大人のための数学教室「和」

講師紹介

元証券会社勤務、元IBMプロジェクトマネージャー

坂本 昌夫 Sakamoto Masao

東京都江戸川区在住
中央大学理工学部数学科 卒業
指導可能分野:数理統計学/多変量解析/ベイズ統計学/時系列解析/確率論/医療統計/論文のための統計/機械学習・深層学習(ニューラルネットワーク)/データマイニング/テキストマイニング/数理モデリング/オペレーションズリサーチ(線形計画法、在庫管理等)/プログラミング(Excel、R、python等)/統計調査法(リサーチデザイン)/中学数学/高校数学/大学教養課程の数学

勤務経験:三洋証券株式会社(システム部門※主にホストシステム開発)/新商品開発部門(アセットアロケーションデルタヘッジ自己売買等)/証券アナリストの数学の社内講師/株式会社 鷹山(携帯電話のアナログ設計回路に従事)/日本アイ・ビー・エム株式会社(プロジェクトマネジャーとして主に金融機関(銀行)のシステム構築に従事。金融モデルから具体的にシステムに落とし込む部分も担当)

所持資格:数学教員免許 中学1級、高校2級/特種情報処理技術者/統計士/データ解析士

数学はとても楽しい。数学は美学です。

数学に大変興味を持ったのは、中学3年の時の数学の問題集でした。その問題集の表紙に偉大な数学者の一人である、ガロアのことが載っていました。

ガロアは数学に対する才能(5次以上の方程式が四則演算とべき根だけを使って解くことができないことを現在の群論の理論を使って証明。当時、群論の概念はなく、周りの人に理解されなかったようです。)があり、数学に没頭しましたが、全く報われず、投獄され、最後は病気で命を落とします。
私はガロアの数学に対する情熱に感銘しました。
ガロアはどちらかというと情熱すぎて短気が災いし、人生を大事に生きていなかったように思うのですが、数学に対する情熱だけではなく、人生も大切に思うことで、人生をまっとうした数学者、ワイエルシュトラスにも心を打たれました。

彼は、1815年にドイツに生まれ、19歳の時、父親のすすめで法律と財政を学ぶためにボン大学に入学します。しかし、興味が無く、24歳でミュンスター・アカデミーという大学に入り、数学を学びます。
自分の人生は数学だと決意し、27歳から41歳までギムナジウム(日本の中学、高校に相当)で、数学と物理を教えていましたが、学校の要請から、国語(ドイツ語)、地理、習字なんと体育までも教えていました。
この間、独学で数学を研究していました。この学校では順番に研究論文を書いて「学報」の巻頭に載せることになっていました。

ワイエルシュトラスの順番が回ってきた時、多くの教師は、彼が体育に関することを書くものと思っていましたが、「アーベル関数の理論」について書いたため、他の教師は愕然とし、誰も理解できませんでした。
その後、この論文が極めて価値あるものだとわかり、41歳の時、ベルリン大学の助教授に招聘されます。

その後、49歳でベルリン大学の教授になりました。1897年、81歳で亡くなりました。主な業績は、解析学を厳密に展開したことです。

私はワイエルシュトラスの数学に対する情熱だけでなく、決して諦めないという人生観にも感動しました。
さらに、数学者ポントリャーギンにも、特に彼の母親に感動と驚嘆を覚えました。
1908年にロシアに生まれ、裕福ではなく、4年制の小学校で最初の教育を受けました。
14歳の時、爆発事故のため、完全に失明してしまいました。このときから彼の世話いっさいを母親が引き受け、以降、彼に文献を読んで聞かせたり、彼の論文に式を書き込んだり、事実上の秘書として役割を果たしました。
そのため外国語さえも彼女は学び、深い愛情をもって彼につきそいました。
17歳の時、彼はモスクワ大学に入学し、ずばぬけた数学的才能は直ちに多くの人たちの注意を引きました。驚くべきことに、彼はテンソル解析の最も複雑は公式を間違いなく記憶したということです。

その後、21歳でモスクワ大学を卒業し、主に位相数学に関して幅広い一連の大きな業績を次々とあげていきました。
27歳でモスクワ大学の教授になりました。有名な書物に「連続群論」(日本では岩波書店刊)があります。
1988年に亡くなりました。
私はポントリャーギンの数学的才能とともに、母親のわが子に対する献身的な姿勢に感銘を受け、この相乗効果が偉大な業績を残したのだと思いました。

様々な数学者の生きざまを通して、それほどにまで数学に没頭できるのか、と、学問とはそういうものなのか、と大変驚きました。それから、数学の魅力や面白さを再発見し、魅かれて行きました。

大学卒業後、一般企業に就職しましたが、幸いなことに数学に接する機会がありました。そこで、どのように数学が使われているのか、実際に経験することができました。
証券業、回路設計、システム開発といろいろな職業に就きましたが、いずれも数学は欠かせないと実感しました。

この経験を生かして、数学がいかに活かされているのかをお伝えできればと思っています。
通常の学校では味わえない、数学の違った角度からのアプローチも交えながら一緒に楽しい数学を学んで行きましょう。