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MATH POWER 2017 開催報告レポート ~2日目~

公開日

2017年10月14日

更新日

2019年11月27日

MATH POWER 2017の2日目が始まりました。ピリピリの緊張感がたまらない数学の決闘、そして耐久企画の正65537角形の作図の挑戦、また巨大ナンプレの挑戦の結末はどうなったでしょうか。ステージでのコンテンツは朝10時から夜20時までの10時間。引き続き時系列にレポートしていきます。

なお、1日目のレポートを読まれていない方はまずは下記リンクから読んでみてください!

<企画 数学の決闘 予選> 10:00~

ルネッサンス時代のイタリアで行われていた数学問題による決闘を再現したこの企画、去年に引き続き、今年もやります!今回は去年のチャンピオンチーム、個人塾経営者、研究所でAIの研究をされている方、システムエンジニアの方など公募によって選ばれた8チームに加えて、数学甲子園2017優勝チーム(即ち、高校生日本一!)の灘高生代表のチームや、旧帝戦数学部門覇者(即ち、大学生日本一!)の北海道大学代表のチームも参戦!

予選は3回勝負。1回当たり制限時間30分で与えられた課題を解き、正解得点が加算されます。最終的に得点の多かった上位2チームが決勝に進出します。

解く、ひたすら解く。限られた時間の中で、集中して問題に対峙するあの感じ、ノスタルジーすら感じますね!いいですね!

会場の観客の方々にも、同じ問題が配られました。写真の真ん中の辺りのロープよりも手前側が観客席。ほとんどの人がチャレンジしてくださいました。問題があれば、チャレンジしてみたくなるのは数学好きの数学好きたる所以かもしれません。観客席側にも、たった1人でたくさん問題を解いてしまうすごい人もいました。来年のマスパワーには選手として出場してくれるかも!?

10チームのそれぞれの結果はこのとおり。写真左下のGOLD LUSH(灘高代表)が1位、右下のディフェンディングチャンピオン(昨年の優勝チーム)が逆転2位で、決勝戦進出です!おめでとうございます!決勝もがんばってください!!決勝戦は15時からです。

<講演会 ナンプレの最少ヒント数と解き方> 12:00~

仕事と趣味が、ナンプレ作りという、とんさんのご講演です。どのくらいのマス数のナンプレは、どのくらいのマスが埋まっていたら解が一つに決まるか(最小ヒント数)の研究を紹介してくださいました。

<講演会 身近な実験に潜む古代の数学の発見> 13:00~

明治大学の矢崎成俊先生による講義です。浮沈子や石けん膜の実験を、数学的な見方で解説してくださり、そしてそれが最近の研究にもつながっているところまで見せてくださいました。いろいろな現象を理解しなおせるような視点で、すごく面白いご講演でした。

<講演会 数学×音楽・藝術> 14:00~

明治大学の中島さち子先生と、スペシャルゲスト秋山仁先生によるご講演です。中島さんはジャズ・ピアニストでもあり、国際数学オリンピック金メダリストでもあるという、音と数の理解が深い素敵な女性です。音の数学的な法則や理解を教えてくださったり、即興演奏をしてくださったり。そして秋山仁先生も、アコーディオンやいろいろな小道具で、音や数学の法則を直感的に見せてくださいました。

<企画 数学の決闘 決勝> 15:00~

さあ、午前中に予選を勝ち抜いた2チームの一騎打ち!その2チームは、昨年の優勝チームのディフェンディングチャンピオン、そして灘高代表チームのGOLD LUSHです。決勝戦はステージ上で、2チームが左右に分かれて問題を解きます。どんなふうに問題を解いているのか、また、解けているのか解けていないのか、皆に見られて丸わかりになってしまう状況において全力を出し合っている緊迫した空気がたまりません。まるでスポーツ選手がプレーしているかのような見ごたえがありました。

50分の制限時間いっぱい、互いに問題を解いて、その後は公開添削です。2問出題され、そのうち1問は両チームとも満点で正解でした。さすがです。もう1問は、両チームともに部分点争いになりました。部分点に影響する採点者の判断に、ステージ上で物言いもできて、どちらのチームも火花バチバチ。高度なやり取りを繰り広げる挑戦者と採点者。

結果は僅差で、考え方の道筋がよいという採点者の判断により、灘高代表チーム、GOLD LUSHの勝利でした!おめでとうございます!両チーム共に、素晴らしい戦いぶりでした!

▼灘高代表 GOLD LUSHチーム

▼昨年優勝 ディフェンディングチャンピオンチーム

<企画 ロマンティック数学ナイト ~ニコニコ生放送出張バージョン 第2夜~> 17:00~

前夜に引き続き、2夜目です!面白く勉強になるプレゼンがたくさん。テレフォンショッピングのパロディをしたり、癒し系のおねえさん(自称やらしいおねえさん)が心理学への数学からのアプローチを語ったり、ジャグリングをしたりと、魅力的で個性豊かなロマンティストがたくさん登壇されました。その中にはなんと3名の中学生の姿も!ガチガチの数学トピックで堂々とプレゼンされており、将来が非常に楽しみです。この中から本当に、未来の大数学者が現れるかもしれませんね!

1. 菅原響生さん 「0と1から始める代数学」

2. たけのこ赤軍さん 「The News From Riemannhypothesis ~リーマン予想、最後の日~」

3. ゼータ兄貴さん 「The Large Number on Prime Numbers: Skewes Number」

4. 鰺坂もっちょさん 「鰺坂もっちょのマスマティカルショッピング」

5. 脇克志先生 「群で数の形を感じる」

6. 武藤杏里さん 「応用数学、純粋科学、心理学-あるいは測定の環」

7. 松浦昭洋先生 「曲面との戯れ II ~ 転がりのもたらすリズムとは?~」

<エンディング> 19:00~

エンディングでは耐久企画の結果が発表されます。眠らなかった耐久企画、結末はいかに!?

―耐久企画 正65537角形の作図の結末は!?―

「作図の方は?」「……8ステップ目が終わったところまで行けました!」、というわけで残念ながらチャレンジは達成ならずでした。8ステップ目までは予定通りの進捗だったのですが、その後ずーーーっと8ステップ目をやっていて、時間切れになったという格好です。
挑戦は未達成ということになりましたが、全15ステップの中でもっとも計算ボリュームのあった8ステップ目、つまり峠は乗り越えた、ということで、挑戦者の皆さんは、達成感がある、とのことでした。
耐久企画へのチャレンジ、お疲れ様でした!

―耐久企画 巨大ナンプレに挑戦の結末は!?―

埋まってきています!最後の追い上げがすごかったそうで、でもエンディングには僅かに間に合わず!(しかし、会場のはからいで、エンディングが終わった後もナンプレが終わるまではニコ生中継が続けられました。約10分後、皆でカウントダウンして、見事巨大ナンプレが完成しました!すごい、すごい!これぞみんなのMATH POWERですね!

最後はタカタ先生の「MATH!」コールに合わせて、会場の皆さん、ニコ生の皆さんで、一緒になって「POWER!」を連呼、連呼、また連呼!
すごい盛り上がりを見せた本イベント、また来年の開催をお楽しみに!

◯また来年のマスパワーをお楽しみに!

マスパワーは本当にすごいイベントでした。こんなに数学好きにターゲットされたイベントがあるなんてと驚きました。どの登壇者の方々もとても楽しそうに数学愛を語っておられて、ここまで”数学好き”を共有できる場は、おそらく他に無いので、とても貴重な場になっているのではないかなと感じました。

我々、和から株式会社と同じく主催の、エンジニア業界発展のための出版ブランド「アスキードワンゴ」さん、新宿で数学・統計教室を展開する「株式会社すうがくぶんか」さん、そして、ご尽力いただいたスタッフの皆さん、このイベントを楽しんでくださった全ての皆さんに感謝です!

イベントが終わった後の客席で「来年は私ぜったいにバイト入れない」と話している女性がいましたので、今年もファンが増えたのかなと思った次第です(笑)。
来年の開催を今から楽しみにしていてください。そしてぜひ、素数大富豪や数学の決闘に参加してください!一緒に、MATH POWERをひろげていきましょう!ひろがれ、MATH POWER!

●MATH POWER 2017の公式ページはこちらから↓
http://mathpower.sugakubunka.com/

(ライター/ 間野晶子)

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