逆に真面目な内容を。自然数ってなにもの?をテーマに、ペアノの公理を拡張したペアノの公理の超準モデルを紹介。新しいモデルを作ることで新しく世界が広がっていく。そういった世界を構築することが楽しい、ということをプレゼンを通して伝えて下さいました!

【10】タケちゃん
∞∞ 結論を言わない証明問題 ∞∞

中高一貫校の数学科・情報科教諭を務めるタケちゃん。結論を言ってしまうとせっかくの問題がつまらなくなってしまう、というテーマで数々の問題を提示してくれました。

問いかけ方1つで変わるのが問題というもので、問いかけ方を工夫するのは先生として大切な任務ですよね。生徒への投げかけ方を間違うと、せっかく魅力的な問題なにも関わらず、つまらない問題として捉えられてしまいます。

タケちゃんは、その問いかけ方の例を紹介する中で、本人自身もまだ答えがわからない問題もいくつか紹介してくれました。交流タイムでその問題について議論している様子も見られましたが、こういった「僕もわからない問題なのですが」という投げかけ方も、タケちゃん流の問いかけ方なのでしょう。なるほど!

【11】越野貴嗣さん
∞∞ 救ってくれたのはいつも数学だった ∞∞
私立中高の数学教師をしている越野さん。

越野さんのプレゼンもなかなかユニークな切り口かつ展開でした。高校時代に数学に魅力を感じたのはトイレでの出来事…?という異色のきっかけの方のようです。ふとした疑問からはじまった思考の繰り返しの変遷を丁寧に展開し、そのなかで出会った様々な数学者の思想を踏まえ、数学との向き合い方について熱く語ってくれました。「数学が私を変えてくれた。自分が変わると世界が変わる、それを気づかせてくれたのが数学だった」と最後に名言を残してくれました。

自分自身と数学との出会いにも面白いエピソードがあり、ひとりひとりユニークなきっかけがあるのだろうな、と改めて自分自身の数学とのきっかけを振り返りたくなるような内容でした。

【12】すぐる先生
∞∞ 恋愛市場×数学 ∞∞
飛び込みプレゼンで登場したすぐる先生!

学校の先生以外の活動として小学生から中高生、そして大人に対しても講演をしているすぐる先生。そしてテーマとして「恋愛」を扱うこともあるそうで、今回も恋愛にまつわる数学の話を披露してくれました。本当に先生といっても異色の方々が多いんだなというのがわかる一日になりました。

テーマは恋愛の最適化問題について。秘書問題ともいわれる最適化理論を紹介してくれました。時間の関係で短いプレゼンとなってしまいましたが、ある問いかけに対して会場の方々は食いつき、そして裏切られるような答えをすぐる先生は紹介してくれました。

◇ ◆ ◇
∞∞ 歓談タイム ∞∞

歓談タイムではロマンティストの方へ参加者の方が沢山質問を投げかけつつ、それぞれのグループで和気あいあいと数学談義に花を咲かせていました!

後日談ですが、私もここで出会った方々と飲みに行く機会を持つことができ、横のつながりがたくさん生まれた場になったことを実感しております。歓談タイムも含めてロマンティック数学ナイト。内なる数学の話を聞いた熱を帯びた参加者同士の横の繋がりが生まれていきます。

◇ ◆ ◇

∞∞最後に∞∞
第2回の数学の先生SPということでしたが、チケットも売り切れ満席のまま無事終了となりました。次回開催を希望する声もすでに挙がっており、今後第3回の開催が期待されているロマ数プライム数学の先生SP。

ロマンティック数学ナイト本家は数学の先生だけでなく、あらゆる方が参加できるイベントになっています。ぜひ、次のロマンティック数学ナイトのイベント詳細が公開されましたら、ご参加下さいませ!

<文/横山明日希>

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