和から株式会社主催「デザイン数学セミナー-黄金比の数理編-」の講義の抜粋です。
芸術の世界でよく見かける“黄金比”を数学的に理解するセミナーとなります。
◎詳細・開催日程はこちら→https://wakara.co.jp/course/14232
まず入門編では、黄金比についてもう少し基礎的なところから入っていこうかなと思います
黄金比とひまわりという話を聞いたことがありますか?
ひまわりの種の配置というのは黄金比が関係しています。そしてその黄金比というのを使って実際に excelで シュミュレーションができるんです。
ほとんど同じものが出来上がります。このシミュレーションというのもやっぱり黄金比が隠れていることがわかります。
さて、この黄金比とはというところでこれは少し復習になるかもしれませんが、黄金比はいろんなところで使われているわけです。
パルテノン神殿を作ったぺイディアスという人の頭文字をとって、黄金比は記号でφ(ファイ)と言います。今後もたくさん出てきます。
その黄金比ですが、いろんなところで使われるという話が先ほどもありましたが、モナリザとかダヴィンチはこの黄金比を頻繁に活用しています。
ダヴィンチはとても変わった人で文字は数字以外は全部鏡文字で書いていました。数字だけは同じ向きなんですが普通の文字が全部鏡に映さないと読めないようになっていたわけです。
当時のルネサンス再生と言われる時代で、この頃はアラビアから数学が輸入されてイタリアで数学ブームが巻き起こっていました。
元々はヨーロッパって実は数学が盛えてなかったんです。
はるか昔にギリシャ数学とか、そのような文明の発達の時には色々と存在したかもしれませんが、ほとんど数学はインドやエジプトとかの地方で爆発的に発展していてヨーロッパでは固有の数学っていうのはあまり起こっていなかったんです。
アラビアの数学をイタリアで輸入されたということを覚えておいてください。
それでは15世紀に誰が広めたのかというところをちょっと抑えておきます。
今日のセミナーの後半くらいでまた出てきます。
イタリアでは数学のブームが起こっていたのはすごいですよね。どれぐらいブームが起こってたかというと数学の問題を出し合う決闘
が非常に行われていました。すごいですよね!ブームにも程がありますよね。
皆さんはこのようなひまわりとかはなの出方とか松ぼっくりとかに注目したことってありますかね?
実はこれらの植物っていうのはf(n)=f(n-1)+f(n-2)と関係しているんですよ。この数式って何かというとフィボナッチ数ですね。
例えば、パイナップルなんかもそうです、以前僕がパイナップルを持ってセミナーしたことがある日来られた方いらっしゃるかもしれませんがパイナップルの右方向と左方向で螺旋の数違うんですよ
その螺旋の数が
これ赤の方向(動画参照)が8本で青の方向(動画参照)が13本でパイナップルはほぼこの数字になります。
大抵身近にあるパイナップルを手に入れて右方向と左方向で数えたら8本と13本になります。
もし8本と13本じゃなかったらそれはもはやパイナップルじゃないです。
実は最初にお話ししましたようにひまわりの種の配置っていうのはやっぱり数学的に構造がしっかり入っています。
その一つの理由としてちゃんと渦の形がフィボナッチ数っていう数字が出てきたり、実はその構造の中にはフィボナッチ数って黄金比の化身みたいな話しましたが、その黄金比っていうのが実は背後に隠れているわけです。
で、実際僕のひまわりを使った切り絵作品でかなり昔に作ったことがあって、今これがどこに行ったのかはわからないんですけど多分家のどこかにあり
ます。だいぶ古い切り絵の作品です。
ちょっと凝ってるんですね、21、34、とかひまわりの種のところを全部切り抜いて
で黄金比の数字をパラパラと並べているかなり細かい切り絵なんですが、ちゃんとフィボナッチ数を意識してフィボナッチナンバーと書いてます。
その他黄金比に関してはいろんなところで話題になっていて
例えばこのように(動画参照)、クレセントの問題をご存知でしょうか?大きい円から小さい円を引いてあげてできた三日月型の形の重心がちょうど
ここに来るようにするには小さい円と大きい円をどんな比率にすればいいか、これ実はここ(動画参照)が黄金比なんですよ。
他にもロレーヌの十字架っていう形のものは普通の十字架と違いますよね、こんな十字架(動画参照)があってここを支点として通るような直線で切ってください。この時にちょうど2等分されますよね、2つになった時の面積が等しくなるようにするには切り口をどの位置にすればいいかっていう相当マニアックな問題があるんですけど、そうするとここの比率が実は黄金比になります。